英文閲覧時における視線と音声情報を組み合わせた対訳提示手法 (211)
(3B-11★) 英文閲覧時における視線と音声情報を組み合わせた対訳提示手法

英語文書閲覧時にユーザへの負担が大きくならないような対訳提示手法として視線入力と音声情報を組み合わせた対訳提示手法を検討する.具体的には,視線をポインティングに利用し,対訳提示のトリガーとして音声入力を用いることで,スムーズな対訳提示を目指す.対訳提示の方法として視覚情報による提示と音声情報による提示を実装し,既存のアイディアである視線のみを用いた対訳提示を含めた3手法の比較評価を行なった.評価実験の結果,操作時間に関しては視線のみを用いた対訳提示に劣るが,ユーザビリティ評価では大きな差は確認されなかった.また,音声を用いることの利点として,音声入力の利用によるMidas touch problemの解消や,対訳を読み上げることで文章上に対訳を表示する必要がなく,閲覧の妨げになりにくいといった利点が確認された.

岡田 友哉,坂本 大介,小野 哲雄(北大)
覚醒と快不快を考慮したリハビリテーション時の 声がけロボットの実現および効果測定 (188)
(3B-12) 覚醒と快不快を考慮したリハビリテーション時の 声がけロボットの実現および効果測定

近年日本の高齢者人口の増加により健康寿命を延ばすことや介護の機会が増えている.リハビリテーション施設では職員による適切な声かけがリハビリテーション患者の意欲に関係していることが示唆されている.そこで本研究ではリハビリ患者の気持ちを心拍変動より判定し,適切な声かけをすることでリハビリテーションへの実施意欲を向上させることを目的とし,声かけロボットの開発を行った.この際に,先行研究では考慮されていなかったリハビリ実施者の覚醒度を考慮し,それに応じた声がけを行うことの効果測定を行なった.その結果,覚醒度の違いによりリハビリの声がけ効果が異なることがわかった.

松本 幸大,吉田 怜司,菅谷 みどり(芝浦工大)
正二十面体を用いた色合わせ立体パズルゲーム「Platomino」 (258)
(3B-13) 正二十面体を用いた色合わせ立体パズルゲーム「Platomino」

正二十面体の各面を色により定義し,頂点に配置したスイッチ操作によって,同色の面をそろえる立体パズルゲームを制作した.各面は赤,青,緑,黄の4色いずれかの色に初期化される.スイッチを押すことによって,スイッチに隣接する5つの正三角形を時計回りに回転させることが出来る.回転表現は,物理的な回転ではなく,LEDによる色の変化によって実現している.同色の面で五角形を作ることを目指すルールとなっている.手のひらに乗る大きさにすることで,持って回転させ,立体的な配置を記憶し,色合わせを楽しむパズルゲームを制作した.

松永 康佑(札幌市立大)
AR誘導サインの開発 (161)
(3B-14) AR誘導サインの開発

本研究は, AR技術を用いて認知的負荷を軽減する大型施設誘導サインシステムの開発を行う.現在,誰にでも分かりやすい施設計画の観点から,施設案内板の設置が行われているが,施設の大型化や機能の拡張に伴って施設案内板も複雑化する問題がある.この問題の有効な解決策として,床面サインを用いて目的地へ誘導を行う事例がある.しかし,床面は広告や非常灯など他の目的で使用されている事も多いため,床面サインの設置場所には制約がある.また,人の流れが多い場所では床面サインが見づらいといった問題があるため,誘導サインとして十分な機能を果たさない場合がある.本研究では,大型施設の訪問者が目的地や道順を直感的に認識できる誘導の手法を新たに提案し, ARを用いた大型施設誘導サインシステムの提案を行う.

小島 航,柳 英克(はこだて未来大)
Quondam Experts Finder:「昔取った杵柄」的人材を 顕在化する娯楽的Know-who支援システム (171)
(3B-15) Quondam Experts Finder:「昔取った杵柄」的人材を 顕在化する娯楽的Know-who支援システム

「過去に誰が何をしたことがあるのか」.この情報は,本人が自己開示をしない限り他者は知ることができない.つまり,例えどんなに素晴らしい技能を過去に身に着けていたとしても,経験者自身がそれを開示しない限り有効活用されないままうずもれる.人は皆過去に何かしらの技能を身に着けているはずであり,それを再度活用できれば,その道で新たな専門家になり得る可能性を秘めている.本研究では,過去に身に着けたはずの技能がその後活用されることなく埋もれていってしまうもったいなさに着目し,誤った情報に対してつい指摘したくなる衝動を利用したKnow-who支援システムQuondam Experts Finderにより「かつての専門家」の顕在化を図り,その有効性を検証する.

小森 麻友香,高島 健太郎,西本 一志(北陸先端大)
クラスタ方式空気砲を用いた香りブレンディングマシンの開発 (093)
(3B-16★) クラスタ方式空気砲を用いた香りブレンディングマシンの開発

映画館やテーマパークのようなマルチメディアコンテンツは,香りを広い空間に提示することで人の情動に影響を与える. VRにおける嗅覚提示は,ユーザーに対して素早く,ユーザの動作に応じて提示ができることが望ましい.空気砲を用いた嗅覚ディスプレイはこの条件を満たすためによく使用される.しかし,従来の嗅覚ディスプレイで生成される渦輪はその機械的構造に依存する.そこで,我々は空気砲の機械的構造を変更することなく様々な渦輪を生成することができるクラスタ方式空気砲“Cluster Digital Vortex Air Cannon” (CDA)を開発した.本論文では, CDAを用いた迅速で,複数の香りを合成可能,あるいはシーンに応じて香りを変更して提示できる香りブレンディングマシンを提案する.

小原 光二,園田 祐馬,大井 翔,松村 耕平(立命館大),柳田 康幸(名城大),野間 春生(立命館大)
人の感情に呼応してコミュニケーションを図る 植物用花瓶Fulower (229)
(3B-17) 人の感情に呼応してコミュニケーションを図る 植物用花瓶Fulower

植物にはストレスを緩和させる働きがある.一方でペットと異なり,人と植物の間で感情の共有をすることができず,人からの関わりかけに反応する植物も少ない.本研究は音センサを用いて,悲しい・嬉しい・楽しいという3つの人の感情に対して,植物に同様の感情を持った動きを付加する表現の方法を提案する.



