静電気発生装置を用いた気配の提示 (064)
(1P01★) 静電気発生装置を用いた気配の提示

感染症の蔓延をきっかけに,遠隔コミュニケーションが人々の生活に浸透しつつある.我々は,遠隔コミュニケーションに併せて伝える雰囲気として「気配」に着目した.気配とは他者の存在の暗示的な提示であり,ユーザの認知的負荷を抑えつつ他者の存在する「場」を表現するための重要な要素であると考えられる.本稿では,静電気発生装置を用いて気配らしい感覚を提示するシステムを提案する.実験を通じて,システムの近くにいるだけで身体に“もわっと”感じる気配らしい感覚を提示できることを示した.

柄沢 未希子,梶本 裕之(電通大)
食べられる2面コーナーリフレクタアレイの提案と試作 (092)
(1P02) 食べられる2面コーナーリフレクタアレイの提案と試作

近年料理へのプロジェクションマッピングなどが演出として行われるなど,料理への映像での演出が注目を集めている.一方,映像を利用した別の演出として実像鏡を利用した空中像提示も注目を集めている.もし食材から2面コーナーリフレクタアレイを作成する事ができれば,料理上に空中像を提示する新たな演出手法が可能となることが期待される.そこで本研究では飴から作成する食べられる2面コーナーリフレクタアレイを提案する.そして還元イソマルツロースと水を使って2面コーナーリフレクタアレイを開発した形成手法によって作成し,作成した試作品が空中投影を可能とすることを実証した.

大竹 彰悟,奥 寛雅(群馬大)
オーディオブックス自動生成のための2次元キャラクタ特徴と声の関係性の調査 (067)
(1P03) オーディオブックス自動生成のための2次元キャラクタ特徴と声の関係性の調査

漫画や小説を読んでいる際に,キャラクタのセリフを音声として聞いてみたいことがある.そこで本研究では,最近の漫画の8割以上が電子書籍化されており,オーディオブックも増加していることに注目し,電子書籍の付加価値として,キャラクタのイラストからキャラクタに合った音声を生成することで,電子書籍にキャラクタに合った声をユーザが任意で再生できるシステムを検討する.今回の実験では,人がキャラクタのイラストを見た際にどのようにしてキャラクタに合った声を当てはめているかアンケートで調査することで,人が頭の中で声を当てはめる要因となる特徴を調べた.結果として,「目の形」,「髪の形」などの特徴から声を当てはめていることが分かった.

大道 昇(大阪工大),大井 翔(立命館大),佐野 睦夫(大阪工大)
カードゲームをモチーフにした結合アイデアの生成を支援する発散技法の提案 (089)
(1P04) カードゲームをモチーフにした結合アイデアの生成を支援する発散技法の提案

本稿では,アイデアを発散させる技法における結合アイデアが少ないことに着目し,参加者がモチベーションを維持しながら簡単に結合アイデアを生成できる発散技法を提案する.提案技法では,ブレインライティングを行った後に,アイデアをカードに書かせ,ババ抜きのように他の人からカードを引き,発想を行った.本稿では,提案技法と比較するための技法を2つ提示し,被験者に向けた実験を行った.結果としては,参加者全員がバランスよく多くの結合アイデアを生成でき,ゲーミフィケーションの要素を取り入れることで,モチベーションを維持しながら発想が行える可能性が示唆された.

佐々木 航,高島 健太郎,西本 一志(北陸先端大)
ぼかしの動的制御によるビデオ会議支援の基礎検討 (096)
(1P05) ぼかしの動的制御によるビデオ会議支援の基礎検討

ビデオ会議システムが普及してきており,オンライン飲み会などのオンラインのインフォーマルな場においてもビデオ会議システムが使われるようになってきている.このようなオンラインのインフォーマルな場において,ビデオ会議システムを使用する際,会議参加者間の信頼度・親密度を高めるために互いに顔を見せ合うことが重要と思われる.しかしながら,これが自由意志に委ねられているインフォーマルコミュニケーションにおいては多くの参加者が顔を非表示にしてしまう.そこで我々は,オンラインのインフォーマルコミュニケーションにおいて,互いに顔を見せ合うことの心理的負担を軽減する手法を確立することを研究課題とする.研究課題を達成するために各参加者映像にコミュニケーション状態に合わせて動的に変化するぼかし処理を行うビデオ会議システムを提案する.本稿では,初期検討として,本提案の有効性を検証するための実験計画について報告する.

