ワイヤによる衝撃力の提示を用いた木こり体験VR (261)
(2A-01★) ワイヤによる衝撃力の提示を用いた木こり体験VR

斧を使って木を切り倒すときの体験を提供するVRシステムを構築した.木を斧で切り倒す体験の重要な要素は斧が木の幹に当たったときの衝撃感であり,これを再現する手段として,斧を模擬したデバイスを金属製ワイヤのループに固定し,斧を横に振ってある位置に来るとワイヤが弛緩状態から一瞬で緊張状態へ変化する仕組みを用いた.また,衝撃感の提示に加えて,斧が木の幹に挟まって抜けにくくなる感覚,繰り返し斧を打ち付けることにより太い木の幹を切り進み,打撃位置が変化していく感覚を再現した.

加世田 幸輝,嶋津 温紀,山村 大樹,山本 凌雅,柳田 康幸(名城大)
(2A-02) 【タイトル公開準備中】

(公知日以降に公開)

榮井 優介,石黒 祥生(名大),西野 隆典(名城大),武田 一哉(名大)
Reflatables: 形状再設計可能な空気膜構造体の造形手法の提案 (121)
(2A-03★) Reflatables: 形状再設計可能な空気膜構造体の造形手法の提案

本研究は,樹脂チューブと面ファスナを用いた,形状の再設計が可能な空気膜構造体Reflatablesの造形手法の提案およびその製作を自動化する機構の基礎的検討を行う.本手法では,ポリエチレン製チューブの表面に面ファスナを固定して節を作ることで,膨張時にチューブを任意の方向に曲げることを考える.この手法を通してユーザは任意の形状の空気膜構造体を設計し,チューブに空気を入れることで,任意の空気膜構造体を造形できる.さらに,面ファスナを貼り直すことで,即興的に別の形状に書き換え可能である.本提案では,手動での造形に加え,自動的に構造体を試作するためのファブリケーションツールを開発した.本稿では,Reflatablesの設計手法と製造手法,及び考察,今後の展望について述べる.

村山 拓海(慶大),山岡 潤一,筧 康明(東大)
遺伝的アルゴリズムによる旋律への和声付与 (199)
(2A-06) 遺伝的アルゴリズムによる旋律への和声付与

近年,専門的な知識を持たない初学者でも作曲をする機会が急増している.音楽的な知識を持たない初学者は旋律を先に創造し,旋律に対するコード進行付与を行うソプラノ課題を取る傾向があるが,この作曲手法は和声法などの専門的な知識と多くの作曲経験が必要である.本研究は,初学者向けに単旋律への和声付与のサポートを目的とし,先行研究よりポピュラーなコード進行の付与を行うために,遺伝的アルゴリズムを用いた自動和声付与手法を提案する.提案手法はMIDIノート番号で構成される4音を遺伝子として持ち,コードネームとして表現される和声以上の表現を可能としている.初期状態に旋律の音階に対応するモノコードを付与することで無秩序な乱数探索を抑制する.入力旋律の構成音と探索中の和声構成音との一致度,和声の構成形状,和声の進行の3要素の評価を総合した適応度で個体を評価する.また,提案手法を実装したプロトタイプシステムを用いて旋律に和声を付与し,主観評価を行う.

鈴木 大河,丸山 一貴(明星大)
動画の盛り上がり度に基づいたループシーケンサ (157)
(2A-07) 動画の盛り上がり度に基づいたループシーケンサ

これまで動画を用いた楽曲生成に関する研究は数多く行われてきたが,これらの多くは動画全体の色や動きから作曲を行うものであり,動画の盛り上がりを考慮した作曲は実現していない.本研究では,動画の盛り上がりに対応した楽曲生成を実現するために,動画の場面が持つ盛り上がりに基づいた楽曲の自動作成を提案する.動画に対して一定時間ごとに動きの特徴量を算出し,動画の盛り上がり度を推定する.推定した盛り上がり度と楽曲のセクションを考慮した隠れマルコフモデル(HMM)によって,ループシーケンサに挿入する音素材を決定する.以上の処理を実現したシステムの実装を行ったところ,楽曲構成を考慮しない場合に比べて,動画との対応やテクノミュージックとしての自然さに関して,概ね良い結果が得られた.

安坂 文汰,北原 鉄朗(日大)
協調作曲システムへの歌詞連想マップを用いた協調作詞機能の実装 (257)
(2A-08) 協調作曲システムへの歌詞連想マップを用いた協調作詞機能の実装

CGM,UGCの隆盛により,複数人での共同作曲作業(協調作曲)を行うことが一般的になってきている.特に歌唱パートを含むことが多いポピュラー音楽の作成においては,共同での作詞作業(協調作詞)についても考慮する必要がある.そこで我々は,ネットワークを介した協調作曲・協調作詞を実現するシステムに関する研究を行なっている.本稿では,我々の先行研究である,協調作曲システムに追加実装した,マインドマップを基にした歌詞連想マップを発想支援手法として用いた協調作詞機能の詳細について述べる.この機能により,複数人による(1)歌詞連想マップを用いた語句の連想(発散支援),(2)歌詞連想マップから歌詞候補を列挙し,歌詞の検討,編集,決定(収束支援)が可能になる.

山下 圏,佐藤 究(岩手県立大)
Fuuwa:浮遊型風船を用いた動きに再現性のある音楽演奏タンジブルユーザインタフェースの提案 (200)
(2A-09) Fuuwa:浮遊型風船を用いた動きに再現性のある音楽演奏タンジブルユーザインタフェースの提案

タッチパネルデバイスや電子楽器の発展により,楽器演奏の専門知識を持たずに音楽をタッチ操作により演奏できるアプリケーションも多く開発されている.しかし,楽器を演奏する時音楽により身体の動きから得られる体験を感じることが乏しい.そこで本研究では,ヘリウムガス風船の浮揚性を利用し、鑑賞者が手で風船を下に叩く動作により,移動された風船の位置情報で音の周波数を変更することで音楽を演奏するタンジブルユーザインタフェースfuuwaを提案した.このインタフェースにより,音楽情報を見える,触れるだけでなく,fuuwaの風船が持つ反重力,不安定な動きとモーターでユーザの動作を再現できる特徴により,アニマシー知覚という生き物らしさを感じられることでユーザへ音への興味を惹く体験を提供できる.

