手描き絵から生成したCG空間内での移動とインタラクションを実現する「不思議なスケッチブック・ザ・ライド」の開発 (220)
(3A01★) 手描き絵から生成したCG空間内での移動とインタラクションを実現する「不思議なスケッチブック・ザ・ライド」の開発

本研究では,手描きの絵から三次元CG空間を生成して,さらに生成した三次元CG空間内にまるで没入したような感覚で,実際のカートを使って自由に移動することができるインタラクティブコンテンツ「不思議なスケッチブック・ザ・ライド」の実装を行った.三次元CG空間には建物や木の絵に基づいて三次元CGの街が構築されている.そして,ディスプレイ付きカートに乗って,構築された三次元CGの街を実際に運転しながら移動することができる.カートの動きとディスプレイ映像の三次元CG内の移動は連動しており,ユーザは自分の絵から生成された三次元CGの街の中に没入して,カートを使って三次元CGの街を自由に移動することができる.そして,三次元CGの街の建物をカートで壊すなど,三次元CG空間中のオブジェクトとのカートを介したインタラクションといった,これまでにない体験を実現している.

朝倉 麻友,水野 慎士(愛知工大)
境界面を持つホログラフィックディスプレイにおける傾きを入力としたインタフェース (177)
(3A02★) 境界面を持つホログラフィックディスプレイにおける傾きを入力としたインタフェース

3DCGを裸眼で立体視可能なホログラフィックディスプレイにおいて,投影された3DCGにユーザが直接働きかけられるインタフェース技術が多数提案されている.しかしディスプレイが投影面や保護容器などの境界面を持つ場合,それに阻害されて映像に直接働きかけることが出来ない.本研究ではディスプレイ自体を操作して中身に働きかけ,間接的なインタラクションを可能とするインタフェースを提案した.具体的には,レンチキュラーレンズ方式のホログラフィックディスプレイと加速度センサを組み合わせ,ディスプレイを傾けることで入力とする.応用例として,左記のディスプレイを容器と見立て,その中に液体が満たされているという想定の下に,ディスプレイに対する操作を反映した流体シミュレーションの結果をリアルタイムに投影するシステムを作成した.その結果,あたかも液体の入った容器を操作しているような感覚を提供することができた.

深谷 陸,福地 健太郎(明治大)
図書案内のためのスポットライト型ポインティングシステム (166)
(3A03★) 図書案内のためのスポットライト型ポインティングシステム

コロナ禍において「三密」(密閉,密集,密接)を回避し,人との接触を減らすことが求められている.図書案内において,密接については徹底することが難しい場合がある.本研究では,スポットライト型ポインティング環境であるScale Gesture SpotLightingを提案する.提案システムは指差しジェスチャーによるポインティング操作に加え,仮想タッチパネルによるフォーカスエリアの移動・固定機能,手のひらを回転させるジェスチャーによってその場でフォーカスエリアのサイズを変更できる拡大・縮小機能から構成される.図書案内にかかる時間を比較する実験を行った結果,提案システムによって自力,指差し口頭より案内にかかる時間を短縮することが可能となった.

正畑 智徳,武田 祐樹(福山大),中道 上(福山大,アンカーデザイン),渡辺 恵太(エムスリー株式会社),山田 俊哉(NTTテクノクロス株式会社)
参加者の積極性と親密度に左右されない対面型グループディスカッション支援手法の提案 (147)
(3A04) 参加者の積極性と親密度に左右されない対面型グループディスカッション支援手法の提案

本研究では,グループメンバーの立場の強弱にされにくく,参加者の積極性と親密度に左右されない対面でのグループディスカッション支援手法の提案する.先行研究ではグループの積極性の観点から,グループディスカッション参加者の均等な発言の誘発や積極性を高め参加意欲を向上させるアプローチが行われているが,メンバーの立場の強弱に着目したアプローチは筆者の知る限りでは行われていない.本論では,既存のアクティブラーニング支援技術「クリッカー」にリアルタイムで潜在話者の特定を行える機能を追加したシステムのプロトタイプを開発し,システムを使った場合のインタラクションに問題がないかの予備実験を行った.その結果,提案システムを用いた場合に議論の進行に悪影響を及ぼさないことを確認できた.

