触覚ポスター:プリンタブルな大型静電触覚ディスプレイの提案 (301)
(3A01★) 触覚ポスター:プリンタブルな大型静電触覚ディスプレイの提案

本研究では,従来の研究より大型化が容易で,安価に作成でき,曲げて使用することのできる静電触覚ディスプレイを開発した.本ディスプレイでは紙をベースとし,その上に銀ナノインクを印刷することによって紙を電極として使用する.さらに,電極の上に直接インクジェットインクを印刷することによって,触覚を提示することのできるポスターとしての活用を行うことができる.ディスプレイを大型化することによる電圧降下の影響,およびインクジェットインクの印刷が触感に与える影響について調査し,本ディスプレイの大型触覚ポスターとしての活用の可能性を確認した.

島津 京平(筑波大),橋本 悠希(筑波大/JSTさきがけ)
タンジブルな花軸・剣山デバイスを用いたAR生け花支援システムの提案と試作 (156)
(3A02) タンジブルな花軸・剣山デバイスを用いたAR生け花支援システムの提案と試作

スマートフォンもしくはタブレットPCに安価で無電源の光学マーカを組み合わせて,拡張現実内での生け花支援を実現するAR生け花支援システムを開発した.本システムのために,伸縮操作で光学マーカが変化する花軸デバイスと,タッチ入力面を利用した剣山デバイスを試作した.さらに,これを利用して直感的な生け花体験が可能となるアプリケーションを実装した.


横窪 安奈(お茶の水女子大/青山学院大),椎尾 一郎(お茶の水女子大)
身体的社会的対話経験の収集と共有のためのクラウド型VRプラットフォームSIGVerse (223)
(3A03) 身体的社会的対話経験の収集と共有のためのクラウド型VRプラットフォームSIGVerse

知能ロボットが環境内で適切に自律行動を行うために,膨大な量の行動を行いながらその経験に基づた機械学習を活用する研究が多くなされてきている.しかしながらロボットが人間からスキルを学んだり,人間と協働してタスクを実行する場合,膨大な量の人間との行動履歴を収集することが困難となる.そこで,人間がVRデバイスでクラウド上の仮想環境に設置された実験フィールドにログインし,アバターを経由してロボットと対話を行うことのできるインタラクションシステムを提案する.このシステムにより,被験者は場所・時間を問わず実験に参加することが可能となり,研究者は全世界を対象として被験者実験を展開することが可能となる.本論文ではそのシステムの構成,および応用事例について概説する.

稲邑 哲也(NII/総研大),水地 良明(NII)
ココココラージュ: 顔画像とポーズ画像共有による集合写真生成の検討と試作 (213)
(3A04) ココココラージュ: 顔画像とポーズ画像共有による集合写真生成の検討と試作

集合写真の撮影時において,被撮影者は集合写真全体を俯瞰してみることができず,全体のバランスや一人一人の表情,ポーズについてどのようにしたら良いか迷うことがある.また,誰かが目をつぶってしまう事もあり,参加者全員が納得のいく集合写真を撮ることは難しい.そこで,本研究では,Webブラウザ上で参加者同士が顔画像とポーズ画像を共有することで集合写真を生成するシステム「ココココラージュ」を提案する.参加者それぞれが,背景画像がセットされたキャンバス上に顔画像をアップロードし,ポーズの選択を行うことで集合写真を作成する.このシステムにより,集合写真全体を俯瞰してみながら,リアルタイムに修正を加えられるようになり,全員が納得のいく集合写真を作成しやすくなる.

長嶋 麻里奈,渡邊 恵太(明治大)
他者の観察行動を可視化するARインタフェース (304)
(3A05) 他者の観察行動を可視化するARインタフェース

日常生活の中で他者の観察行動からモノの見方についての気付きを得る事がしばしばある.本研究ではモノの見方についての自発的な発見を促すことを目的とし,他者の観察行動をAR(Augmented Reality)の技法によって実空間上で可視化する手法を提案する.提案手法では可視化の対象となる人物の視点の位置・方向および視点画像を記録した後,記録された観察行動をARデバイスにより同一空間上に重畳表示する.これにより,過去にその人物が何をどのように見ていたがわかるようになる.また同一のアングルで観察することでそれを追体験することもできる.

岩永 真斗,橋本 直(明治大)
少人数教室を想定した没入型授業動画システムの提案 (070)
(3A06) 少人数教室を想定した没入型授業動画システムの提案

講義をビデオで録画した映像を配信し,遠隔地にいても好きな講師の授業を受講できるサービスが普及しつつある.しかし,これらのシステムは,講師と生徒同士で,授業と並行して質問や議論をその場で行うことができないため,講師側では通常の授業と比べ事前準備の負担が大きく,生徒側では授業に対する緊張感が持続することができず,学習へのモチベーション持続が困難になるといった問題がある.そこで,本研究ではオンライン授業での問題を解決するための没入型授業動画システムの提案する.また,視聴者と同じ生徒として授業に参加している人物を授業動画システムの映像に映すことで,視聴者の学習に対するモチベーションの持続が保たれると著者らは予測する.これらから,授業動画を撮影する際に,複数名の生徒に活発に参加してもらい360度カメラで撮影を行う.しかし,360度カメラで撮影した映像をそのまま視聴するだけでは,スライドを映したデバイスの映像を認識することが困難である.そこで,没入型授業動画システムでは,動画の上からスライドを画像にしたものを貼り付けたことで,その問題点を解決した.

田澤 美智子,福地 健太郎(明治大)
文脈を考慮してボケるエージェントの基礎検討 (110)
(3A07) 文脈を考慮してボケるエージェントの基礎検討

対話型エージェントは,我々の日常生活に広く普及してきており,今後も多くのユーザが利用すると考えられる.一方で,エージェントとの無機質な対話に親しみを感じないユーザは,このような対話型エージェントを受け入れられないという問題が懸念される.この問題を解決するために我々は,ユーザの発言の一部をわざと間違えて聞き返す,ボケて返す対話型エージェントを提案してきた.しかし,従来手法では,ボケる際に単語しか考慮されていないため,文章全体で見たときにユーモア性が損なわれる可能性がある.そこで我々は,エージェントがボケる際に,ユーザが入力した文の文脈を考慮することで,よりエージェントとの対話にユーモアを生み出せると考えた.本稿では,エージェントが文脈を考慮したボケを行うことで,文章全体で見たときのユーモア性を向上させることを目指す.

長岡 大二,中原 涼太,小林 舞子,鈴木 奨,呉 健朗,宮田 章裕(日大)
人狼プレイヤの皮膚電気活動の解析:情動変化を利用したソシオメータの実現へ向けて (102)
(3A08) 人狼プレイヤの皮膚電気活動の解析:情動変化を利用したソシオメータの実現へ向けて

本研究では,人同士のコミュニケーションの中でどのような情動の変化が起こるかを観察するために精神的ストレスや感情の指標として用いられている皮膚電気活動から,人狼ゲームプレイヤの情動状態を解析した.その結果,プレイヤの役職や各陣営の情勢によって,ゲーム中の皮膚電気活動に異なる傾向が見られた.本稿では,解析の結果を示した後,人狼ゲーム中の情動変化と行動特性の関係性の考察とソシオメータへの適用可能性について検討する.