李 林嬡,串山 久美子(首都大)
ピアノの強弱提示支援システムの検討 (169)
(2A-10) ピアノの強弱提示支援システムの検討

ピアノを演奏する上で,どの指でも思い通りの強さで弾けるようになることは,表現の幅を広げることができ,重要である.ピアノを演奏する人の多くが,基礎練習曲を通して,指が独立して動くように練習する.しかし,それぞれの指の強弱を意識するのは難しく,自分自身で弾いている最中に耳から入る音だけでは強弱の差に気が付きにくい.本稿では, MIDI出力を利用して強弱を可視化するシステムを提案する.本システムは,リアルタイムでユーザに強弱のフィードバックを与えるシステムと,ユーザの演奏から譜面を再生成し,演奏後に強弱のフィードバックを与えるシステムで構成される.譜面の再生成では,「ハノン」のような基礎練習に適していて,一つ一つの音の強弱の差を可視化する「ハノンモード」と,J-POPなどの曲の練習に適していて,「メロディーライン」や強弱記号を意識して練習することができる「ポップスモード」を用意した.ユーザスタディの結果,耳で聴くだけではわからない強弱の差まで反省することができる,といった期待通りの意見があった一方で,フィードバックからどう改善するべきかわかりづらい,といった問題点が示唆された.

井上 弦,五十嵐 悠紀(明治大)
Utopia : A Borderless Digital Interactive Narrative (295)
(2A-11) Utopia : A Borderless Digital Interactive Narrative

“Utopia” is a depiction of an imaginary neighborhood, a place with no borders and boundaries, where all its residents are living in it happily and peacefully together. In this digital painting, visual indicators such as a character looking into a distance, etc. are designed to navigate the audience. The visual indicators encourage the audience to explore the painting. For the realization of the borderless digital painting, we developed an application for PC using Unity, an eye tracking camera and speakers. The application uses a camera in Unity and a square or rectangular two-dimensional image designed for our purpose (such as the mentioned painting of the neighborhood). When a viewer watches the painting freely, the image is scrolled without interruption depending on the viewer’s eye direction. Each character in the painting has short animated moves, along with the sound effects which the viewer hears as his/her eye approaches.

Kaghazchi Negar,小林 悠人,児玉 幸子(電通大)
衣服の変形を用いた触覚フィードバック手法 (135)
(2B-12★) 衣服の変形を用いた触覚フィードバック手法

人々が着用している衣服は肌と接触しており,衣服の変形によって様々な触覚が肌に生じる.本論文では,衣服の変形による触覚フィードバック法を提案する.形状記憶合金と圧縮バネからなるアクチュエータの伸縮により,衣服を変形させ,触覚刺激を生成する.長袖のTシャツの前腕,上腕,肩の周径に沿って4つのアクチュエータを装着し,プロトタイプデバイスを実装し,これらの位置でのフィードバック性能を比較するための評価を行った.アクチュエータの収縮パターンの認識評価の結果,15の収縮パターンの認識では前腕での認識率が最も高かったが28\%と低かった.そのため,この結果から高い認識率のパターンを4つ抽出し,さらに実験を行い,その結果認識率は向上し,前腕での認識率は85\%まで向上した.これらの結果から,各装着位置でのフィードバック性能を議論し,効果的なフィードバック位置を提示する.

上田 健太郎,寺田 努,塚本 昌彦(神戸大)
姿勢推定ライブラリOpenPoseを用いた筆記用具持ち方学習装置の提案 (178)
(2B-13) 姿勢推定ライブラリOpenPoseを用いた筆記用具持ち方学習装置の提案

本研究では,書写教育の基本である,筆記用具の持ち方に対する,持ち方指導の効率化,フィードバック方法について考察する.OpenPoseを用いることにより,手指関節点の座標を取得し,コサイン類似度を用いて類似度を算出し,手指形状の判別を行う.また,親指,人差し指,中指の判定結果をイラストにより可視化し,フィードバックを行う.正しい手指形状の判別,フィードバックを兼ね備えた装置を提案する.


油田 一彌,岡山 将也(大阪教育大)
フラッグクエスト:仮想世界指向インタフェースを備えたゲームシステムの提案 (100)
(2B-14) フラッグクエスト:仮想世界指向インタフェースを備えたゲームシステムの提案

コンピュータによって生成される仮想世界においても,直感的な操作を目的としたインタフェースの多くは,物理世界法則にしたがって構築されている.しかし,ゲームなどの非現実的仮想世界では,物理法則からの逸脱が許容されている.本研究では,まずは非現実的仮想世界の二次元マップ上の空間移動に着目し,物理インタフェースを用いて仮想世界の座標系を動的に書き換えるシステムを提案する.


藤木 淳(札幌市立大),大谷 智子(東京藝術大),丸谷 和史(NTT)
スマートフォンの傾きとスワイプを用いた質感提示システム (092)
(2B-15) スマートフォンの傾きとスワイプを用いた質感提示システム

本稿では,スマートフォンに表示された仮想物体を端末の傾きと指でのスワイプ操作を組み合わせて動かせるようにすることで,光沢感などの視覚による質感認知に必要な光の反射の変化を表現でき,かつ3次元物体の全ての面を提示できる拡張現実感(AR)システムを提案する.さらに,実際に物体を見たときに受ける感覚に近づけるため,視点位置から見える映像を正確に再現する.提案システムの有用性を評価するため,日常的にオンラインショッピングを利用する大学生を対象に,3種類の質感提示手法を比較した評価実験を行った.評価実験の結果,提案手法とスワイプのみでの操作手法は傾きのみでの質感提示よりも質感認知に効果的であることがわかった.このことから,端末の傾きにスワイプでの物体操作を加えた提案手法は,質感認知システムとして利便性が高いことが示された.

菊池 知世(日本女子大),宮﨑 正史,小室 孝(埼玉大),小川 賀代(日本女子大)
BugTutor:誤情報を活用したプログラミング学習システム (115)
(2B-16) BugTutor:誤情報を活用したプログラミング学習システム

企業のICT新人研修において,プログラミング教育が行われている.プログラミングは,一部の初学者にとって難しい場合があり,知識の定着率格差が問題になっている.このため,プログラミング学習支援システムがこれまでに多く開発されてきた.しかし,この問題の根本的な原因は,従来の学習方法が「受動的な学習」となっていることにあるのではないかと我々は考えた.そこで本研究では,学習教材に誤情報を混入し,これを正しく修正する学習を行わせることで,受動的な学習を回避し,能動的な学習を促すシステムを開発する.本稿では,開発したシステムBugTutorについて述べると共に,これまでに実施したユーザスタディに基づく初期的な有効性の検証結果を報告する.

