実世界人形遊びを拡張する仮想ドールハウスとその評価 (128)
(1A01★) 実世界人形遊びを拡張する仮想ドールハウスとその評価

ドールハウス遊びには,子供の創造力や社会性を育む効果が期待される.これをコンピュータ画面内の仮想世界に展開することで,人形動作,舞台設定の制約を取り除き,より魅力的な遊びの提供が可能となるが,一方で,実世界の人形遊びの利点は損なわれる.仮想ドールハウスを,実世界の人形遊びを拡張するよう設計することで,双方の利点を活かすことが可能となる.そこで我々は,実世界と仮想世界とを連続的に繋ぐ箱型インタフェース“GetToyIn”と,これを利用した仮想ドールハウスを実装し,予備調査を行ってきた.本稿では,仮想ドールハウスに対して2種類の評価実験を行ったので報告する.はじめに,成人への実験を通して,箱型インタフェースが実世界と仮想世界の連続性をより強く提示する効果を持つことを確認した.さらに,本システムで4〜10歳の子供が遊ぶ様子を観察することで,子供らがデザインモデルを理解し,操作可能であることを確認した.

尾崎 保乃花,的場 やすし,椎尾 一郎(お茶の水女子大)
手首装着型運動センサを用いたタイピング操作安定度の評価 (106)
(1A02) 手首装着型運動センサを用いたタイピング操作安定度の評価

文字入力においてキーボードが広く普及していることで,様々なタイピングの方法が存在している.しかしながら,操作者にとって負荷のかかるキーボード操作を行うことにより負傷する事例が存在する.このことから,打鍵操作のバラつきを評価し,負傷に繋がる特徴を特定する必要があるものと考えられる.そこで本研究では手首装着型の運動センサにて,タイピング時における手首の回転角度と実効加速度を用いて評価することでキーボード操作の個人的な特徴を客観的に評価する手法の検討を行った.

菅野谷 知佳,松下 宗一郎(東京工科大)
車内システムにおける非接触操作に対する慣れの検証 (134)
(1A03) 車内システムにおける非接触操作に対する慣れの検証

完全自動運転が実現すれば,我々は車内で大型化されたディスプレイやHead-Up Displayを操作する場合がある.車内などで大画面を直感的に操作するための方法として非接触操作が提案されている.本研究の目的は非接触操作に慣れることが可能であるか検証することである.実験では非接触操作に慣れるまでに必要な試行回数と操作時間を記録した.実験の結果,全ての実験参加者(31人)が10回以内で非接触操作に慣れることができた.実験参加者が非接触操作に慣れるまでに要した回数の平均は5.84回であり,試行を重ねるごとに操作時間が減少した.

木戸 瑛一,天早 健太,杉原 慶哉,中道 上(福山大),渡辺 恵太(DNPデジタルソリューションズ)
ぴっ鳥帽: 生物との継続的な接触感を提示する帽子型デバイス (245)
(1A04) ぴっ鳥帽: 生物との継続的な接触感を提示する帽子型デバイス

親しみを感じてもらうために非生物のものに生物らしさを付与する試みが多数なされている.既存の生物感提示では,短時間で瞬間的に伝わる提示であった.本稿では,長時間の肌との接触を通して生物感を提示し,一緒に行動する相棒感,見守ってくれている感覚,体の一部であるかのような一体感を感じさせる装着型生物感提示を提案する.またその効果を確かめるプロトタイプとして,たまごを温める鳥を模した帽子型デバイスを提案する.

水田 柚花(電通大),千頭 龍馬(武蔵野美大),前田 哲郎(電通大),リ ジョンソプ,田中 桂太(武蔵野美大),佐藤 俊樹(東工大)
光センサ群搭載ベルトによる装着者の着座姿勢識別手法 (060)
(1A05) 光センサ群搭載ベルトによる装着者の着座姿勢識別手法

反射型光センサをとりつけたベルトによる着座姿勢の識別手法を提案する.本研究で用いた反射型光センサは,照射した赤外光の反射強度から,微妙な距離の変化を計測することが可能である.ベルトにとりつけた光センサとズボンなどの衣服との距離関係は,骨盤の動きによって変化することを確認した.この変化に応じたセンサ値に対して機械学習を用いることで,着座時の状態を識別可能か確かめた.


正井 克俊,杉浦 裕太,杉本 麻樹(慶大)
TutelaryChannel:他己紹介を用いたパーティーでの会話の継続を支援するシステム (230)
(1A06) TutelaryChannel:他己紹介を用いたパーティーでの会話の継続を支援するシステム

パーティーでの会話において,特に話し相手が初対面の人だったり目上の人だったりする場合に,話題が見つからず,会話の継続が困難になることがしばしば発生する.本研究では,第三者が会話外から参加者に関する話題を会話の場に提示することで,会話継続を支援するシステムを開発した.予備的実験を行った結果,他者からの意外性のある紹介情報は有用であるとのコメントが得られ,会話継続を支援する可能性が示唆された.


解 爽,高島 健太郎,西本 一志(北陸先端大)
SNSの解析による娯楽作品についての記憶の想起・記録支援 (279)
(1A07) SNSの解析による娯楽作品についての記憶の想起・記録支援

過去に触れた娯楽作品について想起する際,いつどのような作品に触れたか,そしてその作品についてどのような感想を持っていたかを詳細に想起することには限界がある.Twitterのようなライフログを記憶想起の手助けとすることも可能であるが,膨大なツイートデータから目当ての作品についてのツイートを見つけ出すためには時間がかかる.そこで,本研究ではツイートデータからどのような作品についてよくつぶやいているかを自動的に検索し,それらの検索データからユーザーの娯楽作品年表を作成することのできるシステムを提案する.

山本 愛美,寺田 実(電通大)
木に触れたことを検出するツールの開発 (135)
(1A08) 木に触れたことを検出するツールの開発

人が木に触れたことを検出できるようになると,人に木に対する関わり方が変化する.例えば,イルミネーションの装飾が施されている木に人が触れると光り方が変わるようにすれば,新しいイルミネーションの楽しみ方を提供できる.これまで植物に触れることを利用した研究が多く行われてきた.しかしながら樹木のような大きい植物に触れることを検出するツールは未だにない.本研究では,木を傷つけることなく木に触れたことを検出するツールの開発を行う.コンクリートマイクを木に取り付けてて触れた時に生じる音を取得し,2種の触れ方をFFT解析と機械学習により識別した.また,ツールの使用例として,イルミネーションの実装を行った.