御手洗 彰,水丸 和樹,本田 健悟(北大),棟方 渚(京都産業大),坂本 大介,小野 哲雄(北大)
タッチパネルを拡張する紙製インタフェースを搭載したインタラクティブパッケージの開発 (133)
(3A09★) タッチパネルを拡張する紙製インタフェースを搭載したインタラクティブパッケージの開発

本研究ではタッチパネルを拡張する紙製インタフェースを搭載したインタラクティブパッケージの開発を行う.既存研究ExtensionSticker技術を用いることで,外部からのタッチ操作を可能とするインタラクティブなパッケージを実現する.今回,化粧品の販売に使用するパッケージへの適用を想定し「インタラクティブな鏡台パッケージ」,「透過スクリーンを用いたネイルアートプレビューパッケージ」の2種類を開発した.これらは一般的な化粧品を梱包するためのパッケージとして使用することができ,スマートフォンと組み合わせることでユーザは,パッケージを活用したアプリケーションによるメイク支援システムを使用することができる.これにより,物理的にスマートフォンを触れない状況下だけでなく,化粧品によって手が汚れてしまい画面を直接触りたくない,手がふさがっていて操作が難しい状況においても,パッケージ上でのタッチ入力によって端末を汚すことなく操作することが可能となった.

加藤 邦拓(明治大/日本学術振興会),薄羽 大樹,鳥山 らいか,竹内 まゆ,野崎 玲那,細谷 美月,宮下 芳明(明治大)
MR Code Weaver: 投影型ミクストリアリティによるタンジブルなプログラミング学習ツール (068)
(3A10) MR Code Weaver: 投影型ミクストリアリティによるタンジブルなプログラミング学習ツール

本研究では,小学生以下の子どもがプログラミングを始める際の最初の足がかりとなるプログラミング学習ツールを検討する.このツールは,物理的な形状を持ったパーツを直接手で組み合わせることでプログラミングを行うことができるタンジブルな(触れられる)ユーザインタフェースをもつ.これにより,一般的なプログラミング言語における学習の入門段階で障壁となる,キーボードを介した文字入力や,使用するプログラミング言語における厳密な構文規則の要求,複数人での共同的な学習の難しさなどの問題の解決を試みる.

坂本 恋,大島 登志一(立命館大)
PTAMを用いたAR落書きシステム (058)
(3A11) PTAMを用いたAR落書きシステム

近年,コンピュータグラフィックスで生成した仮想物体を現実の環境に重畳して表示する拡張現実感(Augmented Reality,AR)の研究が盛んになっている.一方,世界中の観光名所には訪問した人が残した落書きがある.ローマの観光名所であるコロッセオでは,落書きをした観光客に罰金の支払いが命じられた例があり,法律に反しても落書きを行う人がいる.そこで初めて訪れるような場所で周囲を気にせずに落書きをするシステムを提案する.本研究では,頭部にHMDと単眼カメラを装着したユーザが指を用いて建築物の壁などの平面上に文字や絵を仮想的に描画することで,周囲を気にせずに落書きができるウェアラブルなシステムを作成する.

箭野 裕己,河野 恭之(関西学院大)
身体知獲得を目的とした足裏にかかる圧力のリアルタイム可視化によるフォーム矯正の提案 (238)
(3A12) 身体知獲得を目的とした足裏にかかる圧力のリアルタイム可視化によるフォーム矯正の提案

本研究では,ヒトの歩走行時に足裏にかかる圧力分布の変化をリアルタイムで可視化するシステムを構築し,これを利用して走行トレーニングの改善方法に関する提案を行う.近年,ランニングフォームの最適化や安定性を向上させるための運動が注目されている.しかし時間的,経済的な負担から多くの場合は日常生活のトレーニングにおいて常にコーチが訓練者を指導する事は困難である.そこで本システムでは5つの圧力センサーを靴のインソールに取り付け,圧力を測定し,歩幅と接地順序を可視化した情報を歩走行中にフィードバックする.また,疲労時と平常時の圧力も測定し,システムを用いることで足への負担が軽減できるかを検証する.評価は測定した圧力値から算出した接地時間,歩幅の分散値を算出する.実験ではフィードバックを用いることで歩幅,接地時間の分散値が減少する傾向が見られた.

田宮 大暉(青山学院大),長谷川 大(東京工科大),佐久田 博司(青山学院大)
物理的な発音媒体を用いた情報の可聴化システム (126)
(3A13) 物理的な発音媒体を用いた情報の可聴化システム

音を用いた情報伝達は広く用いられている.情報を音のパラメータにマッピングして提示する手法としてソニフィケーションがあるが,その多くは情報をコンピュータ上で音響信号に変換し,スピーカから出力するものであるため,音の発生源となる物体が存在せず,音の実体感を感じにくい.本研究では可聴化に物理的な物の振動による音を用いることでより実体のある音を感じることができると考え,発音媒体を用いた可聴化手法として,2つのアプローチを用いたサウンドインスタレーション作品の制作・展示を行った.本稿では作品に用いた可聴化システムの設計および実装について述べ,さらに今後の開発に向けての課題を考察する.

宮下 恵太,中原 貴文,串山 久美子(首都大)
3Dプリンタを用いた弾力調整可能なコイルスプリングジョイント機構の提案 (272)
(3A14★) 3Dプリンタを用いた弾力調整可能なコイルスプリングジョイント機構の提案

本研究では,弾力を調整可能なコイルスプリングジョイントを提案する.径/全長/ピッチ等のパラメータをプログラム上で調整し3Dプリンタで出力することで,弾力や強度の異なるスプリングを作成するシステムを試作した.さらに,専用の連結ジョイントを用いることで,スプリングを辺とした立体構造物を作成できる.本稿では,これらの試作と作例を紹介し,応用として導電性フィラメントで出力したスプリングを使った押し込みセンサの試作について述べる.

新山 大翔,沖 真帆,塚田 浩二(はこだて未来大)
新生児蘇生シミュレーションに用いる聴診器装着型心音再生モジュールの提案 (184)
(3A15) 新生児蘇生シミュレーションに用いる聴診器装着型心音再生モジュールの提案

本研究では,新生児蘇生講習において安価に導入できる聴診器装着型心音再生モジュールを提案する.正期産児のうち約15%は呼吸循環機能のための何らかの処置を必要としており,分娩時にスタッフ全員がその蘇生法を習得していることが望まれる.この蘇生法を学ぶ講習会では新生児の形だけを模した簡易なシミュレータが広く用いられており,受講生は自分の聴診によって心拍音を聞くことはできないため,講師が口頭で心拍数を直接伝えるなどの方法が取られている.本稿では,講習会におけるニーズを踏まえ,現状で用いられている簡易シミュレータであっても聴診したときに心音を得られる仕組みを,聴診器のチェストピースに取り付けるだけで実現するモジュールを設計し,試作結果を報告する.

村田 賢弥,西本 騰,松村 耕平(立命館大),足立 隆弘(ATR),野間 春生(立命館大),岩永 甲午郎,黒田 知宏(京大)
川での生物との触れ合いをVR体験できるシステム IZILLA (197)
(3A16) 川での生物との触れ合いをVR体験できるシステム IZILLA

本論文では,川に住む生物との触れ合いを,VRデバイスを用いて仮想的に体験できるシステム「IZILLA」について述べる.川には豊富な生物が住んでおり,それを採取・観察することは生物多様性などを理解する上で有用な手段である.しかし,多様な生物との触れ合いができる,自然豊かな川は身近に少ない.そこで我々は,水質が良く豊富な生物がいる,岐阜県山県市の伊自良川へ赴いて生物と触れ合い,そこでの素晴らしい学びや体験を仮想環境内に再現したシステム「IZILLA」を開発した.IZILLAは,室内で使用可能な頭部装着ディスプレイとタモ網などから構成されるVRデバイスを用いる.そのため,実際の川にいるような感覚で,自ら手を動かしながら生物との触れ合いを体験できる.さらに,水中を覗ける機能といったVRだからこそ可能な表現を活用することで,生物教育の補助と拡張を行う.