岩渕 悠太,高島 健太郎,西本 一志(北陸先端大)
行動心理と体験学習に基づくVR避難訓練システムMisasTer-Systemの開発 (112)
(2B-17★) 行動心理と体験学習に基づくVR避難訓練システムMisasTer-Systemの開発

本研究では,学校の教育現場で行われる避難訓練において,“児童・生徒・学生”のための避難行動の知識の蓄積,意識付けを目指す避難訓練システムの開発を目的とする.日本では,東日本大震災などの多くの自然災害が発生しており,近年では台風による被害や南海トラフ地震も予想されている.また,災害に対する理解が必要であり,小中学校における義務教育で学ぶことがふさわしいと言われている.これまでにもVR技術を活用した避難訓練システムは開発されているが,消火活動訓練など,学校現場における“児童・生徒・学生”が行わない訓練が多く,避難指導者側を訓練するシステムとなっている.そのため,児童・生徒・学生などの避難を優先して行う人々の意識は変わらないと考えられる.そこで本研究では,“避難する”ということに着目し,行動心理と体験学習に基づくVR避難訓練システムの開発し,小学生6名に対象に実験を実施し,システムの活用について検討した.

菊池 晶陽(大阪工大),大井 翔(立命館大),後藤 壮史(奈良県王寺町立王子小学校),佐野 睦夫(大阪工大)
exEyes: 複数無線カメラを用いた一時的な目の外在化とそのインタラクション手法の提案 (151)
(2B-18) exEyes: 複数無線カメラを用いた一時的な目の外在化とそのインタラクション手法の提案

人間の目は身体に付随しており,取り外すことはできない.日常生活において大事な対象やタスクがある中で,一時的に目を離して用事を行いたい場合でも,そこから目を離すことができないという問題がある.これは,人の目が身体に付随していることの制約のためである.そこで本研究では,無線通信可能な複数カメラを組み合わせて利用し,自身の身体に付随した目では難しい目の自在な配置や複数視点の比較を可能にするexEyesを提案する.

香川 舞衣,渡邊 恵太(明治大)
インタラクティブキャラクタのフレームワークと触れ合えるVRインタラクションシステム (140)
(2B-19) インタラクティブキャラクタのフレームワークと触れ合えるVRインタラクションシステム

VR世界でユーザがフィクションの世界に入り込んだような没入感の高い体験するためには,その世界のキャラクタに自然で魅力的な振る舞いが求められる.自律キャラクタが自然で魅力的な振る舞いを行うことが望ましいが,従来ではそのような自律キャラクタは製作の手間が膨大であり,滑らかな行動の切り替えが難しい.同時に,現実とVR世界で力の伝達が発生しないため,接触時にアバタとキャラクタが貫通が生じてしまい没入感が損なわれてしまう問題もあった.本研究ではVGentEditorを用いたインタラクティブキャラクタのフレームワーク「VGent」の提案及び,VR機器,PliantMotion,VGentを使用した接触可能なインタラクションシステムの構築を行う.

小栗 賢章,三武 裕玄,杉森 健,佐藤 裕仁,長谷川 晶一(東工大)
茅ヶ崎市沿岸部を対象とした津波避難行動シミュレーションシステムの開発 (139)
(2B-21) 茅ヶ崎市沿岸部を対象とした津波避難行動シミュレーションシステムの開発

本研究では,ゲームエンジンと国土地理院のオープンデータを用いて,津波避難行動シミュレーションシステムを構築し,神奈川県の茅ヶ崎市を対象地区としたシミュレーションを行った.避難行動を行うエージェントを自動生成し,避難先を自律的に検索し指定された速度で避難行動することによって,避難場所の再設置など現在の課題を明らかにする.このエージェントは,歩行速度や被災条件の異なる3種類と,避難行動の異なる2種類のものを用意し,その数や比率を自由に可変できるものとした.

桑名 祐弥,瀬戸 直也,増田 光咲,海津 ゆりえ,川合 康央(文教大)
授業感想文の内容把握を支援するインタフェースの提案〜感想文の内容とそれを介した児童の繋がりの把握のために〜 (126)
(2B-22) 授業感想文の内容把握を支援するインタフェースの提案〜感想文の内容とそれを介した児童の繋がりの把握のために〜

教員は児童が書いた授業感想文を元に,授業構想を練ったり,グループ活動でのグループ編成を考えたりすることがある.しかし,児童が書いた授業感想の記述内容を把握することは容易ではない.本稿では,「誰が」「何を」書いたのか,似た意見や考えを持っている児童は誰かを把握することを支援する対話インタフェースを提案し,その実現可能性と有用性を検証するために実装したシステムの設計と試作について述べる.


松原 未和,加藤 直樹(東京学芸大)
DigresSignal:タスク遂行中の逸脱行動と同調心理を利用した作業復帰支援 (077)
(2B-23★) DigresSignal:タスク遂行中の逸脱行動と同調心理を利用した作業復帰支援

やりたくないけれどやらなければいけないタスクを遂行する場合,タスク開始後すぐに無関係な逸脱行動をとってしまうことがしばしばある.本研究では逸脱行動の中でも近年特に多い「スマホいじり」に着目し,同調心理を利用してタスクへの復帰を支援する手段を提案する.具体的には,スマホいじりを行っている者が少数派であるという情報を,あたかも実際の状況であるかのようにスマホ上で提示するシステムDigresSignalを構築した.これにより,自分が逸脱行動を行っている少数派であると認識させて,作業に復帰させることができるのではないかと考えた.本手法の有効性を検証する実験を実施した.その結果,他者のスマホの使用割合が低いことを確認させることで,同調が生じ,逸脱の割合を減少させることが示され,作業への復帰を促進することができることが明らかになった.

山本 航平,高島 健太郎,西本 一志(北陸先端大)
HMDに搭載されたロボットアームによる遭遇型触力覚提示手法の提案 (159)
(2B-24) HMDに搭載されたロボットアームによる遭遇型触力覚提示手法の提案

従来の頭部への触力覚提示手法には,明示的な触力覚提示を行わないときにもデバイスがユーザに接触しているため常時刺激を与えてしまうという問題があった.そこで我々は,小型のロボットアームをHMD上に搭載し,頭部に対して遭遇型触力覚提示を行う手法を提案する.この手法によって,頭を撫でられる,頬や唇にキスされるといった頭部への予期しない繊細な触力覚表現を行うことができる.本稿では,システムの設計と開発したプロトタイプについて述べる.