岡村 夏琳,多田 千尋,山田 あゆみ,栗原 渉,串山 久美子(首都大)
accelD : ウェアラブルデバイスを用いた挨拶のジェスチャ認識と人間関係の親密度の測定と応用 (256)
(3B-18) accelD : ウェアラブルデバイスを用いた挨拶のジェスチャ認識と人間関係の親密度の測定と応用

人と対面する際,さまざまなジェスチャをする.我々は,これらのさまざまなジェスチャは対面する人同士の仲の良さや親密度などの関係性を示すと考えた.そこで,ウェアラブルデバイスによってジェスチャ認識を行い親密度を測ることで,その親密度に比例したコミュニケーションを促すシステム, accelDを提案する. accelDはウェアラブルデバイスとスマートフォンのみから構成するシステムである.


藤井 悠太,渡邊 恵太(明治大)
ダンスにおけるアイソレーション練習支援システム (155)
(3B-19) ダンスにおけるアイソレーション練習支援システム

ダンスにおいて,体の一部のみを動かす「アイソレーション」という動作がある.この動作は多くのダンスジャンルの基礎になるため重要である.しかし初級者などの知識が乏しい者が,鏡を見ながら練習しても,「アイソレーション」が上手に出来ているのかの判断が難しい.本研究では,ダンス初級者が一人でも利用可能な,「アイソレーション」の練習支援システムを提案する.練習者は,軸となる箇所(例:胸)にスマートフォンを専用の固定具で固定し,可動させる箇所(例:頭)にスマートウォッチを固定する.この状態でアイソレーション動作を行うことで,両デバイスのモーションセンサ等から,軸のぶれや可動部の動きを計測し,振動等で練習者にフィードバックする.本論文では,提案のコンセプト/実装,及びモーションキャプチャを用いた予備実験について述べる.

土居 将史,塚田 浩二(はこだて未来大)
インタラクティブなデジタル教科書の作成用ツール HyperMind Builder の開発および評価 (135)
(3B-20) インタラクティブなデジタル教科書の作成用ツール HyperMind Builder の開発および評価

教育の情報化に伴い,日本では読書媒体が紙からデジタルへとシフトチェンジしてきている.読書媒体のデジタル化に伴い学習支援コンテンツは静的なものから動画や音声といった動的なものに変化していく流れである.しかし学習効率を高める上で,動画や音声の一方的な提供ではなく,読者の状態を理解し,読書媒体と学習者が相互にインタラクトしていくことが重要である.本研究では,今後のICT教育の発展に伴い,一般化されていくデジタル教科書が読者と相互にインタラクションできるような教科書を作成するためのGUIツール:HyperMind Builderを開発した.これにより教育の専門家が学習者の読書による学習効果の高めるためのデジタル教科書の作成が可能になり,今後の教育分野の発展に繋がると考える.

渡邉 洸(奈良先端大),石丸 翔也(DFKI),荒川 豊(奈良先端大)
浮遊型風船を用いた音楽演奏タンジブルユーザインタフェース (259)
(3B-21) 浮遊型風船を用いた音楽演奏タンジブルユーザインタフェース

本研究では、空中に浮かんでいるヘリウムガス風船を触り、移動させることで音楽情報を入出力となるタンジブルユーザインタフェースを提案する。具体的には、ガス風船の浮揚性を利用し、鑑賞者が風船を下に叩く入力動作により、風船の重力に反する自由な動きを通じてアニマシーを感じると共に、この不規則な動きに応じた音を奏でることが体感できるタンジブルユーザインタフェースを提案する。


李 林嬡,串山 久美子(首都大)
温度錯覚を用いたVRコンテンツの検討 (206)
(3B-22★) 温度錯覚を用いたVRコンテンツの検討

温度感覚は干渉されやすく,空間分解能が低い特徴がある.それ故,他の皮膚感覚に比べて,Thermal Grill Illusion(TGI)やThermal Referral(TR)といった錯覚現象が多く発見されている.これらの錯覚は温冷覚提示の困難させる原因となる場合もあるが,TGIは安全な温度で灼熱のような温度まで提示や,TRは他の接触している物体に温度を感じさせることも可能である.そこで,本研究ではこれら温度錯覚の特徴を足湯のVRコンテンツに活用するため,温度刺激を足裏に提示することで,足に接触している水の温度がどのように変化するかを確認した.

橋口 哲志,髙尾 篤史,中村 悠大,三津川 貴登,南 沙也花(龍谷大)
発話が空間コンテキストに埋め込まれることによる体験共有方法の検証 (241)
(3B-23★) 発話が空間コンテキストに埋め込まれることによる体験共有方法の検証

本稿では,発話が空間コンテキストに埋め込まれることにより,体験共有を促進する方法について述べる.日常生活の中で,我々人間は他人との会話や独り言といった発話を常に行っている.その中には記録される発話もあれば,その場限りの発話も存在する.そこで本研究では,人間が行う発話に着目し,それをHoloLensを使用して空間コンテキストに埋め込んで音声として記録する.それを,空間コンテキストに従って他人に提示することで感動や気づき,知識などを共有する方法を提案する.おわりに,実際に本方法を用いて,空間コンテキストに発話を埋め込んで得られた知見や課題について示す.

藤倉 稜,角 康之(はこだて未来大)
導電繊維を用いた手形状および把持物体認識可能なデータグローブ (230)
(3B-24) 導電繊維を用いた手形状および把持物体認識可能なデータグローブ

導電繊維編み込み手袋をセンサとして用いることにより,安価/軽量/柔らかい/洗濯可能/壊れにくいデータグローブを開発した.本データグローブは指の曲げ,指の開きならびに指の接触といった手形状と,把持物体を同時に認識できる.従来のデータグローブと異なり,導電繊維を手形状や把持物体認識のためのセンサとして用いているため,普通の手袋と同等の軽量性および柔軟性を持つ.


