日常生活時におけるHMDの揺れを考慮したフォントの可読性・可視性に関する実機評価 (063)
(2P-71★) 日常生活時におけるHMDの揺れを考慮したフォントの可読性・可視性に関する実機評価

頭部装着型ディスプレイ(HMD: Head Mounted Display)を用いることで,ユーザは常時視覚情報を得ることができる.しかし,例えば,歩行時や階段昇降時ではHMDが上下に揺れて提示される文字情報が読みづらくなるなど,HMD上の情報を取得するのが困難な場合がある.そこで,本研究では文字のデザインであるフォントに着目し,HMD上での情報提示に適したフォントを調査する.本稿では,可読性(文章の読みやすさ)と可視性(文字の判別のしやすさ)の2つの観点から,まず歩行時におけるHMDの揺れを考慮したフォントを調査する.

松浦 裕久(神戸大),寺田 努(神戸大/JST),青木 友裕,園田 晋(モリサワ),磯山 直也,塚本 昌彦(神戸大)
超広角プロジェクタの天井照明としての利用の検討 (089)
(2P-72) 超広角プロジェクタの天井照明としての利用の検討

カメラと連動させたプロジェクタを天井照明として用いることにより,日常空間を明るく照らす従来の照明としての機能だけでなく,画像処理によって部屋の状況に応じたプロジェクションマッピングを可能にする新しい照明装置が実現できる.本研究では,1台のプロジェクタ照明で部屋全体を自由に照らすことが可能な超広角レンズやカメラを搭載した超広角プロジェクタを用いるが,プロジェクタ光のみではシーリングライトとしては不十分である.そこで,これにLED照明を内蔵させた超広角プロジェクタ照明を提案する.そして,本提案のプロジェクタ照明を実装する際のデザインの指針について議論し,そのアプリケーション案を提案する.

山根 大輝,山本 亮太(電通大),坂主 真純,田中 桂太(武蔵野美大),佐藤 俊樹(東工大)
スマートオブジェクトのためのデザインスペース (109)
(2P-73) スマートオブジェクトのためのデザインスペース

これまで,スマートオブジェクトおよびアンビエントメディアを使ったサービスやシステムは数多く議論されてきた.しかし,これらは広く社会に浸透しているとは言い難い.本論文では,より様々なコンテキストでスマートオブジェクトやアンビエントメディアが活用できるためのアンビエントメディアを中心としたスマートオブジェクトを使ったサービスのデザイン手法に関して議論を進める.我々は,既存のスマートオブジェクトを活用した26のサービスを分析することで,スマートオブジェクトを使ったサービスのためのデザインスペースを構築する.

具島 航太,木下 祐紀子,中島 達夫(早大)
定点カメラ映像を用いた風景の地域資源化の提案とその素材化に関する検討 (111)
(2P-74) 定点カメラ映像を用いた風景の地域資源化の提案とその素材化に関する検討

筆者らは,風景の色変化を記録・予測・活用することにより,一般には未だ資源化していない風景を地域資源化することができると考えている.本稿では,定点カメラによる風景の地域資源化の概要を示した後,特にその活用面での実践である定点カメラ映像の素材化の試みとその活用について報告する.



定國 伸吾(静岡理工科大),岡川 卓詩(広島国際学院大),松田 崇,水野 信也(静岡理工科大)
MOFa: 食べた物と身体状態の記録を利用した音声による自分専用食事提案システム (116)
(2P-75) MOFa: 食べた物と身体状態の記録を利用した音声による自分専用食事提案システム

対面の会話において何かを決定する際に,会話の主導権を握る人が現れず,決定に時間がかかることや,他者に決断を委ねてしまうことで全員が納得する結論を出せずに終わってしまう問題が生じる.そこで,自分の履歴に基づくレコメンドを,対面でのコミュニケーションを阻害しない形で参照するシステムを開発することで,その問題を解決する.本研究では,どのような食物を食べるかを複数人で話し合って決める状況を想定し,ユーザの会話中にユーザ自身の客観的・身体的データに基づくレコメンドをリアルタイムにさりげなく音声で読み上げるシステムMOFa(My Own Facilitator)を提案する.このシステムでは,客観的なデータとしてユーザが食べた食事名と,その食事をとった際の体調の具合と空腹であったか満腹であったかの二種の身体状態情報を合わせて記録する.その身体状態情報に基づく食事提案情報を,イヤホンを通して会話中に提示する.

松尾 歩実,谷口 恵一朗,橋田 朋子(早大)
文章読解時の視線計測に基づく英語力の判定 (120)
(2P-76) 文章読解時の視線計測に基づく英語力の判定

本研究では,難易度の異なる英文を読む際の眼球運動を計測することにより,文章の難易度が被験者の眼球運動に与える影響を調べた.また,難易度の異なる英文を提示する場合の,順序による視線動向への影響についても検証を行った.計測した視線データを視線停留と読解速度について分析し評価した.実験の結果,英文提示におけるいずれのパターンについても概ね同様の視線動向が計測されたことから,英文の順序効果を考慮する必要はないのではないかと考えられる.また,読書速度については,被験者の英語能力および読書傾向と相関があると考えられる.