椎名 星歩,橋本 直(明治大)
温度を介して言葉の印象の違いを体感する温冷感コンテンツ (163)
(2B-25) 温度を介して言葉の印象の違いを体感する温冷感コンテンツ

我々は思いやりのある言葉のことを「温かい言葉」といい,反対に思いやりに欠ける言葉のことを「冷たい言葉」という.このような言葉と温度感覚の関係に着眼し,言葉の温度を設定し,それを他者と共有することで,言葉の印象が他人と異なることを体感できるコンテンツを制作した.本稿では,そのコンテンツの概要と設計及びユーザー観察の結果を報告する.


宮崎 優子,加能 侑生子,木下 真希,栗原 渉,串山 久美子(首都大)
Synchronized-Slow-Effect: 身体速度に比例した時間スケールの変化による手応えの増強 (147)
(2B-26) Synchronized-Slow-Effect: 身体速度に比例した時間スケールの変化による手応えの増強

2D格闘ゲームでは,攻撃時の手応えの増強を目的に,一時的に時間スケールを変化させる「ヒットストップ」という演出が用いられている.我々はこのような演出手法がVR空間内においても有効であると考えた.しかし,固定値で時間スケールを変化させただけでは映像に違和感が生じ,手応えを感じ取れないケースがみられた.そこで,時間スケール変換の継続時間やスケール比を身体速度に基づいて動的に計算し,違和感を低減させる手法「Synchronized-Slow-Effect」を提案する.

丸山 寛人,橋本 直(明治大)
麻雀牌検出器構築のための視覚情報処理を考慮した学習データ生成について (168)
(2B-28) 麻雀牌検出器構築のための視覚情報処理を考慮した学習データ生成について

物体検出器の構築における課題の1つに,大規模データセットの構築が挙げられる.解決方法の1つに,CGを用いたシミュレーションに基づくデータ生成がある.しかし,現実のデータをシミュレーションすることは容易でない.検出器が十分な精度を得るために,生成データを現実のデータに適切に近似する必要がある.そこで本研究では,人間の視覚情報処理に基づき現実のデータをCGで再現可能なデータに変換する.具体的には,輪郭検出処理を適用する.物体検出器の応用領域として,麻雀牌検出タスクに取り組む.本稿では変換した生成データを学習して麻雀牌検出器を構築する手法について述べる.

鈴木 涼介,大囿 忠親,新谷 虎松(名工大)
音声入力テキストチャットにおける発話強度に基づいた吹き出し形状自動選択システムの提案 (279)
(2B-30★) 音声入力テキストチャットにおける発話強度に基づいた吹き出し形状自動選択システムの提案

本稿では,漫画の表現方法として知られている吹き出しの,感情を伝達する機能に着目し,音声入力テキストチャットにおいて,入力された音声の発話強度に基づいた吹き出し形状の自動選択システムを提案する.以前から,感情と吹き出しの形状の対応に関する研究が行われていたが,吹き出しの形状のバリエーションによってユーザが感じる感情の差異についての研究は行われていない.また,感情を伝達できる従来のテキストチャットシステムにおいては,多くの場合ユーザによる感情の選択が別途必要であった.本稿では,感情と吹き出しの形状のバリエーションへの対応について質問紙調査を行い,ランキングを行った.また,ランキングに対応した吹き出しを,入力された音声データを元に自動で選択するテキストチャットシステムを実装し,ユーザの体験から本システムの有用性を確認した.

青木 俊樹,川村 慧,中條 麟太郎(東大),Choi Saemi(独立研究者),松井 克文,Hautasaari Ari(東大)
Backhand display: 手の甲に配置した入出力デバイス (190)
(2B-31) Backhand display: 手の甲に配置した入出力デバイス

スマートフォンやスマートウォッチの普及により,情報のやり取りが簡単になった.しかし,スマートフォンには取り出す手間がある,スマートウォッチには画面のサイズが小さいため文字入力が容易でない,という問題がある.本研究では,以上の問題点を解決するBackhand displayを提案する.Backhand displayは,手の甲に配置した入出力デバイスである.これにより,スマートフォンより情報のアクセスが容易になり,スマートウォッチより画面のサイズが大きくなるため文字入力が容易になることが期待できる.スマートフォン,スマートウォッチ,Backhand displayの文字入力評価実験を行い,Backhand displayの平均CPM(Characters Per Minute)が43.4であることを明らかにした.

岩井 祐樹,真鍋 宏幸(芝浦工大)
パソコン作業時のキー入力を下肢動作で置き換えることによる運動不足改善システムの設計と実装 (191)
(2B-32) パソコン作業時のキー入力を下肢動作で置き換えることによる運動不足改善システムの設計と実装

パソコン作業のような長時間の座位作業は健康に悪影響を及ぼす.悪影響は座位作業中に歩行や立ち上がり動作などの日常生活で行う運動によって緩和できるが,作業の中断をともなう.そこで,本研究ではユーザにパソコン作業を中断させず,作業時に可能な身体動作を行わせて運動不足を改善するシステムを提案する.提案システムでは,ストレッチセンサを用いて下肢動作を認識し,あらかじめ設定した日常動作で使う筋肉に負荷がかかる動作をしたときに割り当てておいたキーの入力を行う.評価実験より,提案システムによる対象動作の認識精度は平均F値0.99となり,高精度にキー入力の置き換えができることを確かめた.

清水 裕介,寺田 努,塚本 昌彦(神戸大)
Pneumar:生き物らしさに着目したインタラクティブな壁の提案 (196)
(2B-34) Pneumar:生き物らしさに着目したインタラクティブな壁の提案

人々は,生き物とふれあうことにより,癒しや安らぎを得ることができる.そして,生き物への愛着も生まれる.しかし,私たちは生活の中で生き物とのふれあいに使える時間も場所も多くはない.そこで,本研究では,日常の無機質な空間に愛着あるあたたかみのある空間を生み出すことを目的とし,生き物の動きに着目したインタラクションの場を提案する.今回,私たちが優しく触ると大人しく気持ちよさそうに触られる動きと,強く触るとびっくりして噛み付いてきたりと反抗をしてくる動きに注目し,この正反対ともいえる2つの動きを本稿では対比して「協調と反発」と呼ぶ.また,生き物の動きの再現だけではなく,手触りにもこだわり,「協調と反発」の動きとをする1つのモジュールを複数個組み合わせることによりインタラクティブサーフェスを制作した.