木村 悠児,今井 廉,富永 詩音(日大),呉 健朗(ソフトバンク),峯岸 暉歩(日大),酒井 知尋,小島 一憲(ソフトバンク),宮田 章裕(日大)
手・指におけるファントムセンセーションを用いた通知のための事前実験設計 (129)
(1P06) 手・指におけるファントムセンセーションを用いた通知のための事前実験設計

携帯電話およびスマートフォン等の携帯端末において,システムの状態を知らせるシステムとして,通知システムが用いられている.通知システムは,音,画面表示,および振動を用いることによってユーザに情報を提示する.一般に用いられる振動による通知パターンには,種類が少ないという課題がある.本研究は,ユーザが判別できる,なるべく多くの通知パターンの実現を目的とする.このために我々は手・指におけるファントムセンセーションを用いることを検討している.本論文において,通知パターンの設計にあたり,手・指におけるファントムセンセーションとして認識可能な振動を調査するための事前実験の設計を述べる.

日高 拓真,清 佑輔,志築 文太郎(筑波大)
心拍変動を利用した日常生活下のストレス値測定手法の検証 (110)
(1P07) 心拍変動を利用した日常生活下のストレス値測定手法の検証

現代社会ではストレス問題が深刻化しており,多くの人がストレスを抱えている.ストレスの可視化,提示を行ないストレスへ意識を持たせることによって,ストレス緩和効果が期待できるとされているが,特定の動作中のストレス着目した研究が多く,日常生活の中で感じているストレスに着目した研究は少ない.本研究では,日常生活においてストレスのモニタリング実験を実施し,生体信号の一つである心拍変動を用いたストレス値と,被験者が主観的に感じているストレスや日常での出来事との関係について調査する.その前段階として,ストレス負荷を強制的に与え,ストレス値の相対的変化を確認する予備実験を行なった,その結果,安静座位状態時とストレス負荷状態時に感じているストレス値を比較することで相対的な変化について有効性が確認できた.

久保 優希,小倉 加奈代(岩手県立大)
Improving conversations around controversial issues with Gamification implemented (072)
(1P08) Improving conversations around controversial issues with Gamification implemented

In this paper, we examine a method that introduces game mechanics into online conversations around controversial issues, aiming at investigating the influence of Gamification on these conversations. We examine the changes in motivation and engagement of users participating in conversations with Gamification introduced, as well as the effectiveness of conversations that Gamification brings. We observe positive influence on motivation and effectiveness but little, as well as slightly negative effect on engagement, indicating that this method still needs improvement, as well as that Gamification has potential to promote better conversations on controversial issues.

Hu Yong-Hao,中島 達夫(早大)
実世界オブジェクトを用いた生活空間内における事故予測支援システムの試作 (159)
(1P09) 実世界オブジェクトを用いた生活空間内における事故予測支援システムの試作

生活空間内における事故を防ぐためにはありとあらゆる場所に気を配り,起こりうる事故を予測して原因を突き止める必要がある.しかし,多くの人にとって事故の原因を効率的かつ網羅的に把握するのは困難である.先行研究では生活空間内で起こりうる事故や危険を予測する手がかりをユーザに提示するコンセプトを提案し,実験室環境でのみ動作する検証用システムを用いて提案概念の妥当性を検証した.本稿はこのコンセプトを実環境で動作させるためのプロトタイプシステムの試作方法について検討を行う.

