Kuiper Belt: バーチャルリアリティにおける極端な視線角度を用いた視線入力手法の検討 (036)
(1) Kuiper Belt: バーチャルリアリティにおける極端な視線角度を用いた視線入力手法の検討

目の水平方向の最大可動範囲は平均45°である.しかし目が左右の限界まで移動することはほとんどなく,視線は基本的に視線と頭部方向が成す角度(視線角度)25°以内に分布している.我々はこの25°-45°の領域を“Kuiper Belt”と名付けた.ユーザが意図的に目を動かさない限り,当領域に視線が移動することはほとんどない.ゆえにKuiper Belt領域を活用することで,VRにおける視覚探索時のMidas Touchが減少すると考えられる.本稿ではKuiper Beltで視線インタラクションを行うためのパラメータ設計を行う実験と,Kuiper Beltを用いた手法の有用性と負担を検討する実験を行った.実験結果より,Kuiper Beltを活用することで視覚探索時の誤入力の減少が可能であることが示された.

崔 明根,坂本 大介,小野 哲雄(北大)
デジタルカメン:組込型光センサアレイを用いた近接表情認識機能をもつデジタルマスクの設計と実装 (017)
(2) デジタルカメン:組込型光センサアレイを用いた近接表情認識機能をもつデジタルマスクの設計と実装

本論文では,実空間での対面コミュニケーションを支援するために,ユーザの顔の表情全体をアバタの表情に反映させることができる薄型のデジタルフルフェイスマスクディスプレイ「デジタルカメン」の設計と実装について述べる.カメラを用いた表情認識技術により,アバタによる顔の拡張が可能になったが,その応用は仮想空間での対面コミュニケーションに限られていた.本研究では,実空間でのアバタによる顔の拡張を可能にするために,軽量でフレキシブルなディスプレイと表情認識器を統合したデジタルカメンを提案する.顔全体に分散した40個の光センサから構成される光センサアレイを用いて表情を推定するため,カメラによる表情認識と異なり近接で表情認識できる.機械学習アルゴリズムの1つであるSVM (Support Vector Machine)を用いた10クラスの表情認識モデルを構築する.提案する表情認識モデルの平均正答率は79\%であった.被験者にデジタルカメンを装着してもらい,鏡越しにデジタルカメン上に表示されるアバタを見てもらった.装着者自身の表情に同期して変化するアバタの表情変化は,アバタ再現性やアバタの表情変化の応答性という評価指標において,カメラベースの表情認識およびその結果を表情付アバタとして生成および表示する機能をもつ従来手法(e2-Mask)と比較して同程度の結果が得られた.

竹川 佳成(はこだて未来大),徳田 雄嵩(City University of Hong Kong),梅澤 章乃(はこだて未来大),鈴木 克洋,杉浦 裕太,正井 克俊,杉本 麻樹(慶大),Diego Plasencia,Subramanian Sriram(University College London),平田 圭二(はこだて未来大)
身体的アバタを介した自己開示と互恵性 ー「思わず話してた」ー (001)
(3) 身体的アバタを介した自己開示と互恵性 ー「思わず話してた」ー

人間関係や絆を築く上での自己開示の重要性をふまえると,今後利用が進むであろうVR空間において,アバタが自己開示にどのような影響を及ぼすかを調査することは重要である.先行研究では,アバタは,親しみやすさや正直さ等を高めることは示されているが,どのようなアバタが自己開示や自己開示の互恵性にどのように影響を及ぼすかは,十分に研究されていない.本研究では,54組(n=108)の参加者に,ビデオ会議,アバタと自己の外見的類似性のあるアバタ,アバタと自己の外見的類似性のないアバタの3つのコミュニケーションメディアのいずれか一つを用いて対話してもらう実験を行った.その結果,アバタと自己の類似性がないアバタ,類似性があるアバタ,ビデオ会議の順で,参加者の自己開示が促された.また,互恵性は,2つのアバタでは形成されたがビデオ会議ではされなかった.さらに興味深いことに,参加者はこのようにアバタを介すとビデオを介した場合よりも自己を開示するにも関わらず,主観的な体験に違いはなかった.これは,アバタを介した場合,ユーザはそのことに特段の意識を払うことなく自己を開示し得ることを意味し,人の率直な思考や感情を理解したい局面でのアバタの有用性を示唆する.