桑原 宏輔,村井 良行,畑中 衛,濱川 礼(中京大)
スマートウォッチの傾きと筋電情報の組み合わせによるポインティング手法 (136)
(3B17★) スマートウォッチの傾きと筋電情報の組み合わせによるポインティング手法

スマートウォッチ上のポインティング手法として,スマートウォッチのチルト操作を利用し,その操作量の決定に筋電情報を用いる手法を提案する.本手法においては,ユーザはポインタの操作を行うために,まず動かしたい方向に腕を傾ける.従来手法ではこの時点でポインタ操作が可能であったが,本手法においてはこの移動のために筋電情報を用いる.例えば,スマートウォッチを傾けた後,ぐっと腕に力を入れるなどしてポインタ操作が可能となる.評価実験を行なった結果,提案手法は小さなターゲットを93%以上の精度で選択可能であり,従来のチルト操作と比べて操作性が有意に改善されていることが確認された.また,ターゲットが小さくなるにつれて精度が落ちることで知られるFat Finger Problemに対して,本手法においてはその精度低下が確認されなかった.

黒澤 紘生,坂本 大介,小野 哲雄(北大)
グラビトンハンド:モーメント変化を用いた装着型の重量感変化提示デバイス (155)
(3B18★) グラビトンハンド:モーメント変化を用いた装着型の重量感変化提示デバイス

本研究は体験者に擬似的な重量感の変化を知覚させる装着型デバイス「グラビトンハンド」を提案する.グラビントンハンドはデバイスの重りの位置を変位させることにより,前腕を振る際のモーメントを変化させることで重量感の変化の提示するデバイスである.本デバイスを用いて,VRコンテンツの課題の一つである視覚的な重量感の知覚と,実際の重量感の知覚の不一致の解消を目指す.本稿では,モーメント変化を与えるための本デバイスの設計,及び実際の応用環境を想定して行ったデバイスの性能検証実験の結果について述べる.

田中 貴士,片寄 晴弘(関西学院大)
ネオンサインデザインのための支援システム (146)
(3B19) ネオンサインデザインのための支援システム

本稿では,ネオンサインを対象に初心者がデザインするための支援システムを提案する.ネオンサインは外壁の広告やイルミネーションなどに使われており,手軽に手に入るようになってきた.しかし,通常は職人がほぼ手作業でデザインをしており,何度もやり直しがきかない作業である.そこで初心者でも手軽にデザイン可能にするため,コンピュータ内でデザインを試行錯誤したあとで実際に配置を行うことのできる支援システムを提案する.実際の制作の際には,3次元プリンタで出力したモデルを用いて支援することも行った.

内海 一希,五十嵐 悠紀(明治大)
ラグビー映像解析システムの開発とその応用 (104)
(3B20) ラグビー映像解析システムの開発とその応用

近年,スポーツ界ではICTを活用したトレーニングや戦術分析の導入が進んでおり,画像認識技術を用いた試みも行われている.筆者らは,選手の数が多く,密集や接触プレーが多いため画像による解析が困難であったラグビーを対象に,これまで人手で手間と時間をかけて行われていたタグ付け作業の省力化を目指した映像解析システムを開発した.本システムにより,一つのカメラ映像のみを入力として,ボールと選手の位置を追跡するとともに,主要なプレーの自動分類を可能にした.本システムで開発した技術は,ラグビーに限らず様々なスポーツへの活用が可能であるだけでなく、防犯カメラを用いた作業分析など産業分野への応用が期待される.

小林 大祐,中洲 俊信,大内 一成(東芝),青木 義満(慶大)
OCR技術を活用した電子回路図からARを利用した三次元水路図への自動変換システムの構築 (306)
(3B21) OCR技術を活用した電子回路図からARを利用した三次元水路図への自動変換システムの構築

本論文ではOCR技術を活用した電子回路図からARを利用した三次元水路図への自動変換システムの構築について述べる.中学生の教育過程における「電流」単元は苦手かつ興味を惹きにくい単元であることが報告されている.中学生の「電流」単元の苦手対策として電気を水に変換する指導方法が存在し,効果がある事が実証されている.そこで筆者らは電子回路図からARを利用した三次元水路図への自動変換システムを作成,効果の実証を行なった.しかし,電子回路図から「電圧値」「抵抗値」「電流値」を読み取ることができず手入力になっており完全な自動化は不可能であった.そこで,本論文では電子回路図から三次元水路図に自動変換する際に必要な電子回路図中の「電圧値」「抵抗値」「電流値」をOCRを利用し取得することで値を入力する煩雑さをも解消するシステムの構築を行なった.また,本システムの有効性を検証する.

安達 拓也,小島 有貴,濱川 礼(中京大)
下駄着用推進を目的とした足部状態可視化システム「Getarable」 (248)
(3B22) 下駄着用推進を目的とした足部状態可視化システム「Getarable」

本論文では,下駄着用推進を目的とした足部状態可視化システムの開発ついて述べる.後天性外反母趾患者と後天性偏平足患者は年々増加傾向にある.それらは下駄を履くことによって予防することができるといわれているが,下駄を履く日本人はほとんどいない.本システムは,片方の下駄に10個ずつ,計20個のセンサを設置しそれらのデータからユーザの足趾力,重心,土踏まずの広さを推定,可視化し,ユーザの足の健康状態をAndroid端末のアプリで確認することや,履き続けるほどスコアが伸びていくゲームで遊ぶことによって,下駄を楽しく履き続けられるようにすることを目的としている.ユーザが下駄を履く意欲向上に本システムが有効かどうか検証し,その結果と考察を述べる.

澤田 広輝,長尾 将旭,岡島 聡大,安達 拓也,濱川 礼(中京大)
SoundPond:音を可視化し直感的に操作できる環境の提案 (267)
(3B23) SoundPond:音を可視化し直感的に操作できる環境の提案

本報告では,音を仮想的にモノ化し直感的に扱える環境SoundPondを提案する.録音した音が形を持ったモノとして可視化され,手で触って操作し,音を思い通りに変化させられるとともに,人,モノ化した音,音以外のモノ,それらが置かれる場,がそれぞれ互いに作用することにより,直感的かつ多彩なインタラクションの実現をめざした.プロトタイプシステムではマルチタッチディスプレイとマイク,スピーカーを用いて,提案インタラクションの基本的な機能を実装した.SoundPondの応用例として,音作り,演奏パフォーマンス,音遊び環境といったものを想定しているほか,多彩なインタラクションによる自由度を活用して利用者の発想によって今までにない音表現や,また音再生に限らない活用法が生み出されることが期待できる.

村田 直紀,外村 佳伸(龍谷大)
rapoptosis:モノの自律的でサステイナブルな再生 -服を用いたプロトタイピング- (179)
(3B24★) rapoptosis:モノの自律的でサステイナブルな再生 -服を用いたプロトタイピング-

筆者らは無尽蔵に生産・消費・廃棄される現代の人工的なモノの在り方に疑問を持っている.これを変える一つのアプローチとしてモノの死の定義やモノの主体と所有の仕組みを更新し,モノが社会の中で自律的かつサステイナブルに再生する在り方を考えた.本研究では,人工的なモノの死のタイミングを,使えなくなった時ではなく使用者との関係の中で潜在的な存在価値がなくなった時と再定義する.その上で,モノが潜在的な存在価値を自ら判断し,使用者と存在価値の再認識を行った後に主体的に去り(積極的な自死: apoptosis),新しく使用者を変えて存続する(再生:renatusu)在り方を筆者らはrapoptosis(renatusu via apoptosis)と名付ける.本稿ではこのrapoptosisをわかりやすく体現するため,洋服を用いたプロトタイピングと調査を行ったので結果を報告する.