橋本 レン,鈴木 優(宮城大)
ひととロボットの協調による手書き文字美化手法 (205)
(1A09★) ひととロボットの協調による手書き文字美化手法

パソコンなどでの文書作成が気軽に行えるようになってきたにも関わらず,履歴書などのようにいまだにアナログな手書きを求められることは珍しくない.また,お礼状や年賀状などを手書きしたいけれどうまく書くことができないと悩む人も多い.ここで,多くの文字を手書きする場合は,書き間違えないようにするのはかなりの手間であるうえ,自身の手書き文字に自信がないひとにとっては抵抗のあるものである.我々は過去の研究で,手書き文字の平均化によって手書き文字を美化することができることを明らかにしてきた.そこで本研究では,ユーザの手書き文字を自身の過去の手書き文字や他者の手書き文字と融合し,その手書き文字をロボットにより再現することによって,満足度の高い手書きを可能とする手法を提案し,プロトタイプシステムを実装することで,その有用性について検討を行う.

亀田 裕也,新納 真次郎,中村 聡史(明治大)
発話を空間コンテキストに埋め込むことによる体験共有システム (209)
(1A10) 発話を空間コンテキストに埋め込むことによる体験共有システム

本稿では,発話を空間コンテキストに埋め込むことによる体験共有システムの提案をする.日常生活の中で,人は独り言や他人との会話など発話を常に行っている.その中で記録される発話もあれば,何事もなくその場だけで終わる発話も存在する.そこで本研究では,人間が移動時に行う発話に着目し,それを空間コンテキストに埋め込んで記録することでその場所に来た他人に感動や気づき,知識などを共有するシステムを提案する.これにより,今まで共有されることのなかった体験の共有と新たな知識の流通を目指す.

藤倉 稜,角 康之(はこだて未来大)
アニマトロニクスの為の表情認識マスクの開発 (282)
(1A11) アニマトロニクスの為の表情認識マスクの開発

アニマトロニクスは,映画をはじめとした多くの映像作品でキャラクターの表現に用いられている.実際に人が,キャラクターの内部に入る装着型のアニマトロニクスは,演者の演技が直に動きに反映されるため,生き生きとしたキャラクターの表現が可能である.本研究では,内部の演者の顔の表情がリアルタイムでキャラクターに反映する為の,表情認識マスクを開発した.従来では,あらかじめ用意した顔の動きや,外部の操作者が付けた動きにあうように,演者が演技をする必要があるが,本システムを用いることにより,演者が直感的にキャラクターを演じることが可能になると考える.

中䑓 久和巨,平野 琢也(筑波大),益子 宗(楽天),星野 准一(筑波大)
オススメ度により対話シナリオを調整可能な統計的対話システム (219)
(1A12) オススメ度により対話シナリオを調整可能な統計的対話システム

ショッピングセンターの案内などを行う対話システムをサービスとして提供する場合,セール情報の変化などサービス内容の変化に応じて対話システムの対話シナリオをカスタマイズすることが求められる.しかし従来の音声対話システムでは,カスタマイズのためには人手による複雑な対話フローの修正や対話データの追加収集・学習が必要となる.そのため,対話システムの中身を詳しく知らない人が対話シナリオをカスタマイズするのは困難であった.本研究では,そのような人でも対話シナリオを低コストにカスタマイズ可能とする技術の実現を目標とする.提案手法では,案内候補のオススメ度を変更することにより,対話システムの性能を維持しつつ対話シナリオをカスタマイズ可能とする.この実現方法として,オススメ度に基づく報酬とユーザの満足度に基づく報酬を用いて対話シナリオの強化学習を行う.これにより,ユーザが不満に感じない程度に積極的にオススメ度の高い候補をユーザに提示する対話シナリオを構築する.本手法をショッピングセンターの店舗案内システムを用いて評価し,その有効性を確認した.

岩田 憲治,小林 優佳,吉田 尚水,藤村 浩司,赤嶺 政巳(東芝)
Flamework Framework: レシピデータに基づき 火力を制御するフレームワークの試作 (216)
(1A13) Flamework Framework: レシピデータに基づき 火力を制御するフレームワークの試作

IoT技術の普及に伴い,キッチンにもスマート調理器具と呼ばれるIoTデバイスが導入され始めた.しかし,それぞれ違うレシピデータの形式に基づいて調理するため,複数の機器を使って1つの料理を実現するのは難しい.そこで本研究では,ディジタル化されたレシピと直接連携するスマート調理器具を提案する.そして本論文では調理工程の要素の1つである火力に着目し,レシピデータに基づいて火力を制御するフレームワークFlamework Frameworkを提案する.本論文ではFlamework Frameworkの試作を通じ,料理体験の変化について考察した後,マシンリーダブルなレシピはどう定義されるべきかについて議論する.

高田 一真,金子 翔麻(明治大),鈴木 涼太,神山 洋一(シードルインタラクションデザイン株式会社),相澤 裕貴,大内 泰良,西條 瞳,高瀬 理奈,本田 健人(明治大),渡邊 恵太(明治大/シードルインタラクションデザイン株式会社)
自己点眼の負担を軽くする点眼支援ツールの開発 (199)
(1A14★) 自己点眼の負担を軽くする点眼支援ツールの開発

自己点眼を苦手とする人がいるが,既存の自己点眼補助器具ではデメリットが存在する.そこで本研究では,自己点眼を苦手とする人が点眼薬を目に命中させることを助ける点眼支援ツールの開発を行った.本研究の点眼支援ツールは,スマートフォン用のアプリケーションとして実装した.本ツールは,アプリケーションの指示どおりにスマートフォンの画面に当てた点眼びんごと点眼支援ツールを動かして使用する.