片野 周,田所 みらい,今 綾音,倪 倩儀,栗原 渉,串山 久美子(首都大)
桿体細胞への情報提示を用いた寝室インタラクション (123)
(2B-35★) 桿体細胞への情報提示を用いた寝室インタラクション

一般的なHCIは明るい場所で操作する覚醒したユーザが対象である.しかしコンピュータ技術が遍在し生活のあらゆる場面で利用可能になるに従い,例えば就寝する前の寝室などの,暗い場所において半覚醒状態で機器を操作する機会が増えている.本研究では,暗い寝室における半覚醒ユーザを対象とした,入眠を妨げないHCIを提案する.暗所で桿体視細胞が働くことに着目し,これを刺激する緑色天井投影を採用した.エアコン,照明,目覚ましアラーム,防犯カメラ,手書きメモ,玄関鍵を確認・施錠するインタフェースを設計・試作し評価を行った.

大島 榛名,的場 やすし,椎尾 一郎(お茶の水女子大)
ギターのコードストローク演奏運動分析システム ~演奏様態を擬音化するインタラクションに向けて~ (099)
(2B-36) ギターのコードストローク演奏運動分析システム ~演奏様態を擬音化するインタラクションに向けて~

エレクトリックギターの演奏では,エフェクターやアンプといった機器の特性から,奏者の意図や技量とはかけ離れた音響が生じる特性がある.そして,初学者に誤った印象を与えることで,正しい技量向上が阻害されてしまう可能性が生じている.そこで本研究ではギター演奏者の利き手側に装着する腕時計型運動センサにより,コードストロークによる演奏運動の状態を擬音表現にて奏者に伝えるインタラクションシステムの検討を行った.その結果,豊富な演奏経験を有する演奏者では,演奏速度や演奏強度によらず,手首の角加加速度(角躍度)と角速度との間に明瞭な比例関係が見られることが分かった.また,様々な技量レベルにある被験者での実験結果から,これらの数値の比率により演奏運動のスムーズさを数値表現できる可能性が見出された.

志水 一斗,奥村 ヒョービ,福田 虎太郎,肥後 瑠一,吉田 海,松下 宗一郎(東京工科大)
積み木を利用した複合現実コンテンツにおける点群処理 (241)
(2B-37) 積み木を利用した複合現実コンテンツにおける点群処理

積み木遊びは子供の知覚や数学的能力において影響を及ぼすと考えられている.しかし,現代においてはタブレット端末等の普及により,物理的な体験の薄いコンテンツに触れる機会が増えている.そこで本来の積み木の遊びにおける物理的体験を残したまま,魅力的に見せるためのMixed Realityコンテンツを提案する.具体的には,RGB-Dカメラを利用して積み木の配置,形状を分析し,モニターに表示されるカメラ映像に対してCGを重畳描画するMRシステムを提案する.本システムでは積み木の積まれ方によってCGに変化を与えるため,深度データより得られた法線に基づく積まれた積み木の分類を行う.

長田 一馬,小林 桂(筑波大),益子 宗(楽天),星野 准一(筑波大)
材質の違いを考慮した切り抜いた感覚を与える力覚フィードバックデバイス (095)
(2B-38) 材質の違いを考慮した切り抜いた感覚を与える力覚フィードバックデバイス

VRゲームにおいて,ユーザーが腕を振ることにより映像内の剣を振り,敵を切り倒すといったアクションを行うものは多数ある.しかし,物体を切る際の抵抗はなく,多くの場合振動によるフィードバックを行っている.そこで,本研究では,対象物体の材質に応じた切断途中の抵抗の提示と,切断後の抵抗の消失をコンテンツ映像に合わせて行うことで,ユーザーに対して切り抜く感覚を与えるデバイスを開発した.材質の差異による切り抜く感覚の違いを表現するために,4つの物体を切り抜くコンテンツの実装を行った.

古堅 耕太朗,兼松 祥央,三上 浩司(東京工科大)
安心安全を目的とした見守り監督者を支援するMR可視化システムの提案 (201)
(2B-39) 安心安全を目的とした見守り監督者を支援するMR可視化システムの提案

本研究は赤子や高齢者の要介護者といった状態監視が必要な人を管理する見守り監督者に向けて支援するMR可視化システムを提案する.既存の監視カメラは監視されている心理的な圧迫やプライバシの懸念など多くの問題があった.本システムは管理対象者に9軸センサを取り付け姿勢推定を行うことを可能にする.さらに可視化および仮想現実上での表示をすることで安心安全を実現する支援をする.


伊東 優輝,岩井 将行(東京電機大)
(2B-40) 【タイトル公開準備中】

(公知日以降に公開)

榎本 洸一郎,石井 彩室(滋賀県立大),戸田 真志(熊本大),川崎 琢真,清水 洋平(北海道立総合研究機構)
地図グラフデータ内のトポロジー誤り発見・修正のためのインタラクション手法 (179)
(2B-41) 地図グラフデータ内のトポロジー誤り発見・修正のためのインタラクション手法

地図情報のグラフデータ共同編集において,ユーザのトポロジーの誤りを素早く発見・修正することを可能にするため,グラフ要素同士の密集によるオクルージョンの解決と階層間の接続を可視化するインタフェースを提案する.提案インタフェースでは,視覚効果にバネのメタファを取り入れ,ユーザのインタラクションに応じた一時的なレイアウトの変更を行う2つの手法を設計する.まず1つ目のRepel Significationでは,ユーザのドラッグ・ズーム操作時にオクルージョンが生じている箇所を振動するように表示させることで,誤りを含む可能性が高い領域を強調させる.また,2つ目のRepel Expansionでは,オクルージョンの含まれるグラフ要素をユーザがクリック可能にするため,カーソルを要素に近づけると,その付近に遮蔽されていた要素と,他階層と接続されている要素を出現させる.これら2つを組み合わせることで,ユーザは通常のインタラクションや地図操作を継続するだけで,地図が持つトポロジー情報と各要素の位置情報を破壊することなく,それらのエラー箇所が発見しやすくなり,より効率的なグラフデータの編集が可能になる.

林 大悟,藤田 和之(東北大),原 航太郎(シンガポールマネジメント大),高嶋 和毅,北村 喜文(東北大)
リラックス状態への誘導システム「Healing VR」 の製作と誘導効果の研究 (188)
(2B-42★) リラックス状態への誘導システム「Healing VR」 の製作と誘導効果の研究

本研究は呼吸状態に応じた触覚刺激を提示することで深い呼吸状態に誘導してリラックス効果を実現する「Healing VR」のシステム構築を目的とする.本論文では呼気・吸気・休止状態をリアルタイムに計測するテキスタイルセンサを用いた呼吸取得システムを製作し,ユーザの呼吸状態に応じて触覚提示アクチュエータを用いた触覚刺激を横隔膜付近に提示して,触覚刺激の提示タイミングを徐々に変化させていく触覚フィードバックシステムによって,深くゆっくりとした呼吸状態への誘導が可能であるか検討した.