SEONG YOUNG AH(東大),橋田 朋子(早大),上岡 玲子(九大)
Tap Messenger:タップのみでコミュニケーションを行うシステムの基礎検討 (119)
(3B25) Tap Messenger:タップのみでコミュニケーションを行うシステムの基礎検討

健常者や障がい者は,文字や発話,点字や手話などの手段を利用し,他者とコミュニケーションを行っている.しかし,ユーザが利用するコミュニケーション方法が,相手の障がいの有無や種類の差によって相手に理解できない方法である場合,介護者の仲介無しにコミュニケーションを行うことが困難であるという問題がある.この問題を解決するために,我々はスマートフォンのタップ機能のみを使い,文字の画数回タップを行うだけで,簡単なコミュニケーションを行うことができるシステムを提案した.これにより,障がいの有無や種類によらず,様々なユーザ間でコミュニケーションを行うことができるようになる.このシステムを実現するための手段として,ひらがなの画数を利用する.まず,定型文を入力する際,ユーザは任意の定型文をひらがなに変換する.そして,定型文の各文字の画数を順番に入力することで,あらかじめ作成しておいたデータとのマッチングが行われ,任意の定型文が出力される.プロトタイプシステムを用いた検証実験を行なった結果,一定の精度でユーザが正しく定型文を入力できることが確認できた.

小林 舞子,呉 健朗,荒木 伊織,大和 佑輝,宮田 章裕(日大)
漸次的に変化する実世界透明ピクセル化フィルタ (076)
(3B26) 漸次的に変化する実世界透明ピクセル化フィルタ

情報世界では,映像等の視覚的対象物の見えの程度(=視覚的顕著性)を変化させるピクセル化という処理が盛んに行われている.しかし,実世界でピクセル化を実現するのは必ずしも容易ではない.本研究では,実世界で対象の視覚的顕著性を変化させ,かつその変化を可逆的に行うことが可能な透明ピクセル化フィルタを提案する.提案手法として,3Dプリンタで制作した透明樹脂のレンズアレイを対象と観察者の間に配置する.これによって,レンズの拡大効果により対象の視覚的顕著性を低下させることができる.レンズアレイの持つレンズの個数やレンズ間のピッチ,または各レンズの曲率半径を任意に設計することで,対象の特徴に合わせて効果的に視覚的顕著性を低下させることを可能とした.また,一部の面にレンズアレイを持った透明樹脂製の筐体を制作し,その中に透明樹脂と同じ屈折率を持つ透明な液体の充填する.この液体の充填率を制御することで,レンズアレイによる視覚的顕著性の変化を可逆的かつ漸次的に行うことを可能とした.

姫野 仁,横田 智大,橋田 朋子(早大)
リアルタイムヘアチェンジシステムの試作とそれを用いた印象変化 (088)
(3B27) リアルタイムヘアチェンジシステムの試作とそれを用いた印象変化

髪型を変えることによって,同一人物でも印象が変化する.しかしながら,話している相手や話題,環境に応じて逐次髪型を変えることは難しい.また,髪の毛は自発的に動かないため,動作による印象が存在しない.このような背景を踏まえ,本研究ではリアルタイムに髪型を変更し印象を変えるためのシステムの実現を目指す.本システムにより,手を使わずに自然に髪型を変化させることで他者からの印象を変え,また髪の動き自体によって新たな印象を与えることができる.

沼田 俊之,登山 元気,橋田 朋子(早大)
Transmimic: ジェスチャを真似て情報を受け取る手法の基礎検討 (118)
(3B28) Transmimic: ジェスチャを真似て情報を受け取る手法の基礎検討

現代における様々なコンテンツの電子化に伴い,我々は,日常的に画像や電子マネーなどの電子情報の受け渡しを行うようになった.我々が電子情報の受け渡しを効率的に行う手法として,QRコード,ICカードなどが挙げられるが,これらの手法はいずれもユーザの使用シーンを考慮していないと考えられるため,``特定の使用シーンには不適切である'',``機械的であり,楽しめない''等の問題が存在する.これらの問題を解決するための具体的な手段として,我々は,送信者が行ったジェスチャを受信者が真似ることで情報を受け取る手法}を提案する.これは,送信者が自らジェスチャを考案し,引き渡したい情報を結びつけた後,送信者が行ったジェスチャを受信者が真似ることで情報を受け取ることができるというコンセプトである.プロトタイプシステムはすべてJavaScriptによるWebアプリケーションとして実装したため,Webブラウザさえあれば各種OS・端末上で本システムが利用できる.

富永 詩音,呉 健朗,篠崎 涼太,多賀 諒平,宮田 章裕(日大)
NekoHigeMask:マスク着用時の会話補助デバイス (214)
(3B29) NekoHigeMask:マスク着用時の会話補助デバイス

マスクを着用した人とコミュニケーションをとる際,口元や頬からの表情の読み取りが難しく,表情の伝達に支障をきたす恐れがある.本研究ではこのような問題を解決するため,NekoHigeMaskを提案する.NekoHigeMaskは人が出した声に反応して,デバイス上のひげが屈曲動作をすることで,マスクで隠された口の動きを代替するアクセサリーデバイスである.


村上 莉沙,野嶋 琢也,大久保 賢(電通大)
方向提示が可能な嗅覚デバイスの開発とその応用 (140)
(3B30) 方向提示が可能な嗅覚デバイスの開発とその応用

五感における嗅覚では方向知覚ができるものの,方向提示を用いた嗅覚のバーチャルリアリティへの応用はされていない.そこで,ユーザが見ている映像に,嗅覚を使った方向提示を加えることで,遠隔地間での感覚の共有や,より精密なバーチャルリアリティの表現ができるのではないかと考えた.本研究では,左と右とから別々ににおいを出すことが可能な嗅覚デバイスを開発した.また,嗅覚デバイスを用いたゲームOdor-Mazeを開発した.

中村 駿也,鈴木 優(宮城大)
アクティブ音響センシングによる日常物体識別と位置推定 (025)
(3B31) アクティブ音響センシングによる日常物体識別と位置推定

実空間内の物体の種類や位置のような情報を取得できると,実生活において様々な支援が可能となる.そこで本研究では,そのような物体情報を取得するため,アクティブ音響センシングを用いた物体情報識別手法を提案し,検討を進めている.本稿では,特にどんな物体がどこに置かれているかという物体識別および位置情報の取得手法を提案し,評価実験を通じて提案手法の有効性を論じる.システムのプロトタイプを実装し,装置上の単一物体に関してその種類と位置をそれぞれ98.2%,85.5%の精度で取得できることを確認した.次に,装置上の複数の物体に関して評価実験したところ,最大93.8%の精度でそれぞれの物体の種類と位置を取得することができた.

岩瀬 大輝,伊藤 雄一,秦 秀彦,山下 真由,尾上 孝雄(阪大)
ユーザの好意を誘起するバーチャルエージェント表現のデザイン支援システム (210)
(3B32) ユーザの好意を誘起するバーチャルエージェント表現のデザイン支援システム

近年,ビッグデータや人工知能技術の発展に伴って,バーチャルエージェントが様々な領域で応用されている.例えばバーチャルエージェントに対する好意を利用し,ユーザに環境配慮行動をとるよう促すなどである.しかし,従来のバーチャルエージェントシステムでは,ユーザが自由にエージェントを設計できないため,エージェントに好意を持でない場合がある.そこで本研究では,ユーザがエージェントの外見と性格を設定でき,エージェントデザイナの負担を最小化するバーチャルエージェント設計支援システムを開発した.

尹 浩,山本 景子(京都工繊大),倉本 到(阪大),辻野 嘉宏(京都工繊大)
描いたイラストのデフォルメ具合を自動で調節するツール (111)
(3B33) 描いたイラストのデフォルメ具合を自動で調節するツール

デフォルメキャラクタは漫画やアニメに応用を利かせて扱われ,需要が高いことが伺える.しかしながら同じデザインのキャラクタをデフォルメする際にも絵を描きなおす必要があり,手間がかかってしまう.なぜならデフォルメキャラクタを描く場合には顔や体のパーツの変形・移動が必要になるからである.そこで本研究では,デフォルメキャラクタの効率的な作成を目的とし,描いたイラストのデフォルメ具合を自動で調節するツールの開発を行った.ツールの開発のために画像の変形を行うパラメータの設定を行った.その結果,4種類のキャラクタの頭身の変形と描き込み具合の変形を行うことができた.