大槻 紗也香,鈴木 優(宮城大)
ながらデバッグマスク:口の表情を入力としてソースコードの読み上げとバグの検出・記録が可能な仕組み (097)
(1A15) ながらデバッグマスク:口の表情を入力としてソースコードの読み上げとバグの検出・記録が可能な仕組み

一般的にプログラミングは,モニタの前でソースコードを視認しながら,キーボードを打って行う.しかし従来のプログラミング方法は手を動かしての入力とモニタからの視覚情報の提示を必要とする.本稿では,この問題を解決するために,発声の伴わない口の表情を入力とし聴覚情報の提示でデバッグを行うシステムを提案する.外部に音声に漏らすことなく使用可能な口の表情を5種類マスク型デバイスで識別して,ソースコードの読み上げとバグの検出および記録を操作するシステムを実装した.マスク型デバイスの精度実験とシステムのユーザスタディを行った.

塙 克樹,橋田 朋子(早大)
実世界型電子付箋のためのARKitを用いた自己位置認識による紙付箋認識について (240)
(1A16) 実世界型電子付箋のためのARKitを用いた自己位置認識による紙付箋認識について

我々は,実世界型電子付箋システムMahocaを開発している.Mahocaでは,物理付箋と電子付箋の双方を用いた会議の支援を行っている.本稿では,Mahocaにおける物理付箋の電子化の際に,物理付箋の位置に電子付箋を自動で配置するシステムの開発を行った.本研究の特色は,付箋の位置合わせの際に,ARKitを利用した現実空間にもとづき行った.これにより,簡便な方法で現実空間と仮想空間の位置合わせを実現した.タッチパネル等のセンサーを含む特殊なディスプレイ上に投影された画面に対して行うわけではない.水平な机の上にプロジェクターで投影した画面の枠内に存在する物理付箋に対して,物理付箋の置かれた位置に変換された電子付箋を配置する.位置合わせの評価を行ったところ,水平方向に対して平均0.9cm,垂直方向に平均2.0cmほどの誤差が生じる結果となった.よって,本手法により,物理付箋の置かれた位置に電子付箋を配置することが可能であることが示された.

伊藤 栄俊,大囿 忠親,新谷 虎松(名工大)
Mixed Realityにおける現実物体の物理属性を考慮した シーン生成 (290)
(1B17★) Mixed Realityにおける現実物体の物理属性を考慮した シーン生成

Mixed Realityは,現実を拡張するAugmented Realityや現実と異なる仮想空間を体験させるVirtual Realityと異なり,仮想と現実を融合させた表現を行うことができる.例えばCGモデルのリンゴを現実の机に置く動作をした場合,リンゴは現実の机との物理的な相互作用を起こした上で,上に乗り,そのリンゴをあらゆる角度から見ることが可能である.しかし,現状のMixed Realityはあくまで現実空間の位置や物体の形状などの認識にとどまっており,仮想物体に対し与える影響は現実空間の物体との衝突などにとどまる.そこで本研究では仮想物体をより現実に存在するかのように表現するための新たな手法を提案する.具体的には現実空間に存在する物体の認識とその構成素材などを把握することで硬度や摩擦力を算出し,反映させることでより現実的な表現を行う.

岡部 聡一,宮脇 健三郎(大阪工大)
SenShoe: センシング機能付きシューズによる足底圧力中心推定 (113)
(1B18) SenShoe: センシング機能付きシューズによる足底圧力中心推定

歩行計測とその解析は医療・リハビリテーション分野において重要な課題である.本研究では靴型足底圧力計測デバイスの開発及び圧力中心推定を行う.本システムでは靴のソール部分にフォトリフレクタを設置し,ソールの変形から足底にかかる圧力を計測する.



稲葉 このみ(慶大),村井 昭彦(産総研),杉浦 裕太,杉本 麻樹(慶大)
スマートフォンのピンチ操作による画像の拡大・縮小処理を利用した復号が可能なチェッカパターンキャリアスクリーン画像における撮影補助線の付加 (098)
(1B19) スマートフォンのピンチ操作による画像の拡大・縮小処理を利用した復号が可能なチェッカパターンキャリアスクリーン画像における撮影補助線の付加

我々はチェッカパターンの重ね合わせによる復号が可能なチェッカパターンキャリアスクリーン画像を提案している.キャリアスクリーン画像はサンプリング処理による復号が可能であり,その一例として,スマートフォンで撮影した写真をピンチ操作により,拡大・縮小表示することで秘密画像を顕在化することができる.一方,カメラで撮影した画像から秘密画像を復号するためには,ゆがみの少ない画像を取得することが望ましい.そのため画像の回転やゆがみを抑えたキャリアスクリーン画像を取得するため,キャリアスクリーン画像への撮影用補助線の付加について検討したので報告する.

生源寺 類(静岡大)
LighthouseChat:消極的参加者に発言を促す手段を備えた会議支援メディア (079)
(1B20) LighthouseChat:消極的参加者に発言を促す手段を備えた会議支援メディア

ブレインストーミングの延長線上にある,参加者が積極的にアイデアを出し合って協調的・共創的に物事を決定する場においては,参加者全員の意見が創出され,意思決定されることが理想である.しかし,実際の会議では,全員からの意見を得ることは容易ではない.発言数が少ない参加者に発言を促すことが1つの解決手段となりうるが,そのような強制力を伴う行為は人間関係を悪化させることが懸念される.本研究では,この問題を解決するために,匿名で行われる明示的な発言リクエストとLEDライト点灯の2つの機能を追加した,チャット併用会議用のテキストチャットシステムを開発し,ユーザスタディによってその有効性を検証した.

塩津 翠彩,高島 健太郎,西本 一志(北陸先端大)
計画・振り返りを共有する卒業研究支援システムの提案 (158)
(1B21) 計画・振り返りを共有する卒業研究支援システムの提案

卒業研究は多くの大学で取り組まれている活動である.しかし,学部4年生にとっては初めての活動研究であり,これまでの学びと異なる点が多く支援無く取り組むことは難しい.そこで本研究では,できるだけ自分の力で研究を進めることができるようにするため,作業ペースの把握しつつ,タスクを具体化し,研究室の仲間同志で進捗状況をリアルタイムに共有するという構想をもとに,卒業研究を支援するツールを作成した.本稿では,現在作成しているツールの概要や,2016年からの改善・追加した機能について言及し,その効果を検証する.