古田 瑛啓,大河原 巧,村山 優作,富永 詩音(日大),呉 健朗(ソフトバンク),宮田 章裕(日大)
ディスプレイの設置位置および文字入力欄の表示位置による文字入力への影響 (055)
(1Q01★) ディスプレイの設置位置および文字入力欄の表示位置による文字入力への影響

ユーザは,キーボードを用いてコンピュータへ文字入力を行う時,ディスプレイと手元との間にて視線移動を行う.特にディスプレイの設置位置が高いほど視線移動によるユーザへの負荷が高くなりうる.本研究では,ディスプレイの設置位置およびディスプレイ内における文字入力欄の表示位置が文字入力へ与える影響を調査する.実験結果から,ディスプレイの設置位置による主観的作業負荷への影響が文字入力欄の表示位置による影響よりも大きいことが分かった.

髙倉 礼,志築 文太郎(筑波大)
可食ビーズを用いたフードプリント手法の提案 (155)
(1Q02) 可食ビーズを用いたフードプリント手法の提案

健康状態や趣向に合わせて食品をカスタマイズできるフードプリンタの研究は進んでいるが,造形の高速化や形状の修正や味の変更は難しい.そこで,高速かつ試行錯誤可能なフードプリントを実現するため,可食ビーズを組み合わせてカスタマイズされた食品を印刷する手法を提案する.具体的には,水溶性食材とグミから構成された可食ビーズをボクセルとして立体形状を製作,固めて食べることが出来る.今回は,自動的なフードプリントのための基礎検討として,可食ビーズの素材の検討及びタブレットを用いた手動でのカスタマイズ食品のインタラクティブな造形システムを開発した.本稿では,提案手法の造形の流れや可食ビーズの実験について示し,それに基づく考察と今後の展望について述べる.

前田 容那(慶大),河野 通就(バンダイナムコ研),山岡 潤一(慶大)
VRゲームにおける視点の違いが共感の志向性に与える影響 (112)
(1Q03) VRゲームにおける視点の違いが共感の志向性に与える影響

仮想現実(Virtual Reality)には共感を促すマシンとしての役割が期待されている.それに際して共感を促すことに関する様々な研究が実施されてきた.しかしながら,その共感の内実,特に誰志向の共感であるかに踏み込むことは少ない.本研究では,共感を促すVRゲームに注目し,プレイヤーの視点の違いが共感の志向に与える影響を調査してゆく.


神戸 亜紗,中島 達夫(早大)
たとえツッコミを行う対話型エージェントの基礎検討 (215)
(1Q04) たとえツッコミを行う対話型エージェントの基礎検討

対話型エージェントは様々なシーンで活躍しうるが,我々は特に,インフォーマルコミュニケーション相手としての側面に注目している.この種のコミュニケーションにおいて重要な要素は多岐に渡るが,豊かで人間味のあるコミュニケーションを実現するためには,我々はエージェントにユーモアがあることが極めて大切だと考えている.本稿では,我々がこれまで取り組んできた先行研究のユーモア表現の多様性を高めることを目的とし,新たなツッコミ手法の実現可能性を検討する.具体的には,ユーザ/エージェントの状況に対し,比喩表現を用いてツッコミを行う手法(たとえツッコミ)について初期検討を行い,(1)具体的状況を抽象化する処理,(2)別の具体的状況を選定する処理が必須であることを明らかにし,これらを実現するための大まかな方針を示す.

田中 柊羽(日大),呉 健朗(ソフトバンク),大西 俊輝,大串 旭,武藤 佑太,宮田 章裕(日大)
被写体の性格印象への主観スコアと視線位置の評価 ~刺激画像が頭部または全身の場合の比較~ (214)
(1Q05) 被写体の性格印象への主観スコアと視線位置の評価 ~刺激画像が頭部または全身の場合の比較~

オンライン会議や面接などのインタラクションを行う際,特に自分と相手が互いに初対面の場合に,相手に好ましい印象を与えることが重要と考えられる.既存研究では,実験協力者が相手の印象を判断するにあたり,印象単語に関わらず,被写体の顔に実験協力者の視線位置が主に停留することが知られている.ただし,実験協力者は,顔のみならず,手足を含む胴体を含めて被写体の全身を観察していると考えられる.そこで本稿では,刺激画像において被写体の顔のみ,または,胴体のみを含めた場合にも,実験協力者が頂く印象の度合いが,全身の場合と同様に形成されるかを,主観評価と視線解析で検証した.