澁谷 美樹,鈴木 優(宮城大)
Ohmic-Extension: 筐体グランドへの接続を利用した静電容量方式タッチサーフェス拡張ウィジェット (066)
(3B34★) Ohmic-Extension: 筐体グランドへの接続を利用した静電容量方式タッチサーフェス拡張ウィジェット

我々は,静電容量方式タッチサーフェスの入力語彙拡張を目的とした簡易取付型のウィジェットを提案する.本ウィジェットは,内蔵の可変抵抗器/センサの抵抗値に応じ連続的な入力を実現する.さらに,ウィジェットの検出には人体の接触を必要としないため,ユーザ個人差やユーザ身体のグランド状況の影響を受けず,安定した入力が可能となる.本論文では,予備調査を行いグランド条件毎の抵抗値の推定精度を確認し,さらに,調査をもとに試作したウィジェットおよびウィジェットを用いた応用例について報告する.

池松 香(お茶の水女子大/日本学術振興会),尾崎 保乃花,椎尾 一郎(お茶の水女子大)
SEN 3:温湿度に関する個人の嗜好情報を自動的に取得する扇子 (061)
(3B35) SEN 3:温湿度に関する個人の嗜好情報を自動的に取得する扇子

ユーザーが暑さを感じた時に扇子を開く行動をトリガーとして,その時点の周囲の温湿度を自動取得し集計することで,ログ取得のための追加行動を必要とすることなくユーザーの嗜好情報を取得することができるセンサー付き扇子SEN 3を提案する.センサーデータはスマートフォンを介してネット上に蓄積される.我々は本デバイスを約1か月間使用し,約70点のデータから不快時温湿度情報を取得した.本デバイスを用いた実証実験は2018年夏季を予定している.

岡村 雅也,野本 裕介(神奈川工科大),大和田 茂(ソニーCSL/神奈川工科大),杉村 博(神奈川工科大)
指先の力触覚を前腕に提示するウェアラブルデバイスの開発 (第2報):温度感覚提示の付与 (215)
(3B36) 指先の力触覚を前腕に提示するウェアラブルデバイスの開発 (第2報):温度感覚提示の付与

VR空間内の物体に対する触覚提示デバイスは,グローブ形状の物や直接指先に装着する物などが存在する.しかしながらこれらのデバイスは,デバイスのサイズの問題や,指先に装着する事でデバイス同士の物理的な干渉の問題が避けられない.そこで,本稿では直接指先や手にデバイスを装着する事無く,本来指先で知覚する触覚と温感を前腕に提示するデバイスを提案する.5節リンク機構とペルチェ素子を用いて,力の強さや方向,振動感覚や温度感覚を前腕に提示するデバイスを設計,試作した.

森山 多覇,西 綾花,櫻木 怜(電通大),中村 拓人(電通大/日本学術振興会),梶本 裕之(電通大)
瞬きする肖像画の試作とさりげない情報提示への展開 (100)
(3B37) 瞬きする肖像画の試作とさりげない情報提示への展開

肖像画に生命感を持たせる技術が近年提案されつつある.しかしその多くは特別な技術を要するため肖像画が本来持っていた紙の特徴である安価に作成・複製・加工ができ,自由な場所に動かしやすいといった点は失われてしまう.そこで本研究では肖像画が紙に描かれているという利点を活かした安価かつシンプルな装置で肖像画の目を動かすことによって生命感を与える仕組みの実現を目指す.また,目を動かすことで肖像画が何かを伝えたがっている様子を表せると考え,その一例として肖像画が瞬きするというさりげない形で表現することで目に見えない情報を伝えるアプリケーションを考案した.最後にその評価実験と結果について報告する.

樺澤 まどか,油井 俊哉,西村 幸泰,橋田 朋子(早大)
対話型エージェントにおけるボケる返答機能の実装 (116)
(3B38) 対話型エージェントにおけるボケる返答機能の実装

現代社会において対話型エージェントは,看護やショッピングなどの生活における様々なシーンへと普及し始めており,今後多くのユーザが利用すると考えられる.しかし,対話型エージェントとの会話は無機質なものになりがちであり,このようなエージェントに親しみを抱けないユーザは少なくないと思われる.この問題を解決するために,エージェントが対話の中でユーモアを交えることで,ユーザはエージェントに対して親しみを持てるのではないかという仮説に基づき,我々は,ユーザの入力に対し,ユーモアのある聞き間違いをして聞き返すボケをするエージェントを提案する.例えばこれは,“学会について教えて?"とエージェントに対して質問をすると,“え,合体?"と,エージェントが“学会"を“合体"と聞き間違いをして,聞き返すというものである.これによって,エージェントが対話の中でユーモアを交えられるようになり,ユーザはエージェントに対して親しみを感じられると考えられる.

呉 健朗,鈴木 奨,瀧田 航平,堀越 和(日大),中辻 真(NTT),宮田 章裕(日大)
絵モーション:1つの絵を描くだけでだれもが容易にさまざまなポーズの絵を描くことを可能にするツール (105)
(3B39★) 絵モーション:1つの絵を描くだけでだれもが容易にさまざまなポーズの絵を描くことを可能にするツール

本研究では,1つの絵からさまざまなポーズを生成することのできるツール「絵モーション」を提案する.キャラクタの絵を描くとき,描くキャラクタが同じ場合であっても,違うポーズを生成するには絵をはじめから描き直す必要がある.近年では,画像データを作成することで違うポーズを生成することのできるソフトウェアが存在する.しかしながら,これらのソフトウェアを使用するにはスキルが必要である.そこで本研究では,だれもが容易にさまざまなポーズの絵を生成することを可能にするツールの開発をする.紙とペンを使用し絵を描き,キャラクタのポーズを人の身体動作から決定することにより,描いた絵のポーズをだれもが容易に生成することができるようになる.

林 凌平,鈴木 優(宮城大)
スマートフォンにおける行為を隠すジェスチャデザインの検討 (208)
(3B40) スマートフォンにおける行為を隠すジェスチャデザインの検討

スマートフォンを公共の場で使用する機会が増え,それに比例して他者から操作する姿を見られる機会も増加した.そのとき他者からスマートフォンの画面を隠していても,第三者にジェスチャで操作しているアプリケーションが特定されてしまう.そこで我々はユーザのプライバシーを守る「行為を隠すジェスチャデザイン」を提案する.本稿では,様々なアプリケーションのジェスチャを分析し,その結果を踏まえて一例としてメモをしているように見えるゲームアプリケーションの作成を試みた.

相澤 裕貴,小松 孝徳,渡邊 恵太(明治大)
AR空間における形状記憶合金アクチュエータを用いた手袋型触覚提示システム (260)
(3B41) AR空間における形状記憶合金アクチュエータを用いた手袋型触覚提示システム

AR技術に糸状形状記憶合金をアクチュエータとして用いた触覚提示を加えることで,ユーザが仮想物体を直接触ることのできるARシステムを提案する.安全で小型という特徴をもつ形状記憶合金ワイヤを用いて,グローブ型触覚ディスプレイを作成し,仮想物体に擬似的な触覚感覚を提示するシステムを構築した.本稿では,これまでに作成したシステムの概要と,評価実験の結果について述べる.


小林 剛史,三輪 貴信,澤田 秀之,橋本 周司(早大)
「KadaPam/カダパン」:旅の思い出を記録する観光ガイドブック生成/印刷システム (233)
(3B42) 「KadaPam/カダパン」:旅の思い出を記録する観光ガイドブック生成/印刷システム

我々は,旅の思い出を記録する観光ガイドブック生成/印刷システム「KadaPam/カダパン」を開発した.カダパンは,画像認識技術を用い,観光ガイドブックの写真を観光者自身が撮影した写真に置き換え,生成したガイドブックをプリンタを用いて印刷するシステムである.本論文では,カダパンについて述べる.