及川 瑞紀,小倉 加奈代(岩手県立大)
VR環境下における接触音の周波数特性が擬似触力覚に与える影響 (144)
(3A05) VR環境下における接触音の周波数特性が擬似触力覚に与える影響

ヘッドマウントディスプレイ(HMD)を装着した人工/複合現実感環境(VR/MR)における体性感覚提示手法として,感覚間の相互作用(クロスモダリティ)による錯覚が応用されている.このようなクロスモーダル錯覚による体性感覚提示手法は,外部装置を装着する負担の少ない手法として期待されている.中でも,触覚との共起性が高いモダリティである聴覚に作用する刺激を用いることで,この錯覚をより強めようとする手法が検証されている.本稿では,この擬似触力覚をより効果的に高める聴覚刺激を解明するため,接触音の周波数特性に着目した.具体的には,仮想の流体に手を入れる動作に対し手の表面に感じる擬似触覚と手や腕に受ける擬似力覚の観点から検証した.その結果,波数帯域に比べて低周波数帯域の音量が相対的に大きいほど「体から手や腕に感じる抵抗感」は大きくなると示された.また,実験結果を踏まえ,様々な流体と触れるインタラクションをテーマとしたコンテンツ制作への応用例を検討した.

植井 康介(早大),中島 武三志(東京工芸大)
プッシュアップ時の部位別筋電位推定システムの提案 (191)
(3A06) プッシュアップ時の部位別筋電位推定システムの提案

筋力トレーニングの成果を記録するデバイスは数多く開発されているが,それらはどの筋肉をどれくらい鍛えることができたのかを記録できない.そこで本研究では,代表的な筋力トレーニングとして腕立て伏せ(以下プッシュアップ)に着目し,プッシュアップ時に使用した筋肉の筋電位を推定し,記録するシステムを提案する.提案システムではプッシュアップバーの底面に取り付けた圧力センサによって地面にかかる力を計測し,PC上で使用筋肉の筋電位を推定する.提案システムを用いた筋電位推定手法である間接推定手法と直接推定手法の推定精度を評価した結果,間接推定手法の方が推定精度が高いことを確認した.

三重 孝雄,大西 鮎美,寺田 努,塚本 昌彦(神戸大)
VRでの画面占有を考慮した文字入力高速化の研究 (049)
(3A07) VRでの画面占有を考慮した文字入力高速化の研究

VRでの文字入力はコントローラのポジショントラッキングを利用した手書き入力や,キーボードを表示してコントローラをポインターとして使用する方法が主流となっている.しかし,それらの入力手法には,UIの画面占有率の高さや手首への負荷といった問題がある.そこで,本研究では画面占有率や手首への負荷を考慮したコントローラ向けの入力手法として,2つの手法を作成した.


鍵和田 悠太,兼松 祥央(東京工科大),茂木 龍太(東京都立大),三上 浩司(東京工科大)
複数人AR体験を目的とした仮想オブジェクトの実在感向上支援システム (105)
(3A08) 複数人AR体験を目的とした仮想オブジェクトの実在感向上支援システム

近年,スマートフォン端末で利用できるARサービスが普及している.複数人でのスマートフォンAR体験において,他ユーザとの空間共有感を維持しながら仮想オブジェクトの実在感を向上させることは臨場感のあるAR体験には重要であるが,これを評価している研究は少ない.本稿では音源定位による仮想キャラクタの実在感の向上や,他ユーザやキャラクタとの空間共有感の向上を目的として,超指向性スピーカによる音源定位手法とイヤホンによる音源定位手法を比較するARライブの予備評価実験を行った.被験者へのアンケートの結果,超指向性スピーカのほうが,キャラクタの実在感を得られる傾向がみられた.

下田 桂輔,福島 拓(大阪工大)
乳児人形型看護技術演習システムの開発 (039)
(3A09) 乳児人形型看護技術演習システムの開発

小児看護学教育では,学生が子どもの発達の特徴を理解できることを重要と考えている.しかし昨今の学生は,子どもと接する機会が減少している.この状況に対応するため,看護基礎教育ではモデル人形を用いたシミュレーションが取り入れられている.我々は乳児の特徴をリアルに再現した人形に,抱き方に対する乳児側からの見え方や感じ方を客観的に評価する機能を搭載したシステムを作成した.本学の看護教員3名に作成した乳児人形を評価してもらう実験を行ったところ,シミュレーションに対する複数の適合性や改善点が示された.