井上 路子,西山 正志,岩井 儀雄(鳥取大)
手モデルの変形がバーチャル物体の重さ知覚に与える影響 (164)
(1Q06) 手モデルの変形がバーチャル物体の重さ知覚に与える影響

本研究では,Pseudo-Haptics(擬似触覚)の一つとして弾性変化を加えた手モデルの使用によりバーチャル物体への重さを錯覚させることを目的とする.本実験では,一般的な3D手モデルを粒子からなる手モデルへ変換し,VR空間内の異なる重さの球体を操作し,変形量の大きな順に並べ替える課題,変形量から重量にどの程度違いがあるかを判別する課題を実施した.実験の結果,明確に重さの違いは知覚されなかったが,手モデルの変形により重さが知覚される可能性が示された.

岡田 一志,橋本 渉(大阪工大)
ダンスモーションの反復練習とその上達過程の可視化 (167)
(1Q07) ダンスモーションの反復練習とその上達過程の可視化

カメラや赤外線センサを用いた比較的安価な人体モーションキャプチャ技術の充実により,人体運動の計測が手軽になり,その用途が飛躍的に拡大した.我々はこの技術を活用して,同一のダンスを反復的に練習した際の動作の差異や変化を可視化することで,ダンスのスキル向上に寄与する可視化システムを開発している.本手法では,同一人物による同一のダンスの練習を複数回計測する.そして各モーションに対して,動作のタイミングを揃える時間補正,ダンサーの位置や身体の向きを揃える空間補正を適用する.講師による模範動作も計測されている場合には,ダンサーと講師の間の体格差を補正する体格補正も適用する.続いて補正後の各モーションを構成する手足などのパーツに対してクラスタリングを適用し,クラスタリング結果を可視化する.ユーザはその可視化結果にもとづいて任意の複数のモーションを選んで,これらをアニメーション表示することで,ダンサーの動作の差異や変化を確認することができる.

川西 真美(お茶の水女子大),土田 修平(神戸大),伊藤 貴之(お茶の水女子大)
webカメラと一般的なディスプレイを用いた立体視システムの提案 (226)
(1Q08) webカメラと一般的なディスプレイを用いた立体視システムの提案

ヘッドマウントディスプレイはVRゲームやVR動画などの立体視コンテンツを楽しむためのデバイスとして有用である.ヘッドマウントディスプレイの利用形態の一つとして情報収集や製作活動のために立体視を活用する場面が想定される.その場合,ヘッドマウントディスプレイを頻繁に着脱を繰り返すことが予想され,着脱の度に情報収拾や製作活動を中断することが問題となる.本稿では,立体視を用いた作業と立体視を用いない作業をスムーズに切り替えるための,webカメラを接続したPCで動作可能な運動視差を利用した立体視システムを提案する.

仲 純平,才田 聡子(北九州工業高専)
インタラクションの構成単位としてのアバカス (139)
(1Q09) インタラクションの構成単位としてのアバカス

計算を補助する装置としての歴史を持つアバカスはコンピュータの普及によって社会での役割を失っている.コンピュータは記号によって表現された情報を高速で処理するというアーキテクチャを持ち,計算を含む多くの情報処理を人間のために実現している.記号を用いることなく利用可能なアバカスと比べるならば,従来のコンピュータは記号の利用という制約を人間に与えることで発展を続けている.本稿では,アバカスをコンピュータとして扱う拡張を行い,記号の利用という制約のないコンピューティングを提案する.そして,アバカスを構成単位とするインタラクションが人類の知的活動にもたらす可能性について考察する.

須﨑 宏文(Abacist)