市野 順子(東京都市大),井出 将弘(東京都市大/TIS),横山 ひとみ(岡山理科大),淺野 裕俊(工学院大),宮地 英生,岡部 大介(東京都市大)
訪問客との共有注意の創出による接客ロボットの社会的プレゼンスの強化 (037)
(4) 訪問客との共有注意の創出による接客ロボットの社会的プレゼンスの強化

実際の店舗で接客を行うロボットは,日常的な場面で人と共存する形で使われており,接客ロボットに関する様々な研究が行われている.しかし,ロボットは社会的プレゼンスが低いために人から無視されやすく,ロボットの接客行動や販売戦略がうまく機能しない場面が多いという問題がある.本論文では,訪問客との共有注意を創出することで,接客ロボットの社会的プレゼンスを向上させることを目的とする.そこで,ロボットが訪問客の視線方向を解釈できることを表現することで,ロボットの社会的プレゼンスが向上するかどうかを実店舗で調査した.その結果,ロボットが訪問客の視線方向を認識していることを表現することや,訪問客の視線方向が変化したときにロボットが発言することによって,長時間ロボットを見る組が増加することが分かった.これらより,訪問客とロボットの間で共有注意を創出できたため,接客ロボットの社会的プレゼンスが向上したと考えられる.本論文の最も大きな貢献は,ロボットと人との間で共有注意を創出することで,ロボットの社会的プレゼンスが強化されることを,実世界の環境での実験で検証したことである.

岩﨑 雅矢,小川 晃輔(阪大),山崎 晶子(東京工科大),山崎 敬一,宮﨑 悠二(埼玉大),河村 竜幸,中西 英之(阪大)
ノリツッコミを行う対話型エージェント (006)
(5) ノリツッコミを行う対話型エージェント

ユーモア発言を行う対話型エージェントの研究は多角的な視点で進められている.我々は2体のエージェントをボケ役とツッコミ役に役割分担させてユーザと対話を行うシステムを提案してきた.このシステムでは,ボケ役のボケによってユーザとの話題が逸れたとしても,もう一方のツッコミ役がユーザの代わりにボケに対して指摘・会話の軌道修正をすることで,ユーザが負担なくエージェントらと対話を行える.しかしこの先行研究を含む従来技術では,ボケやツッコミの表現が限定されており,ユーザがエージェントと短期間対話を行うだけで,エージェントとの対話継続意欲が下がる恐れがある.この問題を解決するために,ツッコミ役のエージェントの新たな対話表現として,我々はノリツッコミの導入を提案する.これは,一旦ボケを指摘せずにボケの話題に合わせてボケたあと,ふと我に返ったかのようにボケの発言に指摘をして会話の軌道修正を行うツッコミ手法である.プロトタイプシステムによる検証実験を行った結果,2種類のツッコミを行うよりも,ノリツッコミのみを行うツッコミエージェントに対し,ユーザがユーモアを感じられること,ユーザのエージェントらとの対話継続意欲が維持しやすくなることを確認した.

呉 健朗,大西 俊輝,大串 旭,宮田 章裕(日大)
Kiite Cafe: 同じ楽曲を同じ瞬間に聴きながら楽曲に対する気持ちを伝え合う音楽発掘サービス (002)
(6) Kiite Cafe: 同じ楽曲を同じ瞬間に聴きながら楽曲に対する気持ちを伝え合う音楽発掘サービス

本稿では,人々がWeb上で集まって同じ瞬間に同じ楽曲を聴きながら,リアルタイムにコミュニケーションが取れるWebサービスである,音楽発掘カフェ「Kiite Cafe」を提案する.このWebサービスでユーザが楽曲を聴取する体験は,(i)各ユーザの楽曲に対する「好き」という反応が可視化される,(ii)Kiite Cafeで再生される楽曲はユーザの好みの楽曲から選択される,という2つのアーキテクチャによって特徴づけられる.これらのアーキテクチャによって,ユーザは対面で一緒に楽曲を聴いているかのように,他のユーザとの社会的繋がりを感じたり,自分の好きな楽曲を他者に紹介する喜びを感じたりできる.さらに,Kiite Cafeのアーキテクチャによって(1)再生中の楽曲に対して「好き」を伝えることの動機づけ,(2)多様な楽曲を好きになる機会の獲得,(3)キュレータとしての貢献,という3つの体験がユーザにもたらされる.2,399名のユーザによる1年間のKiite Cafeの利用ログを分析することで,これらの体験を通して生まれる,ユーザにとってポジティブな影響を定量的に示す.