岩下 直人(九大),倉掛 正治(NTTドコモ),上岡 玲子(九大)
新生児蘇生法における胸骨圧迫に着目した個人手技訓練システムの研究 (219)
(2B-43) 新生児蘇生法における胸骨圧迫に着目した個人手技訓練システムの研究

本研究では,新生児蘇生での基本手技である胸骨圧迫の技術を評価し,技術の振り返りをする個人手技訓練システムを提案する.正期産児のうち約15%は呼吸循環機能のための何らかの蘇生処置を必要としており,分娩に関わるすべてのスタッフが新生児蘇生法を習得していることが望ましい.この新生児蘇生法を学ぶために,全国各地で講習が設けられている.この講習内で訓練システムとして新生児を模しただけの蘇生人形を用いて胸骨圧迫と人工呼吸の基本手技演習を実施しているが,一般的には模擬手技講習では受講生に対するインストラクターの口頭指導が中心であり、技術的な振り返りが難しい。また,このような訓練システムを一般病院でも普及させるためには,手軽で安価なことが重要である.また継続的な講習も必要である.本稿では自主的な胸骨圧迫手技の習得を目標として,その手技練習の振り返りを自動化する個人手技訓練システムを開発し,評価実験の結果を報告する.

渡邊 嶺児,西本 騰,大井 翔,松村 耕平,野間 春生(立命館大),花岡 信太朗,岩永 甲午郎(京大)
VRコントローラに取り付け可能な手首力覚提示デバイスに関する考察 (225)
(2B-45) VRコントローラに取り付け可能な手首力覚提示デバイスに関する考察

近年,IT技術の発展により,極めて没入感の高いVR世界を体験することができる環境が整いつつある.リアリティの高い映像を目前に映し出すことが可能なHMDが開発とともに,操作性のよい優れた様々なVRコントローラも実用化されている.たとえばOculus社のVRコントローラでは,両手6自由度の操作ばかりでなく,多指操作や触覚提示によるハプティック操作も実現されてきている.よりリアリティの高いVR環境を実現する上で必要となる感覚モダリティのひとつに力覚が残されている.我々はすでに手首への力覚提示のためのストリング型ハプティックデバイスとしてSPIDAR-Wを提案している.本研究報告では,このSPIDAR-Wを基礎として,VRコントローラに取り付け可能な手首力覚提示デバイスを新たに考案したのでその内容を報告する.

本多 健二(東京海洋大),野本 光,野澤 彼方(東京理科大),佐藤 誠(東工大),原田 哲也(東京理科大)
3Dプリンタと転写箔を用いた両面基板の製作手法 (230)
(2B-46) 3Dプリンタと転写箔を用いた両面基板の製作手法

両面の電子回路基板を個人で簡単に作れるようになれば,個人によるモノづくりの幅が大きく広げることができる.本稿では,我々が提案した3Dプリンタと金属転写箔を使用した電子配線印刷手法を発展させ,両面の基板を作る手法を提案する.PLA樹脂で3Dプリントされた基材に対して,金属転写箔と低融点半田を用いて両面基板を製作した.製作した両面基板に電子部品を実装し,電子回路が動作することを確認した.


今井 悠平(芝浦工大),加藤 邦拓(東大),瀬川 典久(京産大),真鍋 宏幸(芝浦工大)
自然な把持操作を可能にする7自由度ワイヤ駆動型力覚提示装置の試作 (161)
(2B-47★) 自然な把持操作を可能にする7自由度ワイヤ駆動型力覚提示装置の試作

本研究では,自然な把持操作を実現する7自由度ワイヤ駆動型力覚提示装置の試作を行う.合計8本のワイヤにより,エンドエフェクタの並進・回転の6自由度の力覚提示のみならず,把持操作を追加の1自由度として合計7自由度の力覚提示を実現することを目的とする.実際に試作機の製作を行い剛体物理シミュレーションにより構築されたVR空間において,把持を伴う剛体操作のVR環境の構築を行った.


赤羽 克仁,中本 高道(東工大)
注目箇所の把握を目的とした授業資料への書き込みの可視化 (198)
(2B-48) 注目箇所の把握を目的とした授業資料への書き込みの可視化

教育機関へのICT機器の導入やLMSを活用する動きの中で,教員が授業の際に用いる資料(以下,授業資料)を公開し,学習者は授業資料を手元で閲覧しながら授業を受ける場面が想定される.学習者は教員が説明している授業資料が手元にある場合には,その授業資料に対して書き込みを行なう.そのため,教員が説明している際の授業資料に対する書き込みを可視化することで,説明中に学習者が着目している位置を推定することが可能になると考えた.現在までに学習者が閲覧している授業資料のページを可視化した研究はあるが,具体的に授業資料のページ中のどこに書き込んだのかを可視化した研究はない.そのため,本研究では,学習者が授業資料に対して行なった書き込みをリアルタイムに教員に可視化する手法を提案する.実験から,授業資料に対してハイライトを追加する単純なフィードバック手法では,学習者の注目箇所を授業時間外に分析することは可能であるが,リアルタイムに確認することは難しいことが判明した.

印部 太智,丸山 一貴(明星大)
ライブプレゼンテーションに基づく反転講義用動画作成のためのARパペットの開発 (217)
(2B-49) ライブプレゼンテーションに基づく反転講義用動画作成のためのARパペットの開発

本研究では,授業と宿題の役割を反転させた授業形態である反転講義のための動画作成支援システムを開発している.ここでは,反転講義用動画へのARパペットの導入を試みる.ARパペットは,生徒の理解促進や興味維持を目的とした,拡張現実空間内のエージェントである.動画撮影後の編集作業の負担を軽減するため,講師が撮影中にARパペットを操作可能なシステムを検討する.また,講師とARパペットによる対話形式の講義のための演出効果を実現する.本稿では,ライブプレゼンテーションに基づき動画作成中に操作可能なARパペットの開発について述べる.

片岡 瞳,落合 裕也,大囿 忠親,新谷 虎松(名工大)
非対称振動を用いた牽引力錯覚の二次元提示 (116)
(2B-50) 非対称振動を用いた牽引力錯覚の二次元提示

非対称振動とは往復で振動加速度が異なる振動で,この振動を提示されたとき,人は疑似的に並進力を感じることが知られている.これを牽引力錯覚という.従来研究によると,牽引力錯覚は並進自由度ではほぼ正確に提示できることがわかっている.本研究では二次元で提示する方法を提案し,その手法でどれだけ正確に牽引力錯覚を提示できているかを検証する.