宮川 怜(香川大),國枝 孝之(香川大/リコー),池田 哲也,金矢 光久,山田 哲(リコー),後藤田 中,八重樫 理人(香川大)
ToolShaker: 日用品自体を駆動する情報提示手法の提案 (035)
(3B43) ToolShaker: 日用品自体を駆動する情報提示手法の提案

近年,日常生活における情報提示手法のひとつとして,日用品を活用する取り組みが行われている.これらの研究では,日用品にセンサやアクチュエータなどを組み込み,日用品自体をロボット化/ディスプレイ化することで,日用品の用途/機能に合わせた適切な「情報提示機能」を付加することができる.しかし一方で,サイズ/重量への影響が大きく,特に小型の日用品では使い勝手が悪くなる問題があった.本研究では,食器/工具等の「磁性を持つ日用品」に着目し,日用品自体に手を加えること無く「情報提示機能」を付加できる手法を提案する.具体的には,壁面や机上に収納/設置されたこれらの日用品に対して外部から磁力を加えて,日用品を物理的に「動かす」ことで,様々な情報提示を行うシステム「ToolShaker」を提案する.

道貝 駿斗,沖 真帆,塚田 浩二(はこだて未来大)
食生活の習慣を身につけさせる幼児向け食育支援システム (137)
(3B44) 食生活の習慣を身につけさせる幼児向け食育支援システム

子供の教育を行う際には多くの習慣を教える必要がある.しかしながら,それらの方法を一度だけ幼児に教えるのでは一時的な解決に過ぎず,幼児が自発的に行動するようになるためには何度も方法を教えて習慣を身につけさせる必要がある.本研究では,幼児に健全な食生活を習慣化させるための食育支援システムを開発した.本システムは,キャラクタと共に生活をし愛着を持たせ,食事の際にはキャラクタの表情や言葉から食育の支援を行う.

菅原 佳菜子,鈴木 優(宮城大)
腕を実体化する身体拡張型ビデオ会議による同室感の強化 (217)
(3B45★) 腕を実体化する身体拡張型ビデオ会議による同室感の強化

ビデオ会議は,リモート空間とローカル空間の境界であるディスプレイが,二つの空間を分離させているため,対話相手と同じ空間にいる感覚が低下する.この問題を解決するため,我々はビデオ会議に身体の代替であるロボットアームを組み合わせることで同室感の強化を図る.本研究では,ローカル側にいる自分の腕,及びリモート側にいる相手の腕を2つの空間の境界として,それぞれ異なる身体の実体化の手法を行い,被験者内実験によって比較を行った.結果より,身体の実体化の手法は双方とも従来のビデオ会議に比べ同室感が強化されるが,相手の腕を実体として提示することがより同室感を強化することがわかった.

大西 裕也,小峯 俊彦,中西 英之(阪大)
BubbleSlide:フリック操作の規則性を高めたスマートウォッチ向け日本語かな入力インターフェース (268)
(3B46★) BubbleSlide:フリック操作の規則性を高めたスマートウォッチ向け日本語かな入力インターフェース

スマートウォッチに特化した新たな日本語文字入力方式が確立されれば,日本語を使用するユーザにとってスマートウォッチの利便性はさらに高まるであろう.これまで,我々はスマートウォッチ向けのかな文字入力方式として,すべての文字を1フリックで入力できるBubbleFlickを作成した.BubbleFlickは環状に行の先頭文字を並べたデザインを採り入れることで,文字のキー領域を広げ,誤入力を低減した.8名を対象にした30日間連続評価の結果,文字入力速度は30日目に31.3~49.1[char/min]を示し,誤入力率は30日間を通して実用化されているインターフェースよりも低い値を示した.しかし,使用後のインタビューから,フリックする方向が行の先頭文字毎に異なり,直感的なわかりやすさに欠けるという課題が明らかになった.本稿ではこの課題に対して,スライド操作により直感的に分かりやすい規則性を採り入れたBubbleSlideを提案する.BubbleSlideは画面中心部に向かって指をスライドさせ,ストロークの長さによって文字を決定する.性能評価のために,スマートフォンで一般的なテンキー上のフリック操作にて入力するテンキーフリック式を比較対象とし,20日間の比較評価実験を実施した.その結果,普段スマートフォンでテンキーフリック式を利用していない実験協力者に対して,BubbleSlideはテンキーフリック式よりも1分間に約5文字多く入力でき,誤入力率ではテンキーフリック式の半分程度の10%を示した.

東條 貴希,加藤 恒夫,山本 誠一(同志社大)
イベントデータ可視化のためのグリフ配置手法の開発 (193)
(3B47) イベントデータ可視化のためのグリフ配置手法の開発

イベントの周期性や発生時刻の類似性を表現することは人々の行動分析など様々な目的において有用である.我々は大量のイベントの特徴を空間効率良く表現するための可視化手法を開発した.我々はグリフベースの可視化によりイベントを小面積で表現する.加えてイベントの時間的な特徴と類似性を同時に表現するグリフの配置方法を求める.本論文ではChronoViewと多次元尺度構成法を組み合わせたグリフの配置方法について説明する.

安齋 康宏,三末 和男(筑波大)
LookUp:視線移動情報の特徴と機械学習を用いた読書支援システム (305)
(3B48) LookUp:視線移動情報の特徴と機械学習を用いた読書支援システム

本論文では,視線移動の特徴からユーザの状況を推定し,適切な読書支援を行うシステムについて述べる.既存の視線入力インタフェースはユーザが能動的に視線によるジェスチャを行なうものが一般的である.しかし,これらは他のインタフェースと比べて入力に要する時間が長く,また,視覚による情報収集機能が制限されてしまう.LookUpでは,視認行動のための視線移動から特徴を分析し,ユーザが要求する支援動作を読み取り実行する.ここでは,LookUpを用いた読書支援システムの有効性について述べる.

中園 歩,濱川 礼(中京大)
ソーシャルメディアのための空間性を考慮した動画群の提示手法 (246)
(3B49) ソーシャルメディアのための空間性を考慮した動画群の提示手法

スマートフォンのような,カメラを搭載し常時インターネットに接続可能な携帯端末が普及したことで,ソーシャルメディアにおいて特定の出来事を撮影した複数の動画を視聴できる機会が増えた.そのような動画の性質として,さまざまな位置から撮影されていること,撮影者のユーザ情報と紐付いていることが挙げられる.そこで本研究では,ソーシャルメディアに投稿された動画を対象とし,撮影時のカメラの位置・姿勢や撮影者の情報をバーチャル空間上に三次元表示することで,撮影空間に対する動画や撮影者の関係性を可視化する手法を提案する.提案手法によって,見たいアングルから撮影された動画の選択を容易にすることや,誰がどこから撮影していたのかという情報からユーザが新たな意味情報を見出せるようにすることを目指す.

佐竹 澪,橋本 直(明治大)
TuVe: チューブを用いたディスプレイ (038)
(3B50) TuVe: チューブを用いたディスプレイ

タブレットやスマートフォンのような,入力面と出力面が一致したインタフェースであるインタラクティブサーフェスは,指などを用いた直感的な情報の操作を可能とする反面,その表面形状は平面である場合が多く,二次元に沿った形でしか情報を提示できない.そこで本研究では,様々な表面形状に適用可能なフレキシブルなディスプレイとして,チューブディスプレイを提案する.チューブディスプレイは,チューブによってディスプレイを構成し,チューブ内の流体によって情報を提示するシステムである.表示筐体にチューブを用いることで様々な形状に適用可能なフレキシブルなディスプレイが実現可能である.本稿では,チューブディスプレイの実現に必要な要素に関して議論し,システムの構成と制御手法を検討した.またその機能を評価するために,提案システムによってピクセルの大きさと位置を制御する実験を行った.結果として,指定した位置へ指定した大きさのピクセルをほぼ誤差なく移動させることができ,提案システムによってディスプレイを実現できる可能性が示された.