寺田 果央,鳥山 朋二,浦島 智,若瀬 淳子(富山県立大)
ディスプレイを用いた脈波生成手法の検討 (098)
(3A10) ディスプレイを用いた脈波生成手法の検討

ウェアラブルデバイスに関する研究は活発に行われており,様々な形状,装着部位のデバイスが提案されている.ウェアラブルデバイスは自身の生体情報を記録するために利用される場合が多く,取得されたデータから身体異常を検知する手法も提案されている.脈波データは生体情報として記録される情報の一つである.脈波センサは機構の特性上,データの取得に血流を必要とする.義手やロボットアームなど人工的な身体にスマートウォッチを装着する場合,血流が存在しないため正しいデータが取得できない.そこで,ディスプレイを用いて脈波センサに脈波データを計測させる手法を検討する.本手法が実現すれば,身体と義手の接合部などで計測された脈波を入力することで,その値をスマートウォッチに読み取らせることが可能となる.本研究では,アプローチの実現可能性を調査するために,ディスプレイの色調を変化させることで,脈波センサの取得値を意図的に操作することが可能であるか調査した.予備実験として,ディスプレイの色調を変化させながらディスプレイ上に設置した脈波センサからデータを取得した.その結果,ピークの存在するデータが取得できた.したがって,脈波センサに任意の脈波データを計測させるためにディスプレイを用いるアプローチは有効であると考えられる.

藤井 敦寛(立命館大),村尾 和哉(立命館大,JSTさきがけ)
ARを用いた色学習と混色理解のための支援システム (077)
(3A11) ARを用いた色学習と混色理解のための支援システム

色は生活の中で当たり前化しているが,人に心理的・生理的・感情的な影響を与えている.中でも,幼児期に色に触れることは,成長する過程で多様な視野が育つなど大きな影響をもたらす.本稿では幼児期の色学習を支援するため,色と物の関係を紐づけること,色と色を混ぜ合わせた混色の学習をすることの2つに着目してARとイラストマーカーを用いた色学習支援システムを提案する.本システムを利用することで,色への関心を高めること,混色の成り立ちを理解することを可能にする.

藤井 琴音,五十嵐 悠紀(明治大)
(3A12) 【タイトル公開準備中】

(公知日以降に公開)

吉田 美乃里,備前 比呂,神部 真音,川合 康央(文教大)
Connected Color - 定点カメラと接続したデザイン素材 (059)
(3A13) Connected Color - 定点カメラと接続したデザイン素材

定点カメラから得られる画像を記録・活用することで,風景を地域資源化することについて検討を進めている.これまでに,定点カメラから得られる画像の空のグラデーションを素材化するシステムを実装してきており,本稿では,そのシステムを,具体的なデザインプロセスでの活用を通じた実践について報告する.また,その知見を応用し,定点カメラと接続したデザイン素材Connected Colorを提案する.


定國 伸吾,松田 崇(静岡理工科大)
ScreenedScreen:視聴妨害により受動的発言を促す オンライン授業の試み (120)
(3A14) ScreenedScreen:視聴妨害により受動的発言を促す オンライン授業の試み

コロナ禍により遠隔教育の機会が増えたが,教員が学生の様子を分かりづらいといった問題点も顕在化した.本研究ではオンライン授業において,発言意欲が低い学生に発言させることを目的とし,授業の視聴妨害により強制的に発言を促す手法を提案する.具体的には,発言人数が少ない場合に,スライドや授業動画を妨害フィルターで覆い部分的に見えなくする.妨害フィルターを外すには,発言人数が既定の数に達する必要があり,学生は否が応でも発言をしなくてはならない.予備実験を行ったところ,視聴妨害は学生の発言を促進するのに有効であることが示唆された.

李 炳録,高島 健太郎,西本 一志(北陸先端大)
購入者のレビューを用いた2体のロボットによる会話的情報提供システム (106)
(3A15) 購入者のレビューを用いた2体のロボットによる会話的情報提供システム

商業施設において商品の説明や宣伝を行う対話ロボットの研究開発が進んでいる.商品購入においては,そうした宣伝に加え,商品に対する購入者のレビューがユーザの購入決定に大きな影響を与えることが知られている.そこで我々は,ユーザの購買意欲をより高めるために,購入者のレビューを用いて対話ロボットが商品の情報提供を行うシステムを構築した.本システムでは,複数の対話ロボットによる会話的な情報提供の有効性に着目し,単に1体の対話ロボットがレビューを発話するのではなく,2体の対話ロボットが会話的にレビューを提示する.インタラクティブ発表では,本システムのデモンストレーションを行う.