中原 翼,美馬 義亮(はこだて未来大)
一人称ライフログ映像からの顔検出に基づいた社会活動計測 (045)
(1B22) 一人称ライフログ映像からの顔検出に基づいた社会活動計測

本研究では,無意識的に行われている社会活動の定量化と可視化を目的として,一人称ライフログ映像を用いて,映像中に映り込んだ顔を数えることでカメラ装着者の社会活動を計測する手法を提案する.社会活動の状況を,検出された顔の個数と連続性で決定し,社会活動の量は顔の個数,顔の大きさ,時間継続性で計算する.これにより,カメラ装着者が単に人とすれ違っただけなのか,それとも特定の人と一緒に過ごしていたのか,また,その人数が一人だったのか複数人だったのかを見分けることで,活動の種類を数え分けることができる.社会活動をライフログとして記録し視覚的フィードバックを行うことで,社会活動の充実感の向上と疲労感の低下のような社会的健康に向けた行動変容につながることを期待している.本稿では,学会に参加した複数人の2日間の一人称ライフログ映像から社会活動を計測して提案手法の有効性を検討する.時間継続性を考慮した社会活動のラベル付けをすることで対面コミュニケーション場面を抽出できること,映り込んだ顔の数だけでなく対面距離と継続時間を考慮することで対面コミュニケーションの種類を見分けることが可能になること,複数人の社会活動を計測することで同一時空間に参加していた参加者ごとに役割の相違が顕在化されることが示唆された.

奥野 茜,角 康之(はこだて未来大)
「トイレ型UI」におけるソーシャルログの可視化と共有 ー「コミッチケーション」の実践を通じてー (132)
(1B23) 「トイレ型UI」におけるソーシャルログの可視化と共有 ー「コミッチケーション」の実践を通じてー

本研究では,昨今のソーシャルメディアの社会的インパクトを踏まえ,ソーシャルログを対象としたデータ可視化のあり方について検討し,独自のデザインを提案する.独自デザインの開発においてポイントになるのは,「笑いの要素」や「コミカルな要素」をいかに取り込むかという点である.本研究では,そうしたコミカルなデザイン要素を取り入れることで実現される(ソーシャルメディア上の)人びとの共愉的な対話を「コミッチケーション(comicication)」と定義し,独自Webシステム「TOTOL」の開発を通じ,実現を目指す.本稿では,「TOTOL」の機能やデザインについて紹介するとともに,試験運用の結果を踏まえ,システムの有用性について論じる.

中島 理紗,望月 茂徳,斎藤 進也(立命館大)
スライドインによるスマートウォッチ向けの文字入力手法 (063)
(1B24★) スライドインによるスマートウォッチ向けの文字入力手法

スマートウォッチに適した専有面積が小さい文字入力手法を開発した.この手法では平仮名の50音表に基づき,行と段を順に指定することで1文字を入力する.このために,画面の左辺・上辺・右辺をそれぞれ2分割し,各区画に2つの行を割り当てる.そして,区画を横切るようにスライドイン(画面の外にタッチし,そのまま画面内に指を滑らせる動作)を行う.この方法だと幅2mmの領域で指先の通過を検出できる.指先が通過した瞬間に画面が2分割され,それぞれにスライドインした区画に割り当てられている行の名前が1つずつ表示される.そのまま指を選択したい側に移動し,背景が緑色に変わってから指を離せば,その行が選択できる.すると,選んだ行に属する平仮名5文字が画面に大きく表示されるので,いずれかをタップすることで,1文字の入力が完了する.濁音/半濁音/拗音には,平仮名が表示された状態でボタン操作により切り替える.画面の表示に従うことで,初心者でも容易に文字を入力することできる.実験では,最初の25文字を20.6[CPM:Character Per Minute]で入力できた.熟練者は67.7[CPM」で入力することができた.また,システムの画面専有率は1.6インチ正方形画面で26.4%である.

秋田 光平,田中 敏光,佐川 雄二(名城大)
光センサアレイが組み込まれた柔軟物体による着座状態推定 (108)
(1B25) 光センサアレイが組み込まれた柔軟物体による着座状態推定

日常生活で着座する機会は多く,体に負荷の少ない着座姿勢や筋肉の活性を促す動作を提案することで健康状態の向上につながる可能性がある.そこで本研究では,ユーザの日常生活に溶け込むデバイスを用い,既存の椅子に簡便に配置することができる着座状態を推定するシステムを提案する.本システムでは座布団の内部のスポンジに光センサを組み込み,座布団の変形を計測することで着座姿勢の識別を行う.本稿では座布団型のデバイスを試作し,複数の着座姿勢の状態推定を行った.

篠崎 由貴,古居 なおみ,杉浦 裕太,杉本 麻樹(慶大)
運動学習支援を目的とした多変数マッピングを用いた動作情報の可聴化手法 (099)
(1B26) 運動学習支援を目的とした多変数マッピングを用いた動作情報の可聴化手法

人間は環境からのフィードバックによって身体状態を認識している.拡張現実の分野ではこの認知特性を活かし,デジタル技術による擬似的な五感情報の提示によって身体保持感の変化を誘発させる研究が行われている.本研究はソニフィケーションという音響情報による知覚化手法を用いて身体認知の拡張を目指している.本稿では単音が持つ複数の音響情報を用いる多変数マッピング手法についての考察と,動作情報に対して用いる際に有効と思われる手法と可聴化システムの提案を行う.

高野 衛,安藤 大地,串山 久美子(首都大)
レーザポインタによるジェスチャを用いた複数機器の操作 (082)
(1B27) レーザポインタによるジェスチャを用いた複数機器の操作

ジェスチャインタフェースは,コンピュータへの情報入力をユーザの手や体の動きを用いて直感的に行うものである.近年,ジェスチャインタフェースを家電などの機器操作に応用する研究されている.そこで懸念されているのが,個々の機器に異なるジェスチャを割り当てると,却って操作が複雑化しユーザの負担が増えるという問題である.この問題に対して我々は,一つのジェスチャを複数の機器に利用できれば解決できると考えた.本論文では,レーザポインタで対象機器を指定するとともにレーザ光で描いた軌跡をストロークジェスチャとして認識することで,機器の選択と操作を一括して行える新しいインタフェースを提案する.ユーザによる評価実験を行った結果,提案手法が操作性の向上に有効であることを確認できた.