井上 佑貴,伊藤 雄一,尾上 孝雄(阪大)
Mihabilly:感情を考慮したリハビリテーション時の声かけロボット (175)
(3B51★) Mihabilly:感情を考慮したリハビリテーション時の声かけロボット

介護現場での人手不足を補うものとしてロボットが期待されている.しかし,現状のロボットは,癒しなどの効果などは実現できても,人の気持ちに合わせた声かけなどは困難である.本研究では,生体情報から取得する情報をもとに,感情を推定し,その推定された気持ちに合わせて声かけを行う声がけロボットMihabillyを提案する.Mihabillyは相手の気持ちを見守り,それに合わせた声かけを行うことで,リハビリテーション時の意欲向上を目指す.本セッションでは,Mihabillyの設計と実装および,予備実験の結果について述べる.

伊藤 哲平,菅谷 みどり(芝浦工大)
壁材見本の展示を目的とする遭遇型VRシステムの提案 (109)
(3B52) 壁材見本の展示を目的とする遭遇型VRシステムの提案

近年,VR体験を利用した商品や製作物のショールームが増えてきている.しかし現在のVRショールームにおいてはものの材質感提示を行う仕組みはまだ導入されていない.本研究は材質感が重要になる要素の一つである壁材をVR上で展示することを目的とし,遭遇型の触覚提示によって材質感提示を切り替える手法を提案する.本稿では手法の提案に加え,システムにおいて必要な触覚装置の設計と,それに伴う予備実験について報告する.

山口 瞬,塩野入 央空(電通大),中村 拓人(電通大/日本学術振興会),梶本 裕之(電通大)
Handromeda: 電車内における痴漢冤罪防止システム (154)
(3B53) Handromeda: 電車内における痴漢冤罪防止システム

本稿ではつり革に両手を拘束されている人々の痴漢冤罪証明を手助けするシステムHandromedaを提案する.Handromedaは音楽ゲームをスマホでプレイすることで自然とユーザの両手を拘束し,プレイ中の現在地の情報とbitcoinの最新ハッシュ値を暗号化して生成した署名をつけて自動ツイートすることで第三者に向けてユーザの両手が塞がっていることを証明する.ただ両手を拘束するだけではなく,Gamificationと暗号化技術を取り入れることで新たな冤罪証明の形を生み出すことができると期待できる.

ターバーフィールド ミシェル潔美,庄山 知那,栗原 一貴(津田塾大)
ユーザによる回転動作の記録と再生が可能なノブ型音楽インターフェース (078)
(3B54) ユーザによる回転動作の記録と再生が可能なノブ型音楽インターフェース

ノブ型音楽インターフェースは,可変抵抗器やロータリエンコーダなどの回転操作型の電子部品を用いることで,入力としてユーザの手による回転動作を記録可能である.一方,出力として回転動作を再生することはなかった.そこで本研究では,回転動作の記録と再生が共に可能なノブ型音楽インターフェースを提案する.具体的には,入力部に用いる可変抵抗器の回転角をDCモータによって制御することで可変抵抗器自体を出力部としても使用する回転角制御機構を用いることで実現した.本システムを用いることで,ユーザによる回転動作を音楽制作ソフトにMIDIデータとして記録可能であり,さらに記録されたMIDIデータを回転動作の自動出力として再生可能である.また,モータの最適駆動電圧を求めるため,ノブが複数の水準に到達し収束するまでの時間を駆動電圧毎に計測する実験を行った.

等力 桂,登山 元気,橋田 朋子(早大)
Heartoid,心臓を触れて・感じて・投げつける:触覚バーチャル リアリティゲーム (190)
(3B55) Heartoid,心臓を触れて・感じて・投げつける:触覚バーチャル リアリティゲーム

本研究ではこれまで副次的に用いられてきた触覚を中心にしたVirtual Reality, VRシステムの構築を試みる.触覚は視聴覚に比べて感性への影響が強い.よって触覚をと視聴覚を組み合わせればVR空間内の仮想物体に存在感を与えることができる.このシステムはVR空間内にユーザーの生体情報を可触化する.そして視聴覚情報と連携させた仮想物体を呈示する.ユーザーはこの仮想物体を用いて身体運動をともなうゲームを行う.システムはユーザーに生体情報と感覚呈示をフィードバックさせる.このフィードバックは仮想物体とユーザーと連携している感覚をつくる.

丑田 佳人,鈴木 泰博(名大)
胎動の計測と胎動の再現が可能な胎動共有システムの提案 (153)
(3B56★) 胎動の計測と胎動の再現が可能な胎動共有システムの提案

胎動は,妊婦自身が定期健診以外で,胎児の健康状態を自覚できる有効な手法の一つとされている.自覚する胎動は妊婦の主観によるものがほとんどのため,経験の乏しい初産婦には胎動を自覚できるまで時間がかかるのが現状である.そこで胎動の計測を妊婦自身による観察ではなく客観的に計測する必要性が求められている.また,胎動は,妊婦のみが自覚が可能であり,父親や周りの家族が胎動を感じることは困難である.われわれは,夫やや家族が妊婦の妻の胎動を共有することができれば,妊婦の妻だけでなく,生まれてくる子供に対して,愛情をもって接することができるのではないかと考えた.本研究では,圧力センサを腹部に複数配置することで,胎動の場所と強さを客観的に計測する胎動スキャナを用いて胎動を計測し,胎動スキャナで計測した胎動を拡張し疑似的に腹部に再現できる胎動ディスプレイの提案と,胎動の共有が可能なシステムの提案をおこなった.

小坂 崇之(神奈川工科大)
講義振り返り支援のための板書速度の可視化 (276)
(3B57) 講義振り返り支援のための板書速度の可視化

本研究では,教授者に自身の板書速度を提示する講義支援システムを提案する.近年,学習者の意欲や興味の多様化により,教授者が多くの学習者の状況を客観的に把握することが難しくなっている.また,教授者が板書を用いて講義を行う形式の授業において,教授者が自身の板書速度を把握するのは困難である.そこで,本研究では,教授者の板書具であるチョークにマイクを取り付け,板書音の測定を行う.これにより,板書の速度である文字のストロークを測定し,結果を可視化した.板書音の情報として音量を用い,チョークの音を拾って回数として検知し,可視化グラフを作成した.結果として板書中の発言の有無に関わらず76%の精度が得られた.今後の展望として,本研究で作成したシステムを実際の講義で用いることによって評価実験を行う.本システムを用いることで,教授者は自身の板書速度を客観的に把握できるため,講義の内容に合わせて板書速度を調整できると考えられる.

岡澤 大志,江木 啓訓(電通大)
防災計画における合意形成のための津波避難行動シミュレーションシステムの開発 (176)
(3B58) 防災計画における合意形成のための津波避難行動シミュレーションシステムの開発

本研究は,地方自治体の防災計画に資する津波避難行動シミュレーションシステムを,ゲームエンジンを用いて開発を行ったものである.地方自治体は津波ハザードマップを国や県の津波予想データをもとにして作成しているが,その元となるデータを用いて街路レベルで避難計画を作成することは難しい.本研究では,最も近い避難場所へ自律的に避難行動を行うエージェントを大規模に作成し,避難者が被災する個所を特定する.提案したシステムを用いたシミュレーションの結果,津波に挟まれる街路や津波側に避難する経路があることが明らかとなった.本システムは,低コストでの開発が可能であり,地方自治体と地域住民が自由に使用でき,津波避難ビルの新規指定や災害時の避難経路指定など,防災計画を検討する際に有効なツールになると考えられる.