吉原 大智(筑波大),飯尾 尊優(筑波大,JSTさきがけ),益子 宗(筑波大,楽天技術研究所),山中 敏正,鈴木 健嗣(筑波大)
Coop, Scope, Loop: 仮想空間の感覚を分離した二人が協力するゲーム (040)
(3A16) Coop, Scope, Loop: 仮想空間の感覚を分離した二人が協力するゲーム

会話の際には,ある程度の認識の違いやすれ違いが起こりうる.このすれ違いを回避しようと意識すると,常に懐疑心と隣り合わせとなり,緊迫感が伴う.それは日常においてはストレスの原因ともなるが,ゲームにおいては体験としての充実度を高める良いスパイスとなることもある.本研究では,この懐疑心による緊迫感を体験する状況を作りだすために,「仮想空間の状況に関する情報(映像や音声ほか,デバイスへのフィードバック)を2人が分担して受け取り,会話で共有し,協力して仮想空間内のキャラクターを操作」させて「謎解きゲームをプレイ」させるシステムを提案する.

粟津 実夢,山本 若菜,秋田 純一(金沢大)
音を蓄積するゴミ箱カバー型デバイスを利用したゴミを捨てたくなる仕掛けの提案 (068)
(3A17) 音を蓄積するゴミ箱カバー型デバイスを利用したゴミを捨てたくなる仕掛けの提案

持続可能な社会の実現に向け,ゴミ問題はより一層社会の関心を集めている.特にポイ捨てに関しては,個人の行動変容によって一定の問題解決の力になると考えられる.本研究では,ゴミを捨てたくなる仕掛けとして,音を蓄積するゴミ箱カバー型デバイスを提案する.



宮崎 仁美,小松 伸之輔,栗原 渉,有山 大地,串山 久美子(東京都立大)
眉と連動する可動耳型デバイスによる表情拡張の印象評価 (032)
(3A18) 眉と連動する可動耳型デバイスによる表情拡張の印象評価

非言語情報により感情が伝わることがある.相手の表情の変化から感情を読み取れる場合もあるが,表情が受け手に伝わらない場合もある.これに対して既存研究では,疑似的な眉毛が付いた眼鏡型デバイスにより眉毛の太さと角度を変化させ,他者へ自身の感情を伝わり易くした.しかし,デバイス自体に重量があり,充電式のため手軽に使用できず長時間の動作は期待できない.本研究ではスゴミミと呼ぶ電源不要かつ軽量なデバイスを用いて,眉毛の動きにより表情拡張を試みる.スゴミミは,眉毛と頭部に装着した猫耳を模倣した薄い板をワイヤで接続させ,眉毛の動きをその板に連動させることで,眉の動きを拡張する.これにより,喜び怒り哀しみの感情を強調する.印象評価をし,分析した結果,女性は男性よりもスゴミミによって相手の印象が大きく変化するとともに,スゴミミに対して肯定的な印象を持つ傾向にあった.

木村 正子(北陸先端大),藤井 綺香(東大),宮田 一乘(北陸先端大)
仮想空間における人間とオブジェクトとのインタラクションに着目した行動認識の研究 (163)
(3A19) 仮想空間における人間とオブジェクトとのインタラクションに着目した行動認識の研究

本研究では,人と物体の相互作用を物体の動きをもとに判別し,言語と結びつける行動認識システムの開発する.従来の行動認識の研究では,人間と物体とのインタラクションを検出する場合,人を主体として認識を行う.しかし,物体によって人体の一部が隠れてしまう場合,インタラクションの検知が困難になる.基本的なアイデアはインタラクションしている物体の移動を認識し,物体の動きのみでインタラクションを認識することである.そのため,物体の動きとそれに対応する言葉のデータベースを作成し,物体の動きの特徴を学習し言語として出力を行う機械学習モデルを用いる.機械学習を用いて,オブジェクトの3次元での動きのデータを1次元の特徴ベクトルとして表し,行動分類を行う.想定している言葉として人物のみで行う動作を対象とするのではなく,物体を使って動作する言葉を対象とする.物体の動きと言語を結びつけたデータは仮想空間上の物理演算された物体に対してのインタラクションの結果を用いる.本システムの評価として,物体の動きから物体とのインタラクションの認識精度を評価するために,骨格情報をもとにした物体とのインタラクション認識の手法との比較を行う.