下村 駿平,ギエルモ エンリケズ,三輪 貴信,澤田 秀之,橋本 周司(早大)
360°実写映像における進行方向を提示したVRシステム (069)
(1B28) 360°実写映像における進行方向を提示したVRシステム

360度カメラで撮影された映像では経路を提示することができないが,進行方向を提示した映像にすることで映像内での移動が体験しやすくなる.そこで,VIVEのトラッキングシステムを用いることで,撮影時にカメラを動かした経路をVR空間内にも自動的に再現し,撮影した映像に同期させて経路を提示するシステムを提案する.コンテンツ制作者がVRトラッキング内で自由にカメラを動かすのみの簡易的な撮影方法で,経路を提示したVRコンテンツを制作できるシステムを試作した.これにより,体験者が360度カメラで撮影された映像を閲覧する際に映像内での移動を体験しやすくなるシステムを実現した.

小川 真智子,福地 健太郎(明治大)
スマートフォンと柔軟物を用いた小児握力計測システムの開発 (090)
(1B29) スマートフォンと柔軟物を用いた小児握力計測システムの開発

小児,特に乳幼児のためのあらたな握力計を開発する研究が行われている.本研究では,スマートフォンと柔軟物を用いて小児の握力を計測できるシステムの提案を行う.本システムでは,スマートフォンのカメラとフラッシュライトを柔軟物に挿入し,その変形を計測する.本稿では柔軟物を試作し,柔軟物の変形を検知するアプリケーションを作成した.


鳥海 まどか,杉浦 裕太,ラウ スザン(慶大),藤田 浩二(東京医科歯科大),小橋 孝介(松戸市立総合医療センター小児科),杉本 麻樹(慶大)
ビリヤードの配置図作成のためのボールの検出および番号識別 (259)
(1B30) ビリヤードの配置図作成のためのボールの検出および番号識別

本論文では,ビリヤード台を撮影した一枚の画像から台上のボールの配置図を作成するシステムを開発している.ここでは,その基盤技術として開発したボールの位置と番号を推定するアルゴリズムについて述べる.まず,ハフ変換を用いてビリヤード台を検出し,画像座標系とワールド座標系の幾何学的関係を示す射影行列を推定する.次に,得られた射影行列から画像内に写るボールの大きさを推定し,その条件で円を検出するハフ変換を行い,ボールを検出する.最後に,検出したボールの番号と柄をカラーヒストグラムと畳み込みニューラルネットワークで識別する.実験の結果,提案手法が,従来手法に比べて高い精度でボールの位置推定と番号識別を行えることを確認した.

相澤 朋希,三輪 貴信,澤田 秀之,橋本 周司(早大)
円柱体のID・位置検出のための円筒マーカ (138)
(1B31) 円柱体のID・位置検出のための円筒マーカ

ARシステムで一般的に使用されている光学マーカは,平面に貼り付けることを前提としたものである.一方,実世界の構造物,家具,調度品や人体には円筒形の部分が多く存在する.そこで本研究では,円筒面を持つ立体物に取り付けることを目的とした,円筒形のバーコード光学マーカを提案する.バーコードの円柱への配置方法として,円周方向にリング状に並べる方法と円柱の高さ方向に平行に並べる方法が考えられる.全周から同じバーが見える前者はマーカのIDを取得するのに適し,異なるバーが見える後者はマーカの回転方向を取得することが可能である.筆者らはこれまで,IDが不要なアプリケーションを想定し,後者のみを実装したマーカを実装した.本稿では,両者を実装したマーカを作成し,ID付き円筒バーコードマーカとして動作することを確認した.

奥山 瑞希,的場 やすし,椎尾 一郎(お茶の水女子大)
メタルギタリストのための高速ダウンピッキングトレーニングシステム (093)
(1B32) メタルギタリストのための高速ダウンピッキングトレーニングシステム

ギターの演奏技法の中において,エレクトリックギターを用いたヘビーメタル楽曲では,弦を地面に向かって引き下ろすダウンピッキングを高速にて行うことが大きな特徴となっている.この奏法は楽曲における疾走感を表現するために不可欠なものであるが,強い張力のもとで張られているギター弦に堅いピックを規則正しく衝突させることとなるため,その習得は容易ではない.そこで本研究では演奏者の利き腕側に装着する腕時計型ワイヤレスモーションセンサにより,ギター弦からの反発力をリアルタイムでチェックするトレーニングシステムの検討を行った.

松下 宗一郎,幸田 有里,近藤 百佳,溝上 大輝,甲斐 美月(東京工科大)
くるくるマシュマロ 〜姿勢角検出を用いた疑似体験インタフェースの提案〜 (120)
(1B33) くるくるマシュマロ 〜姿勢角検出を用いた疑似体験インタフェースの提案〜

加速度センサと角速度センサを組み合わせることで,重力に対して校正された姿勢角を安定して計測することができる.本研究では細長い棒の先に食材を取り付け,たき火のような熱源上で棒を回転させながら加熱調理する焼きマシュマロの作業をシミュレーションするインタフェースの検討を行った.本論文では直方体状の食材が受ける熱量を姿勢角ベクトルから推定し,焼きマシュマロを擬似体験できるシステムの検討結果について報告する.

吉田 海,山口 康二郎,藤森 雄一郎,木上 悠輔,伊藤 瑶恵,天満 洋紀,鹿野 雄輝,菅野谷 知佳,松下 宗一郎(東京工科大)
反転授業における解説音声の明瞭化が可能な講義映像ブラウザ (227)
(1B34) 反転授業における解説音声の明瞭化が可能な講義映像ブラウザ

反転授業の導入やオンラインによる講義映像サービスなどの増加により講義映像の需要が高まっている.教師は,講義の準備,撮影および編集する必要があるため講義映像を作成するコストは高い.そこで,本研究では,教師の講義映像の半自動的に作成および編集を行う半自動講義映像変換ブラウザを提案する.また,オンラインによる講義映像サービスにより,多くの生徒が受講できるようになり,生徒の要望や好みは多様化する.教師は,生徒個人に合わせた講義映像を作成することは望ましいが,それぞれの生徒に合わせた講義映像を作成することは困難である.そこで,本研究では,生徒にも自身の好みに合わせた講義映像に編集できるインターフェースを提供する.