下田 明,土田 泰子,外山 茂浩,竹部 啓輔,村上 祐貴(長岡工業高専)
リダイレクト・ネスト手法:バーチャル環境に固定された視覚的オブジェクトを用いたVRリダイレクション手法 (123)
(2P-77) リダイレクト・ネスト手法:バーチャル環境に固定された視覚的オブジェクトを用いたVRリダイレクション手法

家庭でも気軽にVRを用いたコンテンツを体験できるようになってきた一方で,視覚情報と身体感覚との差異により引き起こされるVR酔いがコンテンツ普及の壁になっている.VR空間と同等な広さの体験スペースを家庭で用意することは難しい.回転角度を修正することで実際より広いスペースを体験できる手法が提案されている.本研究では,狭い体験スペースを往復する際に行う回転において,VRシーンをユーザーの回転に固定し,ワールド座標にワイヤーフレーム球を表示することで,回転時における身体感覚との差異がなくなるだろうという仮定の下に,新しいリダイレクション手法を開発した.

落合 拓朗,植田 裕貴,藤田 智(筑波大),益子 宗(筑波大/楽天),星野 准一(筑波大)
心拍センサを用いた過食防止システムの フィードバック手法の検討 (195)
(2P-78) 心拍センサを用いた過食防止システムの フィードバック手法の検討

昨今の日本では,食生活を取り巻く環境の変化により過食傾向の若者が増加している.本研究は,スマートフォンで通信可能な心拍センサを用いて,過食時の自律神経系を制御するための過食防止システムを提案する.過食防止のためには,満腹時点でストレスを与えることで、食欲を抑制できると考えた.本システムのために,過食防止を促すためのゲームアプリケーションを試作し,本システムが過食防止に影響があるか検証した.


畠 雅和(青山学院大),Luimula Mika(Turku University of Applied Sciences),Chrisna Ravyse(North West University South Africa),横窪 安奈(青山学院大/お茶の水女子大),ロペズ ギヨーム(青山学院大)
VRにおける仮想的な坂道昇降動作と視覚操作に対するユーザ評価 (233)
(2P-79) VRにおける仮想的な坂道昇降動作と視覚操作に対するユーザ評価

本研究では現実空間において平地を歩いているユーザに対し,ヘッドマウントディスプレイ(HMD)を用いて坂道を表示し,昇降させた際の知覚に関してユーザ評価を行った.広く普及しているHMDの多くは,使用環境としてリビングや実験室といった部屋を想定している.現実--仮想空間における移動量を一対一で対応させている限り,仮想空間での行動範囲は現実のルームスケールに限定される.特に鉛直方向への移動は,実際の階段を上るといった危険を伴う.そのため,HMDの表示方法を制御(以下,視覚操作)しユーザを誘導することで,仮想空間におけるデザインの自由度を拡張する取り組みがなされてきた.しかしながら,人間の知覚が大きく関わることもあり最適な視覚操作はいまだ提案されていない.本研究はケーススタディとして,平地を移動するユーザが仮想的な坂道を昇降する際の知覚をリアリティ・負荷感・高度変化感の3つの側面から調査した.ユーザ評価の結果,仮想空間内での頭部及び足の移動量を変更することで,ユーザの身体へ負荷感を与える傾向があることを確認した.

島村 僚,粥川 青汰,中塚 貴之,宮川 翔貴,森島 繁生(早大)
RESTAIL:人の身体能力と感情表現を拡張する尻尾型デバイス (164)
(2P-80★) RESTAIL:人の身体能力と感情表現を拡張する尻尾型デバイス

近年,人の身体能力や感情表現を拡張し,人の能力を向上させる人間拡張デバイスの研究が盛んであり,表現拡張デバイスとして,動物の尻尾から着想を得た尻尾型デバイスが研究されている.しかし,これらの尻尾型デバイスは身体拡張機能を備えておらず,尻尾の動作と感情表現の繋がりが不透明であった.そこで,著者らは身体能力と感情表現の双方の拡張を行う人間拡張デバイス「RESTAIL」を提案する.身体拡張としては尻尾型デバイスを椅子のように扱う.表現拡張としては装着者の心拍から読み取った感情に適した動作を行う.本稿では,身体と感情の拡張を実現する人間拡張デバイスRESTAILの開発を行い,試作したデバイスを用いて尻尾動作から受ける印象について感性評価実験を行い,尻尾による感情表現の可能性を示す.