佐藤 秀輔,角 薫(はこだて未来大)
3次元計測と機械学習による補完を用いた現実ベースVR空間のリアルタイム構築 (201)
(3B01★) 3次元計測と機械学習による補完を用いた現実ベースVR空間のリアルタイム構築

HMDを利用したVR体験の際,ユーザは自身の周辺状況を知ることができないため,障害物のない空間を必要とする.本研究では,様々な現実環境でVR体験を可能とすることを目標として,距離カメラから現実空間の障害物位置を計測し,同じ位置にVR空間でもバーチャル物体を設置することで,現実空間の物体分布を反映したVR空間をリアルタイムに構築する.障害物位置計測時に計測できない未確定部分の穴埋めに加えて,空間の境界になる物体と普通の障害物のセグメンテーションを機械学習ネットワークで行うことで,それぞれに対応したバーチャル物体の重畳が可能になり,より空間認識のしやすいVR空間が構築できる.人が実物体同様にバーチャル物体を回避するか定かではないため,バーチャル物体に対する人の回避行動の特性について実物体に対する行動と対比して調査し,得られた知見に基づいて,障害物のある空間でも世界観を損なわない現実空間の物体分布を反映したVR空間のリアルタイム構築システムを実装する.

松尾 直紀(関西学院大学大学院),井村 誠孝(関西学院大)
メンタルマップ形成のモデリングと視覚化の手法―街の要素に関する新たな分類と3D空間を用いた仮想の街づくりによる表現― (211)
(3B02★) メンタルマップ形成のモデリングと視覚化の手法―街の要素に関する新たな分類と3D空間を用いた仮想の街づくりによる表現―

メンタルマップとは個人の経験として蓄積される街の記憶の集合である.本研究における初段階において「メンタルマップを活用した歩行者向けナビゲーションシステムKakera」を提案したが,その結果歩行者に記憶の保持を促す効果が見られた.本研究では,メンタルマップの視覚化とより幅広い活用を試み,さらに汎用性の高いシステム「Mental City」の構築を試みた.Mental Cityでは,住民や被験者から街の要素を採取し,これらの分類を図った上で,それに基づいたメンタルマップのモデリングを講じた.さらに,Mental Cityの汎用性を図るため,3Dによる仮想の街を再現した.評価実験では,上記のモデルを基に,被験者がこれらの要素に対する特徴抽出や,情報の強弱,取捨選択等の要素をさらに加え,対象地域の住民,および通学者等を「地域住民」とした記憶との整合性を検証した.加えてMental Cityに関する評価実験として,Mental Cityの表現による情報提供の妥当性の検証と,対象地域について記憶を有していない被験者に対して,Mental Cityと一般の汎用地図と比較し,街に関する印象形成の差違について検証した.結果として,メンタルマップ形成のモデリングに関して,一部課題が判明したものの,おおよそは実際に形成された記憶と一致することが確認された.また,Mental Cityの3Dや動的表現により,空間が認識しやすくなる効果が見受けられた.しかし,地域に馴染みのないユーザーへMental Cityによって形成される印象と,地域住民が既に形成している印象との一致に関しては優位性が見られなかった.

坂本 慶太,長 幾朗(早大)
デジタル描画における消し跡の影響に関する基礎的考察 ~試行錯誤的描画の支援を目指して~ (056)
(3B03★) デジタル描画における消し跡の影響に関する基礎的考察 ~試行錯誤的描画の支援を目指して~

描画ソフトウェアを用いたデジタル描画は,紙や鉛筆といった物理的画材を用いた描画と比較すると,一切痕跡を残さずに,描いた線を消すことができるという特徴を持っている.しかし,線を消した後に残る痕跡(消し跡)は,描いたり消したりを繰り返す試行錯誤的な描画においてユーザーの役に立っている可能性があると我々は考えた.本研究は,消し跡が描画にどのような影響を及ぼしているのかを明らかにすることによって,描画の役に立つ消し跡機能を実装するためのデザイン指針を得ること,また,その指針に基づいてより描画に役立つ消し跡機能を実装することを目指す.本稿では,消し跡が描画に与える影響について明らかにするために行った実験について報告する.