松浦 辰雄,大囿 忠親,新谷 虎松(名工大)
Emotion Visualizer: 生体情報を用いた感情推定と可視化と応用 (226)
(1B35) Emotion Visualizer: 生体情報を用いた感情推定と可視化と応用

近年,人間の感情はヒューマンロボットインタラクションやセラピーなど様々な分野に応用されている.感情推定においては,音声や表情による感情推定手法が数多く提案されているが,表現と本人の本当の感情との因果関係を抽出するのが本質的に困難な問題がある.これに対し,我々は脳波と脈拍といった生体情報を用い,感情推定を行う手法を提案した.具体的には,Russellの円環モデル上の感情表記の「快-不快」「覚醒-眠気」の二次元座標に,脳波,脈拍から取得される生体情報反応を対応させるものとした.さらにその結果をリアルタイムでGUIツール上に表示することで,様々なアプリケーションでの計測が可能となった.本発表では,可視化により表示されるツールの紹介および,様々な目的に応用の紹介などについて述べる.

吉田 怜司,伊藤 哲平,染谷 祐理子,田中 智史,池田 悠平,菅谷 みどり(芝浦工大)
ぬいぐるみと過ごす日常〜触って癒す,繋がって和む  -大学生が日常生活でふと感じる「寂しさ」を癒すモノづくり- (149)
(1B36) ぬいぐるみと過ごす日常〜触って癒す,繋がって和む -大学生が日常生活でふと感じる「寂しさ」を癒すモノづくり-

大学生が日常生活でふと感じる寂しさを癒す,ぬいぐるみ型のプロダクトを提案する.主なターゲットは一人暮らしの女子大学生で,家族または恋人とペアでぬいぐるみを持つ.このぬいぐるみは,ハグするとハグを返してくれる触覚による癒しの機能と,ぬいぐるみに触れると通信を介してペアのぬいぐるみにそれが伝わる連携の機能の2つを備えている.実際にぬいぐるみを制作し,圧力センサーによるハグの機能と,通信を介した連携の機能を実装した.

川口 祐佳,荒川 敬祐,臼井 祥一朗,村野 ありさ,嶋田 雄斗,高野 京介,川村 望,山下 清美(専修大)
音楽イベントにおける演奏者の動作取得と360度VR配信への重畳 (291)
(1B37) 音楽イベントにおける演奏者の動作取得と360度VR配信への重畳

360度VRインターネット配信において会場の状況を共有し臨場感を高めるための手法として,会場内にBLEを用いたセンサとIoTプロトコルMQTTによるセンサ環境を構築し,演奏者の動作情報を可視化し,360度VR配信における映像の余白部分を有効に利用して重畳する試みをイベントにおいて実施し可能性を確認した.


平林 真実(IAMAS)
自己開示の促しによるコミュニケーション支援システム (006)
(1B38) 自己開示の促しによるコミュニケーション支援システム

社会心理学では,話者同士の親密度が高まるとより高次の自己開示が行われることが知られている.本稿では,システムによって自己開示を促進することで話者の親密度は高まるか?という研究課題を設定した.課題を検証するため,我々は自己開示の項目を話題としてタブレット上に提示するコミュニケーション支援システムを実装した.自己開示を促されることによるユーザの負担を軽減するため,コミュニケーションが進むに連れてより深いレベルの自己開示項目を提示する段階手法を提案した.段階手法とランダムに話題を提示する手法,システムを利用しない場合の3条件で192名の初対面の参加者による対面式のコミュニケーション実験を実施した.実験の結果,段階手法はランダム手法と比較してシステムの受容性が有意に高いことが確認された.また,システムを利用したコミュニケーションは参加者同士の親密度を有意に向上させる効果を確認した.

池田 和史,馬田 一郎,帆足 啓一郎(KDDI総合研)
SymPhonicAudio: 複数のスマートフォンを同期し現実空間への音像定位を動的に行う手法の提案 (196)
(1B39★) SymPhonicAudio: 複数のスマートフォンを同期し現実空間への音像定位を動的に行う手法の提案

ARにおいて,視覚によるARだけでなく,空間音響によって現実世界を拡張する「音のAR」も重要である.ARKitやARCoreのリリースによって,スマートフォンによるARを手軽に実現できる環境が普及した.スマートフォンによるARはその手軽さや1人1台近く持っている状況からAR空間を複数人で共有することに価値が見出せる.しかし,「音のAR」の主流であるヘッドホンによるバイノーラル方式ではコミュニケーションの取りにくさがあり,体験を共有しにくい.そこで本研究では,「音のAR」による体験の共有を目的とし,複数のスマートフォンを同期し現実空間への音像定位を動的に行う手法SymPhonicAudioを提案する.評価実験では本手法とバイノーラル手法の2つの場合で比較した.結果,多人数で協力して遊ぶ「音のAR」を用いたゲームにおいて,音の方向性のわかりやすさはバイノーラルの方が優れていたが,コミュニケーションの取りやすさや一体感があるという点において本手法が優れていた.

金子 翔麻,渡邊 恵太(明治大)
吸引圧触覚提示装置を内蔵したHMDの開発 (166)
(1B40★) 吸引圧触覚提示装置を内蔵したHMDの開発

VR空間内にある物体に対する触覚提示手法は指先への提示を中心として多数提案されている.しかし多くの手法では,着脱の手間や指の動きを妨げてしまうなどの問題点がある.そこで本研究では,空気吸引刺激装置をHMDに内蔵し,指先の感覚を目元周辺へ提示することでこれらの問題を解決する手法を提案する.本稿では目元周辺への吸引刺激を行うために有効な吸引径と吸引圧について予備的な調査を行った.