高田 崚介(筑波大),門本 淳一郎(東大),志築 文太郎(筑波大)
MRと筋電位センサを組み合わせた筋力トレーニング効果のリアルタイムセルフモニタリングシステム (274)
(3B-25) MRと筋電位センサを組み合わせた筋力トレーニング効果のリアルタイムセルフモニタリングシステム

本稿ではMRHMDであるHololensを用いて筋力トレーニングのビジュアルフィードバック行うことを提案する.筋力トレーニングのフィードバックを行う研究や製品が既存では様々登場しているが,第三者の助けを得ずに筋力トレーニングのリアルタイムフィードバックを行うことは難しかった.本提案システムは,トレーニングを行う初心者の人がみずから容易に装着でき,安全に筋力トレーニングのリアルタイムフィードバックを行うことで,筋出力が向上する可能性をしめした.また,トレーニングの種目に応じて大きく結果が変わることが判明した.

大塚 勇人,西垣 一馬,酒井 元気,岩井 将行(東京電機大)
仮想現実空間における振動スピーカを内蔵した靴型デバイスによる足底への擬似圧覚提示 (117)
(3B-26) 仮想現実空間における振動スピーカを内蔵した靴型デバイスによる足底への擬似圧覚提示

VR・MR環境で手に生じる体性感覚を表現する手段として,クロスモーダル刺激と呼ばれる複数の感覚刺激が相互に作用することによって誘発される錯覚刺激が注目されており,様々な方法で検討されている.その結果,聴覚刺激が付加されたVR・MR環境下で触る・引っ張るという運動を行うと,手にクロスモーダル刺激が生じることが明らかにされた.しかし,歩く・走る・跳ぶといった重要な身体運動に深く結びつく足部の体性感覚を誘発するクロスモーダル刺激については十分に検討されていない.特に聴覚刺激の付加によって足からクロスモーダル刺激が生じる可能性については未だ精査されておらず,先行研究では限られた現実空間でいかに歩行感覚を提示するか,という点を調べるに留まっている.本研究では,歩行音の変化により生じる体性感覚について調査することを目的として,VR環境における歩行運動に歩行音を提示するシステムを開発した.本システムでは,VRHMDと靴型デバイスを着用し,VR空間を歩行することにより,歩行時に感じられる体性感覚を比較評価することが可能である.

小栗 令央(早大),中島 武三志(東京工芸大),菅野 由弘(早大)
共有机のメタファを用いた作業領域の制限による作業プロセス中での相互のリソースの表出化・活用支援システム (226)
(3B-27) 共有机のメタファを用いた作業領域の制限による作業プロセス中での相互のリソースの表出化・活用支援システム

創造的作業において,個人は他者との関わりを通じて成果物の質を高めていく.本研究の大きな目標は,個人の作業途中の制作物の表出化し,集団内で相互に共有することで,個人の創造作業の質を向上する環境を構築することである.具体的には,研究室でのプレゼンテーション資料の作成をケースとし,共通机のメタファを用いて個人の作業領域を制限することで,個人の作成中のスライドを部分的に表出化,共有し,活用を促すシステムを開発した.予備実験を行った結果,複数の被験者から,他者のスライドが閲覧され,スライドの構成や資料に必要な項目といった点について参考になったことを示す意見が得られた.

高島 健太郎,生田 泰章,西本 一志(北陸先端大)
深層学習を用いた入力音声に適した顔表情生成 (086)
(3B-28★) 深層学習を用いた入力音声に適した顔表情生成

近年,VRで利用する高品質な三次元CGキャラクタに対する需要が高まっている.その中で,表情を提示する顔のアニメーションは,コンテンツのリアリティを高めるうえで重要である.現在,表情アニメーションの生成手法は,カメラを用いた手法が一般的であるが,カメラのキャプチャ範囲に制限があることや,顔の向きによっては人間の表情を取得できないなど,カメラの設置環境に依存する問題がある.そこで,音声情報のみによる表情アニメーションを生成するシステムが有用であると考えた.本研究は,LSTM-RNNを用いた先行研究を参考に,音声から顔表情を生成し,それをコミュニケーションに利用可能なシステムにすることを目標とする.音声の解析に人間の聴覚感度を考慮したA特性手法を用いることで,先行研究よりも表情の精度が向上することを定量的に確認した.

西村 亮佑(阪大),酒田 信親(奈良先端大),冨永 登夢(阪大),土方 嘉徳(関西学院大),原田 研介(阪大),清川 清(奈良先端大)
モデルファイル入力に基づく3Dモデルジェネレータ生成システム (257)
(3B-29★) モデルファイル入力に基づく3Dモデルジェネレータ生成システム

本稿で実現したことは,3Dモデル制作者がそれ以上の新しい知識や技能なしに,パラメトリック3Dモデル(エンドユーザがパラメータ操作によってカスタマイズ可能な3Dモデル)を作れるようにする仕組みである.提案システムはGUIをもたないソフトウェアであり,そこに2つの3Dモデルファイル(STL形式)をドラッグ&ドロップすると,3Dモデルジェネレータなる実行ファイルを出力するものとなっている.書き出された3Dモデルジェネレータを受け取ったエンドユーザは,それを起動するだけで,3Dモデリングソフトを用いることなくスライダ操作のみで2つの3Dモデルの任意の中間体を得て,3Dファイルとして書き出すことができる.

木崎 駿也,宮下 芳明(明治大)
Wedge: AR空間におけるWebアプリケーション実行環境の開発とその応用 (246)
(3B-30) Wedge: AR空間におけるWebアプリケーション実行環境の開発とその応用

現実空間の状況に応じて情報を付加し,対応した情報を提示するAR(Augmented Reality)が注目されている.ARアプリケーション開発における課題として,AR空間内で利用するオブジェクトの作成と配置の困難さが挙げられる.本研究では,ARアプリケーション開発を支援するためのシステムであるWedgeシステムを開発した.Wedgeシステムは,(1)AR空間内でWebアプリケーションを実行可能,(2)現実空間に対応した簡便なオブジェクトの配置が可能,(3)AR空間内における多人数でのオブジェクトの共有が可能の3つの特長を持つ.本システムにより,Webアプリケーション開発者がARオブジェクトを開発可能になる.さらに特筆すべき点として,画像マーカーを用いることでオブジェクトの配置を容易にし,かつ閲覧時は画像マーカーを用いずに多人数とのオブジェクトの共有が可能な点である.本稿では,Wedgeシステムの実装および応用例を示す.