三橋 研人,郭 琳,櫻井 豊,下野 純治,鈴木 玄貴,樋本 喬,鳥居 拓馬,謝 浩然(北陸先端大)
床拭き掃除の体験価値を向上させるシステムの開発と評価 (270)
(2P-81) 床拭き掃除の体験価値を向上させるシステムの開発と評価

家庭内での床拭き掃除に対し,音と振動によって直感的に拭きもれを提示できないかと考えた.さらに,ゲーミフィケーションの考え方を適用して楽しくすることで,モチベーションの維持を図る.そこで,実時間でワイパーの位置を計測し,聴覚・触覚などマルチモーダルなフィードバックが出来るシステムを開発した.評価実験の結果,システム内のワイパーの位置が実際の位置と大きくずれていた.一方で,このシステムを使用することで床拭き掃除が楽しくなったという結果が得られた.

真壁 亮太(芝浦工大/産総研),伊藤 弘大,丸山 翼,宮田 なつき,多田 充徳(産総研),大倉 典子(芝浦工大)
聴覚刺激によるMR環境下での擬似触覚の強化 (148)
(2P-82) 聴覚刺激によるMR環境下での擬似触覚の強化

VR・MR環境において,触覚提示デバイスを装着せず視覚刺激による錯覚を用いて触覚を提示する手法が注目されている.この錯覚は擬似触覚(Pseudo-Haptics)と呼ばれ,触覚提示デバイスに比べて簡便に触覚を提示できることが示されている.一方,擬似触覚による手法は得られる感覚の大きさに限界があることも報告されている.本研究では擬似触覚を強化するため,触力覚を受容する体験において共起性の高いモダリティの一つである聴覚刺激に着目した.聴覚刺激の付加による擬似触覚の大きさについて検証するため,仮想の立方体を左右の手のひらで転がす動作に,接触音を付加することによる擬似触覚の変化を評価する実験を行った.その結果,本実験の動作においては接触音を付加することで知覚される擬似触覚の値が大きくなることが示された.

植井 康介(早大),中島 武三志(東京工芸大),菅野 由弘(早大)
AHP・ハフモデルを用いた動的観光案内の実践 (178)
(2P-83) AHP・ハフモデルを用いた動的観光案内の実践

本研究は,個人の嗜好に応じた観光情報を提供するための新しい観光推薦システムを提案し,その効果を測るものである.推薦の指標としてAHPによる重みづけを用いる手法をもとに,ハフモデルを併用することで,現地での動的な興味の変化に対応することを図った.実験では従来手法であるAHPによる重みづけを用いた推薦の手法と,提案手法であるAHPとハフモデルを組み合わせた推薦の手法それぞれについてアンケートによる調査を行い,それぞれがどの程度利用者の関心に近い提案を実現できているかを比較した.その結果,提案手法は従来手法に比べてより利用者の嗜好に近い提案ができることが確認された.

横山 翔栄,木村 健一(はこだて未来大)
博物館におけるテレプレゼンスロボットのデザインに基づいた遠隔訪問システムの開発 (191)
(2P-84) 博物館におけるテレプレゼンスロボットのデザインに基づいた遠隔訪問システムの開発

テレプレゼンスロボットの普及によって様々な施設への導入が予想される中,先行研究においては博物館でのユーザ利用の際にロボットがどうデザインされるべきかについても調査されている.我々はこのようなデザイン調査を基に,テレプレゼンスロボットを利用した博物館の遠隔閲覧システム及びインタフェースを開発した.本稿では開発したシステムの詳細について示す.


老田 葵,松村 耕平,野間 春生(立命館大)
光るアクセサリーのための身に着ける無線給電システムの提案 (222)
(2P-85) 光るアクセサリーのための身に着ける無線給電システムの提案

古くから金やプラチナ,ダイヤモンド等があしらわれたアクセサリーは着用者を引き立ててきた.多くのアクセサリーはカット・研磨されることで周囲の光を様々な方向に反射させて輝くようになっているが,近年では,LED等の発光素子を内蔵して発光する「光るアクセサリー」も存在し,着用者の動きに合わせて輝く等の新しい表現が可能になってきた.しかし,光るアクセサリーには発光素子に加え,バッテリ等を搭載する必要があり,従来のアクセサリと比較してサイズが大型化しやすく,またデザインも制限される問題があった.そこで本稿では,この問題を解決する手法として無線給電技術に着目し,小型化可能な「光るアクセサリー」と,これらに無線給電が可能な新しい「服」型給電システムのビジョンを提案する.

福本 有季子,加藤 敬太(電通大),松本 彩奈,田中 桂太(武蔵野美大),佐藤 俊樹(東工大)
Android端末を利用した復興過程記録のための復興ウォッチャーアプリ (277)
(2P-86) Android端末を利用した復興過程記録のための復興ウォッチャーアプリ

近年,自然災害が頻繁に発生している.災害は各地に甚大な被害を及ぼし,復興にも長期間を要している.本研究では,被災地における長期間の復興過程を静止画で記録し,人々が復興について理解するために,私たちの身近にあるスマートフォンを利用したシステムを提案する.本稿では,復興ウォッチャーアプリの設計及び実装,運用実験計画,今後の課題について報告する.


柏倉 真琴,佐藤 玲奈,太田 優美,松崎 良美,松岡 淳子,村山 優子(津田塾大)