佃 洸摂,石田 啓介,濱崎 雅弘,後藤 真孝(産総研)
スポーツイベントにおける帰宅分散実現のための行動分析と情報提示手法 (018)
(7) スポーツイベントにおける帰宅分散実現のための行動分析と情報提示手法

新型コロナウイルスの感染拡大に伴い,イベント開催時の混雑緩和は重要な課題となった.現在,入場制限などの方法で混雑緩和が図られているが,帰宅時に人が集中することが問題になっている.そのため,イベント参加者に指示し,退出時間や退出ルートを強制的に分散させる手法で帰宅分散が行われているが,このような指示は観客の不満につながってしまう.そこで本研究では,プロサッカーチーム「ヴィッセル神戸」のホームスタジアムであるノエビアスタジアム神戸を対象に,イベント終了後にスマートフォンアプリケーションを通じた情報提示を行うことで,イベント参加者の無意識での帰宅分散の実現を目指す.そのための事前調査として,新型コロナウイルスの感染拡大後に開催されたリアルイベント参加者に対するアンケート調査と,KDDI Location Analyzer(KLA)を活用したスポーツイベントの帰宅行動分析を行った.また,これらの分析結果を踏まえた混雑緩和手法の考案および提案アプリケーションのデザインを行い,このアプリケーションが帰宅分散に寄与することを実証実験で確認した.

福間 愛富,土田 修平(神戸大),西山 奈津美,田中 真一(デンソーテン),工藤 亮,幸田 健介,益子 宗(楽天モバイル),寺田 努,塚本 昌彦(神戸大)
SwaPS:文書を読むだけで漢字の字形記憶を効率的に修正・強化できる誤字形文字の生成・活用手法 (027)
(8) SwaPS:文書を読むだけで漢字の字形記憶を効率的に修正・強化できる誤字形文字の生成・活用手法

近年,日本や中国において,漢字を読むことはできるが書くことができない「漢字健忘」が社会問題になっている.この問題を解決するために,筆者らは漢字字形記憶の損失を防ぐ効果を有する漢字入力方式G-IMシステムをすでに提案し,その有効性を確認している.G-IMは,文字変換時に誤字形文字をランダムに差し込むことで利用者が持つ漢字字形記憶の修正・強化を支援するものである.しかし,ごくわずかに異なっている誤字形文字を発見し修正する作業は負荷が高いため,利用者の利用意欲を削ぐという問題があった.そこで,本論文では,利用者の負荷を増やすことなく,文書を読むだけで漢字の字形記憶を効果的に修正・強化することができるようにする手法SwaPSを提案する.SwaPSでは,漢字全体の80%を占める形声字に着目し,形声字を構成する意符と音符の位置を入れ替えることによる字形変形手法によって誤字形文字(PS字形文字)を生成し,これを文書中に混入させる.PS字形文字を含む文書を読むことで,漢字字形に注意が惹きつけられることにより,漢字字形記憶が修正・強化されることが期待できる.将来的にはPS字形文字を自動生成して提示する電子書籍リーダーの構築を目指しているが,本論文ではその実現に向けた基礎的な調査として,手作業で作成した誤字形文字を紙に印刷してユーザに提示することによるユーザスタディを実施した.その結果,PS字形文字を混入した文書を読むことで,正しい字形の文字のみを含む文書や,G-IMで採用したごくわずかに異なっている誤字形文字を含む文書を読む場合よりも,有意に漢字字形記憶を強化できること,および,正しい字形の文字のみを含む文書を含む場合よりも負荷が増加しないことを確認した.