伊藤 栄俊,岩田 知,高田 智紀,大囿 忠親,新谷 虎松(名工大)
郷土食情報伝達ツール「もちインフォ」の試作と考察 (276)
(3B-31) 郷土食情報伝達ツール「もちインフォ」の試作と考察

郷土食は,古くから地域の伝統的な産物を活用している食べ物である.各地の郷土食をよく知る事は,地域の理解や知見につながる.当研究では,2018年秋から「郷土食へのユーザの興味を喚起するためには,視覚刺激や触覚刺激を伴う対話的な説明が寄与する」という仮説のもと,対話的説明を支援する食情報伝達ツールを試作し,上記仮説を検証する被験者実験を行っている.今回は作成したツールの有効性について実験と考察を行った.

河村 郁江(名工大)
足裏への音圧刺激による雪上歩行感の表現 さっぽろ雪まつりアーカイブ (271)
(3B-32) 足裏への音圧刺激による雪上歩行感の表現 さっぽろ雪まつりアーカイブ

さっぽろ雪まつりのデジタルアーカイブの臨場感を創出するため,聴覚,触覚表現を取り入れ,視覚的との相乗効果を高める研究を行なった.雪まつりのコンテンツのひとつである雪上歩行をサウンド刺激で表現し,蹠へ知覚させることで,VR空間での臨場感を創出する事ができた.



山口 唯,松永 康佑(札幌市立大)
Cubesizer: 直感的な音色操作を可能にする3Dユーザーインタフェースの提案 (203)
(3B-33) Cubesizer: 直感的な音色操作を可能にする3Dユーザーインタフェースの提案

本研究では,煩雑さを伴った音楽要素の制作を音楽知識の少ない人が直感的に行えるようなUIを考察し,プロトタイプを制作した.音楽インタフェースCubesizerは立方体というシンプルな形状が徐々に変化していくものであり,音の複雑化に伴って概形や光の変化も楽しむことができる.視覚的な要素も伴い,パフォーマンスやインテリアなど,様々なシーンでの応用が可能になることを目指している.


山田 敦紀,阿部 千晴,亀井 壱弥,栗原 渉,串山 久美子(首都大)
物体とのインタラクション時に体の硬さを自在に変えられるVTuberアバター (266)
(3B-34★) 物体とのインタラクション時に体の硬さを自在に変えられるVTuberアバター

今日,モーションキャプチャデバイスの登場によりVTuberなどの演者のモーションをアバタに適用し配信をする機会が増えている.現状ではアバタに適用されるモーションデータはトラッカの位置,角度からIKを解くことで求めたデータであり,バーチャル物体からの力は考慮されない.そこで本稿では,物理エンジンを用いることでモーションキャプチャデータにしっかりと追従するがバーチャル物体との力学的影響を考慮したインタラクションを可能とする.さらにアバタの動作の幅を広げるためにボールが飛んできた時に身構えるといった体の硬さ(スティフネス)を表現できるようにする.

杉森 健,三武 裕玄,佐藤 裕仁,長谷川 晶一(東工大)
HaptoBOX: 複合現実体験を増強する多感覚型インタフェースの研究 (1) デバイスの試作 (101)
(3B-35★) HaptoBOX: 複合現実体験を増強する多感覚型インタフェースの研究 (1) デバイスの試作

本研究では,複合現実感(Mixed Reality; MR)の体験形式の中でもビデオシースルー型HMD方式によるリアルとバーチャルとの整合性の高い視覚的融合体験を基盤として,多感覚的なリアリティを増強するためのフィジカルなインタフェースデバイスを試作した.MR HMD(Head-Mounted HMD)を装着し,箱状の本デバイスを手に持つと,箱内に仮想物が表示され,その動きに応じて振動や反動とが映像と同期して提示され,多感覚的にリアリティを増強することができる.デバイス内部には,複数のソレノイドと偏心モータによるアクチュエータが組み込まれており,映像と同期して動作制御をおこなう.また,3次元音像定位によって仮想物から音響が発せられていると感じることができる.

木川 貴一郎,大島 登志一(立命館大)
Observing Semantic Human Expression in a Group Meeting by using an Omni-directional Camera (272)
(3B-36) Observing Semantic Human Expression in a Group Meeting by using an Omni-directional Camera

In Japan, according to a survey of a company, average of meeting time per a day is 68.2 minutes. To improve the productivity of a group meeting, we need to know and measure the quality of the meeting. On the other hand, it is hard to record and analyze the conversation because of the reason of compliance. Therefore, we start considering the camera-based group meeting assessment that utilizes Omni-directional camera. We can observe various kind of facial expression and body gestures of attendees through the video. However, there is no standardized definition of human expressions. So, in this paper, we try to define the semantic human expression observed in a group meeting.

Yusuke Soneda,Stirapongsasuti Sopicha,Yutaka Arakawa,Keiichi Yasumoto(NAIST)
音声入力と感情推定情報を活用する対話インタラクション方式:感情適応提示技術の提案と検証 (202)
(3B-37) 音声入力と感情推定情報を活用する対話インタラクション方式:感情適応提示技術の提案と検証

音声入力と感情推定情報を活用する,公共機器の新たな対話インタラクション方式と,それを実現させるための感情適応提示技術を創案し,有効性をユーザー評価実験により検証した.感情適応提示技術とは,機器の情報提示に対するユーザーの表情・しぐさ等の感情の表出をセンシングし,提示した情報がユーザーの意図する内容と近かったかどうかを判定して,遠かった場合は異なる内容の情報を提示する技術である.効果として音声入力の補助や,機器の操作性・親しみ感の向上が期待される.評価実験として,券売機での自力購入へのこだわりのなかった12名の被験者に,感情適応提示機能の有/無とGUI/VUI(音声入出力)の条件を組合せた,従来GUI,感情適応GUI,感情適応VUIの3条件の試作システムを操作させ,行動および心理指標により比較した.その結果,感情適応GUIおよびVUI条件は従来GUI条件よりも操作時間や誤操作回数が有意に少なかった.また,感情適応VUI条件では機器の操作負荷感,機器に対する親しみ感,機器の使用満足感等が他のGUI2条件よりも有意に高かった.すなわち,感情適応提示技術は被験者の機器操作の支援に有効であるが,それがユーザーに体感されたのはVUI条件だけであり,効果がユーザインタフェースの方式(使用モダリティの違い)と相互作用を有することが示唆された.