山田 大誠,高島 健太郎,西本 一志(北陸先端大)
掌を使った把持操作を可能にする7自由度ワイヤ駆動型力覚提示装置の試作 (126)
(3B04) 掌を使った把持操作を可能にする7自由度ワイヤ駆動型力覚提示装置の試作

本研究では,掌を使った把持操作を実現する7自由度ワイヤ駆動型力覚提示装置の提案を行う.合計8本のワイヤにより,エンドエフェクタの並進・回転の6自由度の力覚提示のみならず,掌を使った把持操作を追加の1自由度として合計7自由度の力覚提示を実現することを目的とする.実際に試作機の製作を行い剛体物理シミュレーションにより構築されたVR空間において,把持を伴う剛体操作のVR環境の構築を行った.


赤羽 克仁(東工大)
xLimb:収納性と伸縮性を考慮したウエアラブルロボットアーム (081)
(3B05) xLimb:収納性と伸縮性を考慮したウエアラブルロボットアーム

近年,身体能力の拡張を目的に,両手を使わず作業が可能なウエアラブルロボットアームの研究が進んでいる.しかし従来のデバイスは,作業を行っていない時でもアームが常に伸びている状態になっているため,腕にかかる負荷が大きく,ほかの作業を行う際に支障をきたすという課題がある.そこで本研究では,腕にかかる負担を最小限にして,アームを用いた快適な作業を可能にするためのロボットアームxLimbを提案する.収納性と伸縮性を備えることで,長時間の使用でも快適に,かつアームを使用しない時でも省スペースでの作業が可能になる.さらに,本稿では,使用者の実体験に基づき評価実験を行い,本提案デバイスの有効性について考察した.

丁 沢宇,吉田 匠吾,中村 浩太,鳥居 拓馬,謝 浩然(北陸先端大)
開缶時感覚・感性の動作模倣による伝達に関する一検討 (180)
(3B06) 開缶時感覚・感性の動作模倣による伝達に関する一検討

本稿では,伝統工芸品の茶筒を対象として,感性価値・感覚の伝達という問題に,茶筒開缶動作の模倣という物理的な観点からのアプローチを検討した.京都の伝統工芸工房である開化堂の茶筒を元として開缶動作の計測システムおよび教示システムを構築した.被験者自身が気持ち良いと感じる開け方と他者が気持ち良いと感じる開け方における茶筒の印象を自由記述およびSD(Semantic Differential)法によって評価し,自身の気持ちいいと感じたときの感性評価得点,動作模倣習得後の感性評価得点,および,模倣対象の被験者の感性評価得点を比較したところ,動作の模倣によって得点が模倣対象に近くなる評価項目が複数見られた.これによって他者の開缶動作を再現することで,価値感性・感覚の共有が起こる可能性が示唆された.

山上 潤,榎堀 優,吉田 直人,間瀬 健二(名大)
博物館観覧者の反応を客観的に評価するための脳波分析 (116)
(3B07) 博物館観覧者の反応を客観的に評価するための脳波分析

博物館への興味や人気は高く,施設側は観覧者を増やすための様々な工夫をしている.その一環として博物館主催者は観覧者の展示物に対する満足度に合わせたサービス向上のため,アンケートによる観覧者の展示物に対する感情の調査を行っている.しかし,アンケート調査では観覧者にとって印象的な展示物や,より後に見た展示物に影響されてしまうと考えられる.観覧者の反応を客観的に評価することで,観覧者の知識や展示物の知名度,観覧の順番に左右されない展示物への反応を調査することができる.そこで本研究では,客観的指標として脳波を用いて観覧者の反応の調査を行う.実験では展示物観覧時の観覧者の脳波を取得し,また事前と事後のアンケートで展示物への興味等を調査した.脳波とアンケートから,脳波の変化と感情の関係性を分析した.実験の結果から興味や展示物への反応を示していた箇所で,脳波の変化がみられることがわかった.

三ツ木 萌,丸山 一貴(明星大)
水圧センサを用いた浴槽入水者の識別手法の検討 (088)
(3B08) 水圧センサを用いた浴槽入水者の識別手法の検討

疾病の早期発見や予防のため,常日頃から健康状態を管理することが重要とされている.それにともない,寝室やトイレ,リビングなどの住宅環境で生体情報をセンシングするシステムが研究されている.住宅環境の中でも,浴槽内は死亡事故件数が多いと報告されているため,浴槽入浴中の体勢などの情報を個人と紐づけて把握することは重要である.本研究では浴槽に湯を注水しながらユーザが入浴する状況で入浴者を識別する手法を提案する.4名の被験者で評価実験を実施し,平均識別精度80%の結果が得られた.