亀岡 嵩幸,今 悠気,梶本 裕之(電通大)
なぞるインタラクションを模擬する第三角法習得補助教材 (232)
(1B41) なぞるインタラクションを模擬する第三角法習得補助教材

中学校技術・家庭科技術分野では第三角法による投影法を学習する.投影法の学習について教材・教具の提案や教育実践がこれまで多く報告されている.一方で投影法の理解を苦手とする生徒は,投影法の理解の前提となる,立体の形状の把握が苦手な可能性がある.本報告では,そういった生徒が立体の輪郭をなぞるインタラクションを模擬した体験により形状を把握する練習ができ,投影法の理解を補助する教材として開発したTraceItについて概要と中学生が利用した結果について報告する.実際に利用した中学生は少なかったが,理解の補助につながる可能性が示唆された.

光永 法明(大阪教育大),岡田 隆(羽曳野市立高鷲南中学校)
筆圧・傾き推定のためのペングリップ型デバイスの提案と実装 (202)
(1B42) 筆圧・傾き推定のためのペングリップ型デバイスの提案と実装

スタイラスペン(ペン型入力デバイス)はタブレット端末上でのデジタルイラスト作成などに使用されるケースが増えつつある.一般的に普及しているスタイラスペンは,筆圧や傾きの検知機能をもたず,単に指先のかわりのポインティングデバイスとして使用されており,ペン型である利点を充分に活かせていない.そこで,本研究では特にデジタルイラスト作成者に向けた,一般的なスタイラスペンに筆圧や傾き情報を付与するための,着脱可能なペングリップ型デバイスを提案し,性能を評価した.

近藤 杏祐(神戸大),寺田 努(神戸大/JST),塚本 昌彦(神戸大)
ソフトクリーム製作をモチーフとした手の回旋運動を評価するモーショントラッキングシステム (121)
(1B43) ソフトクリーム製作をモチーフとした手の回旋運動を評価するモーショントラッキングシステム

手によって保持した物体を回転させることで何かを製作する作業は,三角錐状のコーンに柔らかなアイスクリームを積み込むソフトクリームの製作や,フライパンによる加熱調理等にて散見される.実施者の手の回旋運動が主体となるこれらの作業では見た目以上に精緻な技量が必要であり,その習得には長い時間を要することが少なくない.そこで本研究では小型軽量な6軸ワイヤレスモーショントラッキングデバイスにより製作の対象となる物体に生じる力を計測することで,手を用いた回旋運動のトレーニングを手軽に行えるシステムの検討を行った

岡 隼矢,近藤 百佳,溝上 大輝,榎 芳樹,坂井 達也,菅野谷 知佳,松下 宗一郎(東京工科大)
紙を使用した仕掛け絵本の体験行動とインタラクティブデザイン手法についての考察 (261)
(1B44) 紙を使用した仕掛け絵本の体験行動とインタラクティブデザイン手法についての考察

電子書籍とは違い,実物体の本はページをめくるという読み手の動作が必要であり,絵本はその動作によって物語が進行していく.物語を理解することで生まれる読み手の情動と絵本を読む際の読み手の行為の相互関係について考察し,物語の展開に人の行為が関わっていることをより感じることのできるインタラクティブデザインについて考察する.


黒崎 美聡,串山 久美子(首都大)
防災意識向上のためのVR防災訓練システムの提案 (129)
(1B45) 防災意識向上のためのVR防災訓練システムの提案

学校における防災教育の現状は,教育の必要性に気付いていない(内発的動機付けがない)人や,必要性に対する意識が低い人が混在している(防災教育離れ).以上から本研究では防災教育離れに対し,VR型の防災訓練システムを提案する.その後,本システムが既存教材に比べ意欲的に取り組めるか否かIMMS評価を行った.結果は既存教材より本システムの方が注意(+1.58)関連性(+0.7)自信(+0.2)満足感(+2.61)と高い値を得られた.さらに学習効果を測定するため教材別の避難リスクと平均初期消火開始時刻を比較した結果,本システムを学習したグループの方は平均避難リスクが(-6.45p)消火開始時刻は(-10s)低くなり,より安全で素早い行動をとることができるようになった.

谷本 鯛介,佐野 睦夫(大阪工大)
デジタル画像群とそのメタ情報の複数次元可視化 (266)
(1B46) デジタル画像群とそのメタ情報の複数次元可視化

画像群は多くのメタ情報を持つため,ユーザは画像閲覧とメタ情報の理解を同時に実現することは難しい.本インタラクティブ発表では,創発のアルゴリズムを用いて画像群とそれらが持つ複数次元のメタ情報を柔軟に可視化するインタフェースについて紹介する.画面のX軸とY軸を利用するだけではなく,Z軸や他のBertinらが提案する視覚変数を応用することで4次元のメタ情報を扱うことができる.画像同士は創発に基づき常に最適な配置に保たれるため,ユーザの多様な要求を満たすことができる.本デモでは代表的な応用例である画像群からの検索や探索を中心に本提案インタフェースの様々な機能を紹介する.

Xin Huang,高嶋 和毅,北村 喜文(東北大)
DeforVerface:形状変化デバイスを用いた垂直面インタラクション (271)
(1B47) DeforVerface:形状変化デバイスを用いた垂直面インタラクション

近年,形状が変形するインタフェースが注目されており,本論文では任意の垂直面でのインタラクションを実現するための変形デバイスDeforVerfaceを提案する.従来の研究の多くは垂直面でのインタラクションとして,プロジェクションマッピング技術を用いた視覚的な例や,形状変化を相互作用結果の提示のために用いているものであった.これらは壁面やドアなどの垂直面が固定であるためインタラクション手法が制限されてしまうことが一因だと考えられる.そこで,本研究では垂直面において視覚的なインタラクションではない新しい相互作用を提案するために,プロトタイプシステムDeforVerfaceを開発した.DeforVerfaceは,9個の独立制御可能なブロック状の突起を持つデバイスで様々な垂直面において疑似的に変形制御が可能な垂直面として動作する.

穴久保 拓磨,藤波 香織(東京農工大)
LeapMotionを使用した洗面台デザインの検討 (237)
(1B48) LeapMotionを使用した洗面台デザインの検討

本稿では,手先の細やかな動作を検知できるLeapMotionの機能を活かせる場面として,新たに手洗いの場を提案する.既存の赤外線センサーによる水流のオン・オフのみでなく,柔軟な操作によって任意の水流に調整できることを目指した.洗面台に両手を差し出す動作から着想し,それぞれの手の指の開きをLeapMotionのセンサーで検知することで水温・水流の調整ができる仕組みをOpenFrameworks上で検証した.ジェスチャーによる操作のため,力がいらない・簡単・周囲の音響に左右されないなどの強みが考えられる.本稿では水温・水量の調整のみの実装だが, LeapMotionの有用性の余地から今後石鹸やシャワーヘッドの切り替えなど他の機能の導入が検討される.