原 梓織,深澤 伸一,赤津 裕子(沖電気)
MRを用いた現実空間で移動可能な遠隔旅行システム (255)
(3B-38) MRを用いた現実空間で移動可能な遠隔旅行システム

本論文は現実空間を移動しながら複数人での遠隔旅行を可能とするシステムについて述べる.自身を遠隔地に存在しているかのようにする技術としてテレイグジスタンスがある.この技術を利用し遠隔地旅行を行う研究が行われている.これらの研究の多くはディスプレイ表示や完全没入型VRを利用している.しかしこれらの手法ではディスプレイの前にいなければならないことや,VRを利用している時に周辺の状況がわからないことから自由な移動ができない.またディスプレイの操作やVRシステムの利用は複数人で行うことができない.これらの問題を解決するために透過型MRヘッドマウントディスプレイを用いてユーザが指定した旅行コース上の風景と現実の風景を重畳し,旅行コースの道路部分と現実の道路以外の部分を切り抜き,さらに自分以外のユーザをアバターとして表示する手法を提案する.本手法を実装したシステムにより友人と同じ旅行コースを指定することで友人のアバターと共に現実で移動しながら遠隔旅行することが可能になる.ユーザのアバターはヘッドマウントディスプレイの位置と同期しており,ユーザが移動を行うとアバターも同様に移動を行う.旅行コース上の風景表示は全天球パノラマ画像を用いてユーザ周囲の風景に重畳する.その際に視野確保のため道路部分を切り取る.これにより現実の道路を視認可能になり他者との衝突などの危険を抑制し現実空間での移動を可能にする.

畑中 衛,濱川 礼(中京大)
finDrawers:収納物を検索可能な引き出しの基礎検討 (130)
(3B-39) finDrawers:収納物を検索可能な引き出しの基礎検討

収納家具は我々の生活に溢れるモノを片付ける手段として有効である.しかしユーザがモノの収納場所を忘れてしまい,必要なときに大事なモノが見つからないという問題がある.この問題を解決するために,我々は,モノの収納場所を記憶して検索可能にする引き出しシステムを提案する.これは,ユーザが引き出しにモノを収納するだけで,システムが自動的に収納物の情報・収納位置をインデクシングし,ユーザのクエリに基づいて収納位置を特定できるものである.本稿では,提案コンセプト,および,このプロトタイプシステムに関する基礎検討結果を報告する.

鈴木 颯馬,立花 巧樹,大和 佑輝,呉 健朗,富永 詩音,宮田 章裕(日大)
VR空間での音声認識を利用した2変数関数描画システムVVPlotの開発とその評価 (081)
(3B-40) VR空間での音声認識を利用した2変数関数描画システムVVPlotの開発とその評価

一般に多変数関数の概形は,その数式を見ただけで理解できるものではない.専用の数式処理ソフト等を用いれば2変数関数のグラフを描画できるが,これらのソフトは有料であったり独自の書き方を学ぶ必要がある.そこで,近年普及しつつあるヴァーチャルリアリティ機器と音声認識を用いて,数学が苦手な人でも直感的な理解を促す2変数関数のグラフを描画するシステム``VVPlot"を作成した.本システムは授業の理解を深めたり,数学が苦手な人に興味を持ってもらうきっかけとなることを目指して作成している.本稿ではVVPlotの概要を説明すると共に,ユーザによる評価について述べる.

新井 崇之,大西 建輔(東海大学)
脈拍数などの身体情報によって恐怖演出が変化するホラーゲームの基盤開発 (075)
(3B-41) 脈拍数などの身体情報によって恐怖演出が変化するホラーゲームの基盤開発

本論文は,脈拍数を身体情報として用い,ユーザの恐怖感情を測定し,その測定値に応じて恐怖演出を変更するホラーゲームを開発したものである.ユーザの脈拍数をリアルタイムで測定し,それをプレイ前に測定された平均値と比較することによって,ゲーム内の演出が変化する.また,本システムでは,恐怖感情を高めるというものであり,直接的な恐怖表現自体は実装していない.本システムは,各種コンテンツを作成するための基盤として位置づけ,開発を行った.結果,本システムでは,以前の開発よりもユーザの心拍数を増加させ,恐怖を感じていない人に恐怖を抱かせることが可能であった.

吉川 宏樹,松塲 匠,小林 菜摘,川合 康央(文教大)
N-best候補選択と自動形態素分割に基づくスマートウォッチ向け音声入力修正インターフェース (088)
(3B-42) N-best候補選択と自動形態素分割に基づくスマートウォッチ向け音声入力修正インターフェース

スマートウォッチにおけるテキスト入力は音声認識により短時間に多くの文字入力が可能となるが,細かい修正の必要は常に生じる.本研究では,音声認識で得られるN-best候補と認識結果の自動形態素分割それぞれの特徴を活かした効率的な修正インターフェースを提案する.N-best候補選択は認識結果の上位候補に正解がある場合に修正処理を大幅に簡略化し,認識結果の自動形態素分割は修正箇所への素早いアクセスを可能にする.ソフトウェアキーボード入力のみ,音声入力とソフトウェアキーボードを切り替え可能なIMEとの比較評価を実験協力者10名を集めて行った.その結果,提案するインターフェースは入力修正を含めた操作時間が最も短く,使いやすさの主観評価値は最も高く,心理的負荷は最も小さいことが確認された.