川合 康央,海津 ゆりえ,河原 健太,大渕 遥平,大塚 哲史,富松 栞里(文教大)
Lyric Jumper:アーティストごとの歌詞トピックの傾向に基づき様々な歌詞に出会える歌詞探索サービス (007)
(3B59) Lyric Jumper:アーティストごとの歌詞トピックの傾向に基づき様々な歌詞に出会える歌詞探索サービス

本稿では,アーティストごとの歌詞トピックの傾向に基づいて様々な歌詞に出会える歌詞探索サービスLyric Jumperについて述べる.各アーティストには,「恋愛」や「友情」といったトピックの歌詞が書かれやすい,といった傾向が存在する.Lyric Jumperではそのような傾向を考慮することで,アーティストごとのトピックの傾向の可視化や,トピックの類似度に基づくアーティストの推薦などの機能を提供する.そうした機能を利用することで,Lyric Jumperによって様々なアーティストや楽曲の歌詞へのユーザの理解が深まることを目指している.Lyric Jumperの実現にあたり,本稿ではアーティストごとの歌詞トピックの傾向を推定するためのモデルを提案する.提案モデルでは,各アーティストがトピックの分布を持ち,その分布に応じて各歌詞にひとつのトピックが割り当てられる.歌詞データセットを用いた実験により,従来研究において歌詞トピックを推定する主要な手法であるlatent Dirichlet allocation(LDA)よりも提案モデルが優れていることを定量的に示した.さらに,webサービスとして公開したLyric Jumperにアクセスした92,962ユーザの操作ログおよび,Lyric JumperについてTwitterに投稿されたコメントを収集し,Lyric Jumperの有用性について分析を行った.

佃 洸摂,石田 啓介,後藤 真孝(産総研)
人工知能を活用した眼鏡型読書支援デバイスの提案 (085)
(3B60) 人工知能を活用した眼鏡型読書支援デバイスの提案

近年,電子書籍やオーディオブックの普及により読書形態は多様化しつつある.読者は様々なデバイスを活用することで,身体的状況や環境に応じて読書スタイルを使い分けることも可能である.しかしながら,全ての書籍が電子化,オーディオ化されているわけではなく,読者が限られるような本や専門書等は,紙の出版物を購入して目で読むしか術がないのが現状である.こういった課題を解決し,誰でも手軽に自分の読みたい本が読める手段として,本稿では,人工知能を活用した眼鏡型の読書支援デバイスを提案する.

田上 宣昭,山下 祐斗,大和田 久司(パイオニア)
音楽による操作者と移動ロボットとの一体感の創出 (003)
(3B61) 音楽による操作者と移動ロボットとの一体感の創出

操作者が遠隔地でインタラクションを行うためのテレプレゼンスロボット等の移動ロボットは人と身体性が大きく異なるものが多い.そのような移動ロボットの遠隔操作において,ロボットの移動を操作者自身の移動であると感じる運動主体感や操作者がロボットと同じ部屋にいるような感覚である同室感を強化するため,本研究では,ロボットの遠隔操作に直接関係しない音楽に同期した自律動作を操作者に提示する手法を提案する.実験の結果,提案手法は,操作者もロボットも同じように音楽に乗っているという感覚によって,身体性が異なるロボットの操作であっても運動主体感や同室感を強化できることが分かった.また,音楽を聴きながらの通常の遠隔操作では,コースとは無関係に蛇行する等の不必要と思われる操作が多数観察されたが,提案手法には,そのような操作を抑制する効果があることも分かった.

小原 宗一郎,田中 一晶(京都工繊大),小川 浩平,吉川 雄一郎,石黒 浩(阪大/JST ERATO),岡 夏樹(京都工繊大)
Scoopirit: 水面反射を用いた空中像とのインタラクション (019)
(3C62) Scoopirit: 水面反射を用いた空中像とのインタラクション

本稿では,水面反射を用いて空中像を水上及び水中に結像する光学系を提案する.実装したシステムを光学的に評価し,本手法の有用性を検証した.また,水位の変動に対して超音波センサを用いたトラッキングを行い,空中像を水ごとすくい上げるインタラクションを実現した.



松浦 悠(電通大),小泉 直也(電通大/JST)
遠隔地の作業者との体験共有のための実験システム (293)
(3C63★) 遠隔地の作業者との体験共有のための実験システム

遠隔地にいる作業者の視界を指示者に伝送し,そこに相互の姿勢を互いの視界に重畳することにより,作業者と指示者が体験を共有して各種の実験を行うためのシステムについて報告する.このシステムでは作業者と指示者の双方がHMDを装着し,作業者側に設置した全天球カメラで取得した遠隔地の光源環境,もしくは作業者のHMDに装着したステレオカメラの映像をネットワーク経由で指示者に伝送して,指示者が作業者の環境下にいる臨場感のもとに作業者に指示を行うことが可能である.

床井 浩平(和歌山大),大山 英明(産総研),河野 功(宇宙航空研究開発機構),岡田 浩之(玉川大)
Found box:知育効果を高めるための箱型立体絵本 (112)
(3C65) Found box:知育効果を高めるための箱型立体絵本

現代では子どもの遊びが多様化し,積極的に絵本遊びをする子どもが少ない.しかしながら,絵本は読み手に多くの知育効果をもたらす.主には「想像力や創造性」,「好奇心や探求心」,「心の豊かさ」が挙げられる.これらの効果を高めるためには,読み手が物語に興味を持ち,絵本の世界観に没入していることが重要である.本研究では,読み手に絵本への興味を持たせ,世界観に没入させるため,想像力や創造性を養う「組み立てる要素」,好奇心や探求心を養う「探す要素」を含む箱型立体絵本Found Boxを開発した.世界観の形成にはブロックを使用し,それらを正しく組み立て,プロジェクションマッピングで映像を投影することで物語を楽しめるようにした.また,ブロックを取り外すことでブロックの下に隠れたものを見つけることができるようにした.

佐藤 麻里亜,鈴木 優(宮城大)
Bring Your Own Pointer: 複数の携帯端末によるad-hocなポインティング操作 (073)
(3C66) Bring Your Own Pointer: 複数の携帯端末によるad-hocなポインティング操作

本研究の目的は,スマートフォンを用いて同時接続が可能なポインティング手法の実現である.既存のポインティング手法は,専用のデバイスが必要であったり,操作に制約が多かったりするなどの問題がある.そこで本研究では,スマートフォンのジャイロセンサを活用することにより,ユーザが専用の機器を用意する必要なく,自らのスマートフォンでポインティングが行える手法としてBYOP(Bring Your Own Pointer)を提案する.提案手法の活用例として,複数人で仮想キャンバスに共同で文字を描ける書道システムを試作した.

佐藤 光起,北村 茂生,松下 光範(関西大)
とびとび:大縄跳び訓練ゲームの開発及びマイクロコズミックアプローチによる評価 (139)
(3C67) とびとび:大縄跳び訓練ゲームの開発及びマイクロコズミックアプローチによる評価

我が国では2007年に出生率が過去最低の1.26となった後2016年は1.44と改善の兆しがあるが,少子高齢化は社会問題となっている.そのため,一人っ子の増加等の影響により屋外で兄弟姉妹または友人同士で遊ぶ機会が減少し,子ども達が協調性を醸成する場の欠如が懸念されている.更に,保健体育等の授業においては楽しさを感じられる授業の実現が必要不可欠であると認識されているにも関わらず,授業中のネガティブな体験によりそれが苦手になる場合も多い.そこで,本研究では大縄跳びを仮想空間上で行うシリアスゲームを開発し,「協調性向上」と「エンタテインメントとしての運動能力向上」を実現した.本稿では,子どもの協調性の向上を実現する要素を数多く組み込んだ「とびとび」の概要を示すとともに,技術と情報と人とのインタラクションから構成される社会システムの評価に適すると考えられるマイクロコズミックアプローチによる評価結果について述べる.

新井 恒陽(日大),高澤 有以子(イリノイ大),粟飯原 萌,古市 昌一(日大)