魏 建寧,西本 一志,高島 健太郎(北陸先端大)
DDSupport: モデルとなる発音との差異・距離を提示する言語学習支援システム (020)
(9) DDSupport: モデルとなる発音との差異・距離を提示する言語学習支援システム

母語ではない言語を学ぶ際,自分がうまく話せているかどうかを学習者自身で判断することは難しい.さらに,自分がうまく話せていない場合に,自分の発音がネイティブスピーカーのようなモデルとする発話者の発音とどこがどの程度異なっているのかを判断することも困難である.そこで,本研究ではシステムとのインタラクションを通じて一人で言語のスピーキングを学ぶことのできる新しい言語学習支援システムを提案する.提案システムでは,深層学習に基づく音声処理を利用し,ユーザの発話がうまくいっているかどうかを判断し,学習者の発音がモデルの発音とどこが違うのか,どのくらい異なるのかを視覚的に分かりやすく提示する.学習者がシステムに示されたモデルとの差異を解消し,距離を近づけるように発音の修正を繰り返すことで,発音が徐々に改善されていくことが期待される.また,英語を母語としない学習者が英語を学習するアプリケーションを構築し,ユーザがアプリケーションを使用することで発話の分かりやすさが向上することを確認した.

河村 和紀(Sony CSL Kyoto),暦本 純一(東大/Sony CSL Kyoto)
(10) Apnea and Sleeping-state Recognition by Combination Use of Open-air/Contact Microphones

The increasing importance of sleeping quality and the awareness of sleep related disorders have led to emerging research in the field of wearable sensor with the purpose to make the sleep sensing become more comfortable and accessible. Among various methods, the use of audio sensor is known to be one of the most direct approach. However, further research using audio sensor to detect sleeping-state and apnea should be done to explore various new contexts and possibilities. Thus, this study proposes a wearable system to recognize human contexts of breathing, swallowing, body movement, and oral sound for the further use of sleeping-state and apnea severity detection. Several audio data combination methods of Aggregation Methods and Stacking Methods were proposed to improve the accuracy of the context detection. The Stacking Method with Support Vector Machine Polynomial Kernel as both first and second level classification resulted the best performance of 85.1\% accuracy and 18\% average improvement.

Maritsa Abidah Alfi,Ohnishi Ayumi,Terada Tsutomu,Tsukamoto Masahiko(Kobe University)
減塩生活者を対象とした電気味覚による塩味増強効果の調査 (032)
(11) 減塩生活者を対象とした電気味覚による塩味増強効果の調査

減塩食品の味をより濃く感じさせることは,電気味覚研究の到達目標のひとつである.一方,減塩生活者を対象とした,電気味覚による塩味増強効果に関する調査は未だ行われていない.そこで本研究では,減塩を意識した食生活を行っている,あるいは過去に行っていた参加者36名(年齢:43歳-65歳,減塩継続期間:2ヶ月-300ヶ月)を対象に実験を行った.実験では,減塩食品と一般食品を模した食塩水ゲルサンプルを用いて,電気味覚による塩味増強効果を調査した.結果,減塩食品を模した食塩水ゲルサンプルの試食時に電気味覚を提示することで,有意に塩味が強く感じられた.そして,その塩味強度は一般食品を模した食塩水ゲルサンプルと同等であった.また,電気刺激によってもたらされる違和感は,8割以上の参加者に対し,実用において問題となるようなレベルではないことが判明した.本研究ではさらに,日常生活での電気味覚の活用を想定し,減塩味噌汁の塩味強度や風味の変化について,定性的な分析を試みた.

鍜治 慶亘,安蔵 健司(明治大),佐藤 愛(キリンホールディングス),宮下 芳明(明治大)
バリア形状をゲーム要素とするバリア画像収集システムの検証 (007)
(12) バリア形状をゲーム要素とするバリア画像収集システムの検証

車椅子利用者やベビーカー利用者などの移動弱者にとって,バリアフリーマップは重要な役割を果たす.バリアフリーマップ作成のためのバリア情報を収集する手法として,一般の人達に身の回りにあるバリアを撮影・投稿してもらう手法がある.バリアフリーマップ作成に意欲のないユーザにとって,バリアを撮影・投稿する作業は自身に直接的なメリットがないため,モチベーションが誘発・維持されづらい.このため,バリア画像収集に協力するユーザが少なく,バリア画像収集において収集される画像の量が少ないという問題がある.上記を踏まえ,本研究ではバリアを撮影・投稿すると,Deep Learningによる物体認識で認識されたバリアの形状に類似したモンスターを収集できるゲームの提案を行う.提案システムでは,バリア形状に類似したモンスターを獲得できるゲームを利用することで,バリア画像を収集する作業に対するモチベーションを誘発・維持できるようにすることを目指す.実装したプロトタイプシステムによる検証の結果,提案システムには使用開始前・後のバリア画像収集への意欲を高める効果,バリア画像収集のために普段通らない道を通る意欲を高める効果があることを確認した.