戸羽 遼太郎,加藤 恒夫,山本 誠一(同志社大)
景観イメージが経時的に移ろい行く歴史的文化景観シミュレーションシステムの開発 (084)
(3B-43) 景観イメージが経時的に移ろい行く歴史的文化景観シミュレーションシステムの開発

本研究では,地域の歴史的文化継承のため,過去の実在した一般的な街路景観をゲームエンジンによって再現する景観のシミュレーションシステムを開発したものである.対象地区を旧東海道の宿場町である藤澤宿として,浮世絵や古文書,古地図などを参照し,システムの開発を行ったものである.本稿では,前開発の公開を受けて得られたユーザからのフィードバックの反映とともに,ゲームエンジンを用いることで可能となる特有の表現として,昼夜などの時間帯,春夏秋冬などの季節の再現,晴天,曇天,雨天などの天候表現について,変更可能なシステムを開発した.

川合 康央,吉田 周生,小林 夏美,遠坂 彩香(文教大)
うごリング:遊ぶとパフォーマンスしてしまう玩具 (092)
(3B-44) うごリング:遊ぶとパフォーマンスしてしまう玩具

「うごリング」は加速度センサーの値に応じて音色が変化するガジェットを,身体の様々な部分につけて遊ぶ玩具である.「観察・発見」「ガジェットを体験者も周りの人も楽しめる」「意図しない身体動作」の3つをテーマとして制作した.使用者は自分の身体にうごリングを複数身につけ,体を動かしながら音の変化を観察する.観察しながら体を動かすうちに自分が意図しないポーズをとっていたり,普段おこなわないような身体の動きをしたりする.制作から展示,それによって得た結果までを記す.

鈴木 毬甫,鈴木 宣也,赤羽 亨(IAMAS)
Tap Messenger:タップのみでコミュニケーションを行うシステムの提案 (019)
(3B-45) Tap Messenger:タップのみでコミュニケーションを行うシステムの提案

健常者や障がい者は,文字や発話,点字や手話などの手段を利用し,他者とコミュニケーションを行っている.しかし,ユーザが利用するコミュニケーション方法が,障がいの有無や種類によって相手が理解できない場合,介護者の仲介無しにコミュニケーションを行うことが困難であるという問題がある.この問題を解決するために,我々は,指でタッチスクリーンをタップするという最低限の身体動作だけで日常生活に必要なコミュニケーションを行えるシステムTap Messengerを提案する.このシステムでは,伝えたいメッセージを構成する各文字をひらがなで表現した場合の画数に合わせてスクリーンをタップするだけで,メッセージを文字と音で相手に伝えることが可能である.これにより,障がいの有無や種類を問わず,様々なユーザ間で介護者の仲介無しに共通の方法でコミュニケーションを行うことができるようになる.提案方式のプロトタイプシステムと既存システムを用いた比較実験を行った結果,提案方式の方が少ない学習で習熟できるということが確認できた.

小林 舞子,小林 優維,呉 健朗,大和 佑輝,宮田 章裕(日大)
発話課題における対話ロボットの傾聴機能の影響評価 (142)
(3B-46★) 発話課題における対話ロボットの傾聴機能の影響評価

ヒトと対話ロボットが継続的にコミュニケーションをとるためには,対話ロボットに傾聴機能を持たせ,ヒトの自発的発話を促すことが重要である.そこで本稿では,ヒト同士のコミュニケーションの傾聴行為である表情模倣,共同注意,相槌の機能を実装した対話ロボットを開発し,高齢者による評価実験を行った.その結果,傾聴機能の有無によって被験者の発話量に違いは見られなかった.しかし,傾聴機能有り条件で発話量が増加した被験者に着目したところ,笑顔時間,笑顔度,対話ロボットによる笑顔模倣回数が増加しており,表情模倣の有効性を確認できた.今後,本実験結果を踏まえ,発話量と笑顔指標の関係を考慮して傾聴機能を改善する予定である.

朝 康博,沼田 崇志,伴 真秀,築地新 建太,的場 浩介,大石 諸兄(日立製作所),佐藤 大樹(芝浦工大)
ポインティング・デバイスの操作感覚に影響を与えることを目的とした音響フィードバック (103)
(3B-47★) ポインティング・デバイスの操作感覚に影響を与えることを目的とした音響フィードバック

人間は環境から得られるフィードバックをもとに動作を認識する特性を備えている.この認知特性を背景に拡張現実の分野では,デジタル・フィードバックを用いた感覚の拡張手法の研究が行われている.音響フィードバックを用いた研究においては,音響パラメーターの変化によって体性感覚や空間認識における印象の変容に関する事例が報告されている.これらの事例をもとに,操作印象の拡張を目的とした動的な多変数の音響パラメーターの操作が可能なシステムを用いたフィードバック手法の提案を行う.

高野 衛,須田 拓也,安藤 大地,馬場 哲晃,串山 久美子(首都大)
日本人の表情特性に応じた感情認知を行うキャラクターエージェント (076)
(3B-48) 日本人の表情特性に応じた感情認知を行うキャラクターエージェント

近年,コミュニケーションの相手が人間以外に広がりつつある.人間同士のコミュニケーションには言葉や身振り,手振り,そして表情などの非言語情報が大きく関わっている.しかし,人間と機械がコミュニケーションを取るのと,人間同士のコミュニケーションを取るのでは自然さが十分ではない.そこで本研究は,表情に応じて異なる反応を返すエージェントを作成し,人間の表情特性に応じて感情の認知を行い,感情を考慮した自然対話の実現を目指したキャラクターエージェントの開発を行った.

大野 つばさ,小林 夏美,川合 康央(文教大)
発言機会を均等にする議論訓練システムにおける提示手法 (261)
(3B-49) 発言機会を均等にする議論訓練システムにおける提示手法

本研究では,協調的議論における発言状況の可視化を行い,学習者にリアルタイムで提示するシステムを提案する.我々はこれまでに学習者に議論状況を提示することで,議論に影響を及ぼすか調査を行ってきた.その結果,議論に参加する学習者が発言状況を可視化した図を見ることで,議論における立ち振る舞いを変化させることがわかった.しかし,参加者全員の発言状況を可視化する手法は,学習者がシステムによって評価されていると感じさせて,一部の学習者に不快感を与えることが明らかになった.これに対して,本研究では議論への影響を及ぼしつつ,学習者に不快感を与えにくい議論状況の可視化手法を提案する.LEDライトとスピーカーを組み合わせた議論状況を可視化するデバイスを作成し,影響を検討する実験を行った.その結果,作成したデバイスが先行研究で発生した不快感を与えにくいと考えられることがわかった.