蔵田 直生(立命館大),村尾 和哉(立命館大,JSTさきがけ)
犬と人が本気で遊べるゲームのデザイン検討と試作 (208)
(3B09) 犬と人が本気で遊べるゲームのデザイン検討と試作

人と共生する犬は様々な方法で人とコミュニケーションを取っており,犬と人がおもちゃ等を使用して遊ぶことは社会的やりとりを含む,コミュニケーション方法の1つである.犬と人が遊ぶときに使用するおもちゃは犬が楽しめるように設計されているが,人も一緒に楽しめるようには設計されていない.そのため,人が犬との遊びにすぐに飽きてしまうという課題が存在する.そこで,本研究では犬と人が本気で遊べるようにすることを目的に,両者が本気で遊べるゲームのデザインについて検討し,犬の学習方法や外界の認識の仕方,人の遊びと特性等に着目した.策定した4つのデザイン指針を基に「わんころりん」というゲームを開発した.このゲームではラビリンスゲームを題材とし,犬の特性である嗅覚を活かす要素と人の特性である判断力を活かす要素を取り入れた.試作したゲームで著者が飼育する犬と遊んでみたところ,犬も人も違和感なく楽しくゲームで遊ぶ様子が見られた.

堀江 知央,鈴木 優(宮城大)
スコア重畳型のWordCloudを用いたレビュー提示手法 (204)
(3B10) スコア重畳型のWordCloudを用いたレビュー提示手法

近年,オンラインショッピングは市場を拡大し続けている.オンラインショッピングでの商品の比較には,レビュースコアやレビューコメントが重要な役割を持つ.本研究では,複数の商品の性質を比較する手法として,WordCloudに着目した.まず,各商品のレビューコメント群を形態素解析して頻出語を抽出する.次に,各語が出現するコメントに対応するスコアを累計し,各語毎のスコアを算出する.こうして得られた頻出語に対して,各語毎のスコアで採色することで,スコア情報を重畳表現できるWordCloudを作成する.本論文では,基礎的なアイデア,実装と表現例について示す.

大野 湧,塚田 浩二(はこだて未来大)
Dial-B-Locks:ダイヤル付きブロックに基づく長さの変えられる入力インタフェース (130)
(3B11) Dial-B-Locks:ダイヤル付きブロックに基づく長さの変えられる入力インタフェース

接続個数を変えられるダイヤル付きのブロックを用いた入力インタフェース(Dial-B-Locks)を開発した.Dial-B-Locksは,各ブロックにセンサの値を読み取るための複雑な回路を内蔵せずとも,各ブロックに取り付けられたダイヤルの回転角度を読み取ることができる.Dial-B-Locksを用いることにより,ユーザが可変長のパスワードを入力するためのシステム,および画像または動画編集の際に用いるコントローラなどを実現できると考えられる.

齋藤 圭汰,清 佑輔,志築 文太郎(筑波大)
ExPression: 抽象的なグラフィックスを用いた感情可視化手法の提案と分析 (178)
(3B12) ExPression: 抽象的なグラフィックスを用いた感情可視化手法の提案と分析

本研究では,オンラインコミュニケーションにおいて,人の感情を抽象的なグラフィックスを利用して可視化するシステム“ExPression”を提案する.この可視化システムは,たとえば多人数相手のオンライン会議等,参加者の感情を直接表情から把握しにくい場合などに,どういう感情を持つ人が多いなどの場の雰囲気を知ることに有効と考えている.処理としてはWebカメラ入力画像に対し,CNN回帰モデルから推定した感情(Valence, Arousal)をもとにグラフィックスの形状・アニメーション・色彩を生成する.人の表情に応じてダイナミックに形や色がダイナミックに変わるグラフィクス表現をぜひ見ていただきたい.

宮脇 亮輔,外村 佳伸(龍谷大)
きずぷろ:組み立て遊びによるプログラミング的思考力の育成アプリの開発 (078)
(3B13) きずぷろ:組み立て遊びによるプログラミング的思考力の育成アプリの開発

2020年度から小学校におけるプログラミング教育が必修化されている.小学校におけるプログラミング教育はプログラミングを体験し,論理的思考力を身に着けることが挙げられているが,実際のプログラミング言語を用いるのではなく,論理的思考力に内包されているプログラミング的思考を育むことが目的である.従来研究では,小学校高学年を対象としていることや,キャラクタやロボットを動かすシステムばかりであるため,本研究では,小学校低学年から使用でき,レゴブロックの組み立て遊びに着目したアプリケーションを開発する.そのアプリケーションを活用することでプログラミング的思考を評価し育成することができるのかを検証する.今回は前段階として,小学校中高学年31名に対して,実験を行い,プログラミング的思考のいくつかの項目において影響を与える可能性があることが分かった.また,中高学年でも少し難しかったことから,システムを再検討する必要があることがわかった.