村山 優作,奥川 和希,呉 健朗,宮田 章裕(日大)
人と機械による協調型エコーロケーションの提案 (014)
(13) 人と機械による協調型エコーロケーションの提案

エコーロケーションとは音を用いて周囲の状況を認識する技術であり,一部の視覚障害者は舌打ち音等の可聴音によりこれを実現できる.エコーロケーションにおいて超音波を用いると,より詳細な情報の取得等の利点があることが先行研究より報告されているが,通常の人間の能力では,超音波の発信/取得は困難である.本研究では,ウェアラブルコンピューティング環境であれば,デバイスにより超音波の発信と反射音の可聴化が可能であることに着目した.さらに,超音波可聴化のためにデバイス内で信号を処理するため,可聴化と同時に機械学習でも認識が可能である.従って本研究では,超音波を可聴化した音を用いた人による認識と,機械学習による認識を組み合わせた,協調型エコーロケーションを提案する.具体的には,スピーカから超音波信号を発信し,反射音をマイクで検出する.人は,低周波に可聴化された反射波の音色で物体の違いを認識する.機械は,反射波から得られる音響特徴量により認識を行い,ユーザの指定した物体を認識した際に振動で物体の存在を通知する.提案手法により,ユーザは自身の耳で得られる情報と,機械により得られる情報を組み合わせた物体の探索が可能になる.協調型エコーロケーションの実現に向けて,本稿ではエコーロケーションにおける機械学習の有効性について調査した.プロトタイプを作製し評価を行った結果,機械学習による物体の認識精度は,6種類の物体に対して平均92.5%であった.また.機械学習の有無による物体の探索行動の変化を10人の被験者に対して評価した結果,機械学習により探索時間が平均71.5秒から45.9秒に減少した.さらに,機械学習を加えることで,エコーロケーション時の精神的負荷が有意に減少した.

渡邉 拓貴(北大),角谷 美和(JSPS),寺田 努(神戸大)
ストリームライブチャット入力を想定した半透明ダブルフリックキーボードの入力性能の実験的検証 (038)
(14) ストリームライブチャット入力を想定した半透明ダブルフリックキーボードの入力性能の実験的検証

ストリームライブ配信の普及に伴って,配信者や特定のコンテンツに注目したライブシステムの研究が盛んに行われてきている.一方で,視聴者側のデザイン検討は少なく,特に配信中の重要なコミュニケーションチャンネルであるライブチャットのテキスト入力インタフェースは十分に検討がされてきていない.そこで,我々は視聴者側のユーザ体験を向上させるためのライブチャット用キーボードの検討を行う.まず,我々は視聴者にインタビュー調査を行い,ライブ配信視聴者の習慣や,コミュニケーション上の問題点を調査した.調査の結果,横持ちスマートフォンでの視聴が,ライブ配信で頻繁に利用されていることが明らかになった.しかし,横持ちでの視聴は手軽さと大画面による臨場感から好まれる反面,スマートフォン内の文字入力キーボードが動画画面と大きく干渉するため,視聴者の没入感とコメント意欲を妨げていることが明らかになった.そこで,動画を妨げず,ライブチャット交流を円滑化する横持ちスマートフォンのキーボードデザインを目指して1)両手を負担なく活用できるダブルフリックキーボード,2)動画背景に対する半透明キーボードの有用性をユーザビリティの観点から検証した.結果,スマートフォンの横持ち操作において,両手保持を想定したダブルフリックキーボードは有効であること,及び動画背景で利用可能な不透明度について考察した.

阿部 優樹,崔 明根,坂本 大介,小野 哲雄(北大)
(15) 【特集号招待】ギター演奏支援装置“F-Ready”の開発

西ノ平 志子(佐賀大/三重大),松井 博和(三重大),大島 千佳,中山 功一(佐賀大)