岡澤 大志,石川 誠彬,江木 啓訓(電通大)
聴感特性を考慮した音声分離手法の聞き取りやすさ評価 (275)
(3B-50) 聴感特性を考慮した音声分離手法の聞き取りやすさ評価

本研究はインターレースオーディオによるアナウンス音声分離を提案している.音声を櫛形フィルターに通す本手法は音声分離可能であるが周波数情報の欠落した音声になる.周波数情報が欠落しても聞き取り可能なように人の聴覚特性を考慮した設計を行うため,フィルターの設計とフィルター音声のノイズ耐性について調べた.結果として低周波数成分の音声のノイズ耐性が高く高周波成分の音声のノイズ耐性が低い傾向にあると言えた.そのためフィルタ設計の際は低い周波数成分が多く含まれるよう設計が必要である.また周波数成分の偏りにかかわらず数字の書き取りの正解率がほぼ100%になるには-9 dBから-12 dB程度のSN比が必要であった.このSN比は一般的なイヤホンやヘッドホンで得られるSN比よりも十分に低いものであるため,システムで生成される音声が十分に聞き取りやすい音であったと言える.

藤田 佑樹,中村 美惠子(東京藝術大)
授業において発言を促進する音環境生成システム (243)
(3B-51) 授業において発言を促進する音環境生成システム

学習意欲の向上には,学習者同士での活発な発言が重要である.しかし,教室内が静かなため,学習者が発言しづらい場面がある.これに対して,我々は会話雑音の再生により発言を促す音環境を維持するシステムを提案している.本研究では,理工系大学の1年生を対象としたプログラミング演習の授業においてシステムを運用し,実際に会話雑音の再生と停止を行った.会話雑音の再生と停止の制御は,我々が事前に行った調査に基づいて設定した条件をもとに行った.システムの運用から,会話雑音の再生と停止の回数や再生時間などの結果が得られた.しかし,設定した条件について,再生と停止の制御を行うための判定区間が短かったため,システムが再生と停止を交互に繰り返してしまうなどの問題点が見られた.これを解消するために,会話雑音再生の条件を約1秒に1度閾値の判定を行い,約10秒間で閾値を超えた回数が6回以上の場合に修正した.システムの運用で既に得られたデータを対象として,修正後の条件の妥当性を評価した.

関根 凜,鈴木 華保,江木 啓訓(電通大)
Voice UIによる効果的な避難情報伝達の実現にむけて (044)
(3B-52★) Voice UIによる効果的な避難情報伝達の実現にむけて

スマートフォンの音声アシスタント,家庭用スマートスピーカーなど,Voice UIによるインタラクティブな情報サービスが人々の生活に急速に普及しつつあるが,行政が発信する避難情報については,未だにテキスト情報または読み上げ音声による一斉伝達が主流である.避難情報の伝達については,これまでその文面や用語の改善などを中心に議論が行われてきたが,その一方で一斉伝達という手段そのものが実際の避難行動につながりにくいとの指摘も出てきている.そのような指摘に対し,受け手に対する情報のパーソナライズ,呼びかける音声の音響的特徴による効果,人間関係に基づく説得的対話の有効性など,新たな知見も徐々に蓄積されつつある.本稿ではVoice UIによる効果的な避難情報伝達を実現するための論点を整理したうえで,音響的特徴が避難情報伝達に与える効果について予備実験を行い,その結果について考察する.最後に,これらの知見を踏まえて,将来的に実現されるべきVoice UIによる対話型避難情報伝達の可能性についても検討を行う.

香川 隆典,神場 知成(東洋大)
アニメの主題歌による類似アニメ検索の検討 (149)
(3B-53) アニメの主題歌による類似アニメ検索の検討

本論文では,アニメ主題歌を用いて類似アニメを検索する手法を提案する.通常,アニメには主題歌が設定されているが,アニメの主題歌にはアニメ作品の雰囲気やテーマに沿った曲調の楽曲が採用されている傾向がある.そのため,アニメ主題歌間の類似度を測ることで,アニメ間の類似度も測ることができると考えられる.本研究では,類似楽曲検索法を用いてアニメ主題歌間の類似度を測り,同時にアニメ作品の雰囲気やテーマを表すと考えられるジャンルの一致を調査する.アニメ主題歌間の類似度を測る際に主題歌から得られる情報として,音響特徴量であるメル周波数ケプストラム係数や歌詞を特徴量とすることで,6割程度のジャンルの正解率を得ることができた.一方で,アニメ作品にはその内容を簡易的な文章で表したあらすじが設けられている.あらすじはアニメの内容を文章で直接表現しているため,類似アニメを検索する際に有用な特徴量であると考えられる.そこで,word2vecによる文章間類似度算出法を用いてあらすじ間の類似度を測った結果,8割程度のジャンルの正解率であった.

本間 直人,植村 あい子,北原 鉄朗(日大)
ユーザの感情の種類と原因を考慮した対話エージェントの応答モデルの開発 (062)
(3B-54) ユーザの感情の種類と原因を考慮した対話エージェントの応答モデルの開発

近年の人工知能(AI)に関する技術の発展に伴い,新たな価値を持つサービスやシステムの提案が期待されている.AIを活用し快適で豊かな生活を送るためには,AIのインタフェースとして,ユーザの感情に合わせて適切に応答し,ポジティブな気分を誘起することで,ユーザと信頼関係を構築できる対話エージェントが有用となる.本研究では,特定の感情とその原因を示すエピソードを呈示し,その際の対話エージェントの応答による主観的気分を評価することで,感情の種類と原因による最適な応答を抽出した.その結果,ユーザが喜び,悲しみまたは驚きを感じた場合は,原因に関係なく感情表現の模倣が最適であった.一方,ユーザ自身や対話エージェントに向けて怒りを感じた場合は,感情表現の模倣ではなく,悲しみの感情表現が最適であった.これらの結果から,感情の種類と原因を考慮して応答する対話エージェントを開発することで,よりユーザのポジティブ気分を誘起し得ることが分かった.