春名 悠介,橋本 渉,西口 敏司,水谷 泰治(大阪工大)
講演会のライブ中継の自動化に向けた聴衆の注視対象推定システム (237)
(2B-52) 講演会のライブ中継の自動化に向けた聴衆の注視対象推定システム

動画配信サービスの急速な発達や動画というメディアの特性により,講演会や学会等をインターネットを用いてライブ中継することが一般的になりつつある.講演会等をライブ中継する際は,視聴者に講演内容を適切に伝えるため複数人の専門的な知識を有する技術者が協力して業務を行なっている.そのため講演会の運営者はこれらの技術者を手配する必要があり,負担になっている.本論文では中継業務のうち,カメラのスイッチング業務に着目し自動化を行う.スイッチングの自動化を行うために,会場前方のカメラ及び,聴衆のPCに内蔵されたカメラを用い,聴衆の注目対象を推定するシステムを提案する.提案システムの聴衆の注視対象推定精度の検証として,講義室での講演会を想定した実験をおこなった.その結果,会場前方のカメラに対してPCに内蔵されたカメラの方が高い推定精度を示すことが分かった.一方でPCに内蔵されたカメラを利用する上での問題点も発見された.

村上 雄亮,松村 耕平,大井 翔,野間 春生(立命館大)
棚ぼたデザイン:思いがけない幸運を意図的に起こす手法の評価 (238)
(2B-53) 棚ぼたデザイン:思いがけない幸運を意図的に起こす手法の評価

筆者らは,思いがけない幸運を得ることを表すことわざ「棚ぼた」という現象の中でも,自らの所有物と再会することに喜びを感じることに着目し,これを意図的に起こす手法を「棚ぼたデザイン」として提案している.本稿では,2種類の棚ぼたデザイン「棚ぼたExternal」と「棚ぼたInternal」のうち,特に後者に関してデバイスの動作確認を行ない,更に棚ぼたの発生を確認する主観評価を行った.


等力 桂,橋田 朋子(早大)
空中像ディスプレイを用いたバーチャルな炎色反応実験教材の研究 (197)
(2B-55★) 空中像ディスプレイを用いたバーチャルな炎色反応実験教材の研究

本研究では,物質の特性を理解する基本的な化学実験である炎色反応を取り上げ,元素の種類を理解することと,ガスバーナーの操作方法を安全に学ぶことができるバーチャルな化学実験教材を研究する.本システムでは,実際の実験器具であるガスバーナーにセンサ類を備え,安全かつ実際に実験を行なっているかのような学習体験システムを開発した.また,炎を空間結像型空中像ディスプレイで表示することにより,ユーザがより現実の実験に近い体験を行うことを可能にした.

西元 魁,大島 登志一(立命館大)
腕と物の動きの一致性を利用した取り違い防止システムの設計と実装 (195)
(2B-56) 腕と物の動きの一致性を利用した取り違い防止システムの設計と実装

パーティー会場などの人が集まる場所では,グラスや皿など見た目の似ている物を共通して使用する.そのため,意図せず他人の物を使用してしまうといった物の取り違いが発生する.物の取り違いによって,他人に嫌な思いをさせたり,他人とのトラブルに発展する場合がある.物の取り違いを防ぐために,識別可能な目印を物に付与する手法等が考えられるが,使用者はそれら目印を常に意識する必要があり,完全に物の取り違いを防ぐことはできない.そこで本研究では,物と腕の動きの一致性に注目し,誤って他人の使用物を持ち上げた際にブザー音を鳴らして警告することで物の取り違いを防ぐシステムを設計・実装した.本システムでは,予め人の腕と物に加速度センサを取り付けておくことで,自然に物を持ち上げる動作のみで使用者と使用物のペア登録・識別が行える.ペア登録の精度を調査したところ,1秒程度の持ち上げ動作においては高い認識率を示したが,0.5秒程度の持ち上げ動作においては低い認識率を示した.

河村 知輝,寺田 努,塚本 昌彦(神戸大)
BubbleGlide:N-gramを用いたスマートウォッチ向け日本語曖昧入力ジェスチャーキーボード (250)
(2B-57) BubbleGlide:N-gramを用いたスマートウォッチ向け日本語曖昧入力ジェスチャーキーボード

本稿では,円環型キーレイアウトをベースに曖昧入力とグライド入力を用いたスマートウォッチ向け日本語入力キーボードであるBubbleGlideを提案する.母音を確定させずに入力を行う曖昧入力によりキーの数を限定するとともに,必要な操作を減らし,グライド入力と組み合わせることで,単語あるいは短い文節を1ストロークで素早く入力することを可能にした.これまで,スマートウォッチのような小型ディスプレイ端末向けのかな文字入力に関する多くの研究がなされてきたが,日本語特有の漢字かな交じり文の入力や,かな漢字変換/予測変換まで含めた試作と評価は少ない.BubbleGlideの曖昧入力において,行の先頭文字の文字列から漢字かな交じり文に変換するための変換機能や,日本語入力では珍しいグライド入力による入力方法について本稿で紹介する.

戸羽 遼太郎,加藤 恒夫,山本 誠一(同志社大)
MRを用いた組立作業向け支援システムの開発と評価 (246)
(2B-58) MRを用いた組立作業向け支援システムの開発と評価

日本と中国の高度経済成長期を支えたベテラン職人たちの引退に伴って,工場現場での作業効率の低下が問題になっている.企業は持っているノウハウを若い作業員たちに教えるべきであるが,人材の流動化により,技術を受け継ぐことが難しいのが現状である.近年,AR(拡張現実)とVR(仮想現実)技術の発展により,製品の修理訓練や複雑な作業の運用支援など,産業において大きな役割を果たす可能性があると予測されている.しかし,VRでは,ユーザが完全に仮想世界に没入し,実際の作業と並行して何かをすることが難しい一面がある.ARでは,デジタル情報と実空間の間に接点がない.これらに対し,複合現実(MR)の場合は,仮想空間に取り込まれた情報が現実世界と相互に影響を与え合うことができる.本研究では,デスクトップPCを組立対象として,従来のマニュアルを用いた組立作業のタスクを分析して得られたパーツの認識と配置過程においてデスクトップPCの組立経験のない初心者でも容易に組立できるMRシステムの開発と,マニュアルを用いた作業にと比べて,HoloLensを使ったMRシステムを導入した場合にどれだけ効率を上げられるかを定量的に評価する手法を提案する.