稲富 峻祐(大阪工大),大井 翔(立命館大),後藤 壮史(奈良県王寺町立王寺小学校),佐野 睦夫(大阪工大)
MEMS触覚センサによる運動時の靴底にかかる力の計測 (127)
(3B14) MEMS触覚センサによる運動時の靴底にかかる力の計測

触覚センサを用いることで人の様々な動作にかかる力の計測が可能になってきている.その上で,人の動作を計測する際にはその動作を阻害しない程度の大きさや取り付け方法が望ましい.我々はこれまで動作が加わっても端子部への負担を軽減するMEMS触覚センサを開発してきた.本稿では開発したMEMS触覚センサをフレキシブル基板に実装したうえで靴裏に取り付け,運動時の靴裏にかかる力を計測できることを確認した.今後は歩行や走行のフォーム訓練への応用を目指す.

河内 彪博,岡田 一志,大井 翔,松村 耕平(立命館大),寒川 雅之(新潟大),野間 春生(立命館大)
音作り初心者のためのエフェクト付与支援システムの検討 (190)
(3B15) 音作り初心者のためのエフェクト付与支援システムの検討

シンセサイザーを用いて想像する音を作るためには,エフェクトやフィルターを適切に使う必要がある.しかし,初心者は,どのエフェクトやフィルターをどの程度かければ望む音になるのかわからず,感覚をつかむのは難しい.本稿では,エフェクトやフィルターをかける前と後の音と波形をユーザに提示し,後の音に近づける問題を繰り返し解かせることで,ユーザの音作り能力を向上させるシステムを制作した.ユーザスタディの結果,エフェクトの特徴がわかったといった期待通りの意見があった一方で,実際の音作りに活かすには,さらなる支援が必要だという課題が明らかになった.

井上 弦,五十嵐 悠紀(明治大)
マスクの色と着用の有無を入力に用いたインスタレーション作品の提案 (182)
(3B16) マスクの色と着用の有無を入力に用いたインスタレーション作品の提案

新型コロナウイルスによる感染症(COVID-19)拡大の影響で日常的にマスクを着用する機会が増え,色の種類も多様になった.そこで外観的特徴の一つとしてマスクに着目した.本論文では,リアルタイムにマスクの色と着用の判別ができるシステム実装についての考察と,マスクの着用なしでは体験できない,マスクを着用しているからこそ色によって変化する映像をインタラクティブに楽しめるインスタレーション作品の提案を行なった.

菅野 真司,串山 久美子(都立大)
テブリン:3次元モーションセンサーを用いた楽器としてのサウンドおよびインタラクティブCG生成システムの開発 (205)
(3B17) テブリン:3次元モーションセンサーを用いた楽器としてのサウンドおよびインタラクティブCG生成システムの開発

近年,モーションセンサーを用いて音楽を奏でるデジタル技術による楽器が開発されている.しかしその多くが,単音のみ演奏可能など複雑な演奏を想定していない.本研究では9軸センサー(3軸加速度,3軸角速度,3軸地磁気)を組み込んだデバイスを動かすことで入力とし,感覚的に「メロディ」「ハーモニー」を制御できる,視覚的にも楽しめる楽器としてのサウンド生成システムを開発する.


小林 悠人,児玉 幸子(電通大)
ARを用いた大型家電・家具検索アプリケーションの開発 (138)
(3B19) ARを用いた大型家電・家具検索アプリケーションの開発

本研究は,ECサイトの拡大成長と,実店舗のEC化の増加を踏まえ,既存のショッピングアプリケーションにはない機能によって,購入を促進するためのアプリケーションを開発したものである.本アプリケーションでは,AR(拡張現実)によって,実空間上に仮想オブジェクトを配置し,購入者が求めるサイズをオブジェクトに設定することが可能である.また,取得されたオブジェクトデータのサイズから商品を検索し,実際の製品を提示することができるアプリケーションとした.

佐藤 浩輝,副島 拓哉,斉藤 基暉,捧 良太,上岡 菜月,五島 直美,川合 康央(文教大)