沼田 崇志,朝 康博(日立製作所),北垣 友博(日立製作所/東大),橋本 剛明,唐沢 かおり(東大)
携帯端末型指さし呼称自動評価システムの試作 (200)
(3B-55) 携帯端末型指さし呼称自動評価システムの試作

指さし呼称による確認動作は医療の現場にも取り入れられつつあるが,その実施の徹底には講習だけではなく訓練が必要となる.我々は以前この訓練の支援を目的としてリアルタイムで指さし呼称の客観的な評価を得ることのできる指さし呼称簡易評価システムの開発を試作し,試用実験を行った.今回,その際得たユーザの意見を基に機器構成を見直し,充電管理や無線接続に関する問題の解消と可搬性の向上を行った携帯端末型指さし呼称簡易評価システムを試作した.

白井 智啓,浦島 智,鳥山 朋二(富山県立大)
高齢者の積極的見守りシステムの研究 (068)
(3B-56) 高齢者の積極的見守りシステムの研究

高齢者の自立度推定にはその関節可動域測定をベースにする方法があり,現在それは介護士等により,角度計を用いて行われている.これに伴う介護士負担を軽減するために著者らは高齢者が自ら積極的に関節可動域測定を行うためのシステムを作成した.本稿では本システムを用いてどの程度高齢者が積極性に本システムを使用するかについて評価した結果について述べる.


土屋  樹,鳥山 朋二,浦島 智(富山県立大)
sCrATch!:物理的な触覚を付与する猫じゃらし (263)
(3C-60) sCrATch!:物理的な触覚を付与する猫じゃらし

ぺットと共に過ごすことは人々に癒しを与えることから,多くの人々が古来からぺットと共に生活してきた.一方で,その生活環境は「人が快適に生活できること」が前提で設計されている場合が多い.本研究では,我々が先行研究として開発した「CATch!」及び「CATouch!」の試用結果を基に,その課題を整理し,猫に物理的な触覚を付与できる猫じゃらしのプロトタイプとしてsCrATch!を開発した.sCrATch!は猫が爪を引っかけて遊ぶことができるインタラクティブ猫じゃらしである.予備実験として実際の猫にsCrATchを試用したところ,CGアニメーションに好反応をみせた.また,既存の爪とぎタワーを猫じゃらしとして利用することで,遊び始めの警戒心を軽減し,爪とぎで遊ぶ習慣を身につけさせる効果や室内飼いの猫の問題行動として頻繁に挙げられる壁や家具での爪とぎを防ぐ効果も期待できる.

佐々木 梨菜,鈴木 優(宮城大)
Scanimate Projection: 現実環境への映像貼付を用いたインタラクティブ・プロジェクションマッピング (236)
(3C-61) Scanimate Projection: 現実環境への映像貼付を用いたインタラクティブ・プロジェクションマッピング

現実環境の物体に対してプロジェクタを用いて映像を投影し,外観を変化させるプロジェクションマッピングと呼ばれる技術が存在する.しかし,ユーザの体験は映像を受動的に鑑賞することや,既に投影された映像を部分的に変化させる内容に留まる.本研究では,ユーザが小型のコントローラから任意の映像を自ら投影し,現実環境に設置した大型のプロジェクタから投影することで映像が貼付していくインタラクティブ・プロジェクションマッピングを用いて,よりユーザとの相互作用を持つ没入間の高い表現を実現する.また,スキャニメーションの技法を用いることで,投影した映像と現実環境の図柄が融合し,現実環境の実物体が動いているように錯覚する錯視コンテンツを実現する.

赤星 俊平,松下 光範(関西大)
Porton: 光沢のある水平面上に直立空中像を表示する持ち運び可能な光学系の設計 (064)
(3D-63★) Porton: 光沢のある水平面上に直立空中像を表示する持ち運び可能な光学系の設計

本稿では,持ち運び可能で光沢のある水平面に置くだけで設置可能な空中像を表示する光学系Portonを提案する.従来の空中像光学系を用いて床などの既存の水平面上に設置する場合,水平面より下に光源を設置するために加工する必要があった.そこで,鏡を用いることで水平面の加工を不要にした.しかし,鏡を設置すると空中像よりも高輝度の像が水平面の中に表示されてしまう.そこで,使用する光源の種類ごとに空中像の下に表示される像を除去する方法も合わせて提案する.提案システムにより表示した空中像と地中像の輝度を比較し,その効果を確認した.さらにシステムを展示して観察を行った.

佐野 文香(電通大),小泉 直也(電通大/JST さきがけ)
Vプロ:VR空間での接客を可能にする遠隔接客システム (087)
(3D-64) Vプロ:VR空間での接客を可能にする遠隔接客システム

オンラインショッピングが普及する一方で,実店舗での接客体験を通じたファッションに関する知識や文化,社会性,環境問題などを知る機会が注目されてきている.本稿では,あらためて実店舗で行われてきたプロによる接客の意義に注目し,オムニチャネル時代の新しい接客体験として,VRを活用した遠隔接客システム(「Vプロ」)を提案する.本システムは,従来の実店舗での接客が抱える地理的制約,物理的制約,心理的障壁といった3つの課題の解決し,現代社会が直面している労働リソースの減少や働き方改革への応用も期待できることがわかった.

秋山 真範(会津大),牟田 将史,落合 裕美(楽天),藤井 靖史(会津大),益子 宗(楽天)
Kinectを使用した空間呈示型オルゴール"Relgo"の提案 (252)
(3D-65) Kinectを使用した空間呈示型オルゴール"Relgo"の提案

近年,人の動きや物体検知などの空間情報に作用するシステムも多く見られるようになった.しかし,空間を楽器として扱い,既存の楽器を新しく空間に落とし込み,その楽器の魅力と空間を利用する利点を組み合わせた楽器は少ない.本論文は,kinectを使用した空間認識技術を用いて,空間内の人の動きや物の配置情報にリアルタイムで作用し,音として反映させ,空間と人,画像と音楽を同時に体感できる空間提示型オルゴールのシステムRelgoについて述べる.

加藤 泰生,尾崎 晴信,細川 愛美,栗原 渉,串山 久美子(首都大)