張 伝揚,川合 康央(文教大)
EgoSpace: 双方向映像投影可能なヘッドマウント型デバイス (244)
(2B-59) EgoSpace: 双方向映像投影可能なヘッドマウント型デバイス

近年,歩きスマホが深刻な社会問題になっている.この社会問題に対して,本研究は双方向映像投影可能なヘッドマウント型ウェアラブルデバイスを提案して,様々シチュエーションにての応用について検証した.評価実験では,提案デバイスとスマートフォンを用いたナビゲーションの対照実験およびアンケート調査を実施した.その結果,本提案システムの有効性と利便性について考案した.


足立 優也,張 浩鵬,鷺坂 遼,鳥居 拓馬,謝 浩然(北陸先端大)
VR空間での視点位置変化が着座面の柔らかさ知覚に与える影響 (132)
(2B-60★) VR空間での視点位置変化が着座面の柔らかさ知覚に与える影響

近年,HMDを用いたVR空間での体験において,擬似触覚(Pseudo-Haptics)と呼ばれる視覚刺激により生じる錯覚を用いて触覚を提示する手法が注目されている.この手法では,デバイスを用いた触覚提示に比べて簡便に触覚を提示することが可能である.既存手法では,特に柔らかさや硬さに関する圧覚を変化させるためには,注視対象の物体の変形の程度を操作した映像が提示されていた.本研究では,視覚情報の制御により観察者が自身の体勢を誤認する現象を利用し,対象の物体を観察しない状況において柔らかさを知覚させる手法を検討した.具体的には椅子の着座に着目し,着座後に現実の身体が停止したのちにも,VR空間においてまるで柔らかい椅子に座ったかのように参加者の視点を下げていく視覚刺激を提示した.この手法を用いて柔らかさの知覚を評価する実験を行った結果,実際に接触対象(椅子)が変形する様子を見せずとも,柔らかさを知覚させられることが明らかになった.また,提示映像における視点位置変化の制御のパラメータとして用いた,視点が最終的に到達する位置と,その位置までに視点が移動する割合の2要因を変化させることで,柔らかさ知覚の強度に差が生じることが示された.

五十嵐 郁瑛,松室 美紀,柴田 史久,木村 朝子(立命館大)
空中立体映像システムでの空中CG物体による実物体の遮蔽の再現法の提案 (227)
(2C-61) 空中立体映像システムでの空中CG物体による実物体の遮蔽の再現法の提案

本研究では,空中立体視CG映像システムにおいて空中CG物体と実物体との適切なオクルージョンを再現する手法を提案する.著者らは,マイクロミラーアレイプレートを用いた空中立体映像に対して手による直接的なインタラクションを行うシステムを開発してきた.しかし,従来システムでは空中CG物体と手との位置関係にかかわらず,必ず手によって映像が遮蔽されてしまうという問題があった.本研究では,深度カメラを用いて手を三次元的にスキャンして,ユーザから見て空中CG物体が手より手前にあると判断した場合,ユーザから見えるはずの映像をプロジェクタを用いて手に投影する.実験では,ユーザの視点と手の位置や形状を考慮した映像を生成して投影することで,空中CG物体による手の遮蔽を擬似的に再現できることを確認した.

高崎 真由美,水野 慎士(愛知工大)
ゴミ分別を促すインタラクティブゴミ箱 (085)
(2C-63) ゴミ分別を促すインタラクティブゴミ箱

訪日旅行者と在留外国人が日本で滞在する際に,ペットボトルゴミをボトル,ラベル,キャップの三部分に分別させるため,ペットボトルゴミを識別できるインタラクティブゴミ箱を開発した.言葉を使わず,直感的に日本のゴミ分別ルールが分かる映像をそれぞれのゴミ箱に投影する.ペットボトル専用のゴミ箱にゴミ分別の識別機能がついており,入れられたペットボトルを読み取り,ラベルとキャップが外れたペットボトルとそうでないペットボトルの場合に分けて,それぞれ違う映像を見せることでゴミ分別意欲の向上を促す.

丁 尓礫,斎藤 進也,望月 茂徳(立命館大)
メロディスロットマシン (067)
(2D-64★) メロディスロットマシン

本稿では,仮想演奏者の未来の演奏のコントロールを可能とするインタラクティブな音楽システム「メロディスロットマシン」について述べる.従来のセッションシステムなどにおける仮想演奏者は人間による入力演奏に対して仮想演奏者がどのような出力演奏を生成するかに焦点があてられており,出力演奏を直接コントロールすることは困難であった.これに対しメロディスロットマシンでは,ユーザがダイヤルを回すことで,仮想演奏者が次に演奏するメロディを選択することを可能とする.また,演奏者の姿をペッパーゴーストディスプレイに投影し,仮想演奏者が目の前にいるように感じることを可能とする.

浜中 雅俊(理化学研)
匿名性を段階的に変化させるコミュニケーション支援システムの基礎検討 (055)
(2D-65) 匿名性を段階的に変化させるコミュニケーション支援システムの基礎検討

コワーキングスペースやシェアオフィスなどの共有空間で,利用者同士が対面でコミュニケーションを行うことは,他者の様々な考えに触れることで,個人では得られない成果を生み出す良い機会である.しかし,現在コワーキングスペースやシェアオフィスなどの共有空間で活発なコミュニケーションが行われているとは言い難い.こうした現状の一つの要因として,見ず知らずの人とのコミュニケーションを開始することに心理的障壁が存在することが挙げられる.この問題を解決するため,本稿では匿名性に焦点を当て,ユーザのコミュニケーション時の匿名性を段階的に変化させることができるシステムを提案する.

今井 廉,呉 健朗,内田 大樹,富永 詩音,尹 泰明,栗田 元気(日大),酒井 知尋,小島 一憲(ソフトバンク),宮田 章裕(日大)
ボリュームディスプレイによる3Dフラクタル図形の可視化ツールと評価 (235)
(2D-66) ボリュームディスプレイによる3Dフラクタル図形の可視化ツールと評価

Mandelbulb,Mandelboxなどの3Dフラクタル図形は,その複雑で興味深い形状から近年CG分野で注目され,メディア作品の視覚効果に用いられている他,専用の可視化ツールも多く開発されている.しかしこれらのほとんどは2D表示あるいは視差式3D表示による可視化に留まっており,立体視の生理的要因を満たす形での3D可視化例はまだない.本研究では,筆者らが先行研究として開発した体積走査式ボリュームディスプレイ上でこれらの図形を可視化するためのツールを開発し,3Dフラクタル図形の立体的な観察の容易さについて,市販の視差式3Dディスプレイ上の表示との比較評価を行った.

新井 諒介,山本 欧(東京電機大)