林 佳那,李 林嬡,丸澤 嵩,陳 澤洋,串山 久美子(首都大)
コーナーキューブ型モニタを用いた逆遠近法に基づく映像提示の立体感誘起パラメータの評価 (147)
(1B49) コーナーキューブ型モニタを用いた逆遠近法に基づく映像提示の立体感誘起パラメータの評価

逆遠近法とは絵画の技法のひとつである.凹んでいるように見える箇所が出っ張っているように描き,出っ張っているように見える箇所を凹んでいるように描くことでユーザが動いたときにその動きに合わせて凹んでいるように見える箇所が追いかけながら向きを変えているように感じる.この逆遠近法を3つのモニタを組み合わせて1つの立体的なモニタに提示することでユーザに向けて常に情報を提示するデジタルサイネージやエンタテインメントに活用できると考え,立体に見える映像の歪み率を評価した.

竹内 凌一,橋本 渉,水谷 泰治,西口 敏司(大阪工大)
汚れ検出とにおい検出を用いたトイレの汚れ具合可視化システム (222)
(1B50) 汚れ検出とにおい検出を用いたトイレの汚れ具合可視化システム

本研究ではトイレ内の汚れとにおいを検出し,ユーザーにトイレの汚れ具合を示すシステムについて述べる.トイレは他人の家で清潔でないと一番気になる場所である.そのトイレが汚れていたり臭いと人に対して悪い印象を与えてしまう.トイレの汚れには目に見える水垢汚れと,目には見えない尿汚れがある.特に,尿汚れは放置してしまうと尿石となって固まり汚れを落とすことが難しくなってしまう.トイレのにおいの原因としては人の排泄物に含まれるアンモニアや硫化水素である.しかし,毎日使う自宅のトイレでは嗅覚疲労を起こしてしまい自分では臭いと気づかなくなってしまう.そこで本研究では,紫外線ライトと紫外線透過フィルターを用いて撮影を行った画像の画素頻度から汚れを検出し,ガスセンサを用いてトイレがどれだけにおうか測定することで,ユーザーにトイレがどれだけ臭く汚れているのか示すシステムについて述べる.

酒井 郁貴,濱川 礼(中京大)
予測変換を用いた初心者向け作曲支援システムの改善と評価 (228)
(1B51★) 予測変換を用いた初心者向け作曲支援システムの改善と評価

アマチュア作曲の普及を背景として作曲に興味を持つ人が増えている.しかし,音楽知識に乏しい初心者にとって作曲は容易ではないため,初心者を対象とした様々な作曲支援システムが研究されてきた.我々は,入力メロディの先に続く候補メロディを提示することで,ユーザの作曲を支援するシステムを開発してきた.本研究では,システムの実用性向上を目的として,候補メロディの提示アルゴリズムの改善に取り組んだ.評価実験として,改善前後のシステムで生成したメロディの比較実験を行ったところ,改善後のメロディに対して評価得点が向上し,アルゴリズム改善の有効性を確認することが出来た.

山下 峻,坂本 大介,小野 哲雄(北大)
ジャミング転移を利用した食感提示システム (188)
(1B52★) ジャミング転移を利用した食感提示システム

本研究では,咀嚼状況に応じて口内の物体にジャミング転移を発生させることで,異なる食感を提示するシステムを提案する.ジャミング転移とは,粉粒体が密度によって異なる振る舞いをする物理現象である.本研究の初期検討として,異なる硬さをユーザに提示するプロトタイプの実装,およびプロトタイプを用いたユーザ実験を行なった.結果,本システムが提示する異なる硬さを,ユーザが口内で判別可能であることが確認できた.本検討により,咀嚼をする毎に柔らかくなるなど,多様な食感を提示できる可能性が示された.

笹川 真奈,新島 有信,青木 良輔,渡部 智樹,山田 智広(日本電信電話株式会社 NTTサービスエボリューション研究所)
聴衆の反応を可視化するプレゼンテーション支援システム PoH!! (281)
(1B53) 聴衆の反応を可視化するプレゼンテーション支援システム PoH!!

本論文では,ライブ配信で行われるプレゼンテーションを視聴している聴衆らの反応を,発表者と聴衆双方にリアルタイムで提示するプレゼンテーション支援システム「PoH!!」について述べる.近年,手軽にライブ配信可能なWebサービスが充実し,プレゼンテーションの際に実空間だけでなく,サービスを介したオンライン空間にも聴衆が存在する場合が多くなってきた.一般的に発表者は会場の雰囲気や聴衆の反応から発表のニュアンスを調整する.しかし,物理的に離れている聴衆の反応は実空間にいる聴衆の反応と比べて伝わりにくい.「PoH!!」では物理的に離れている聴衆の反応を取得し,それをリアルタイムで発表者と聴衆に伝わるよう可視化を行う.これにより発表者は物理的に離れている聴衆が自身のプレゼンテーションに対しどのような反応を示しているのかが見えるようになり,聴衆が物理的に離れていたとしても発表のニュアンスの調整が可能となる.また,「PoH!!」の評価実験としてビブリオバトルスタイルのプレゼンテーションを題材にしたものを行なったためそれについても述べる.

谷口 航平,濱川 礼(中京大)
9軸モーションセンサを用いた車椅子パフォーマンスの拡張 (273)
(1B54) 9軸モーションセンサを用いた車椅子パフォーマンスの拡張

従来の車椅子研究は移動機能の向上を目指したものが多く見られるが,本研究では生活の質の向上を目指し,健常者が踊るように車椅子ユーザーも自由に表現が可能となるシステムの制作した.車椅子にモーションセンサを取り付けて動作をメディア変換しパソコンやスマートフォン上で処理を行うことで,リアルタイムに動作と連動したパフォーマンスを可能としている.本稿では,日常の車椅子で行える動作である叩打,漕ぎ,回転に着目し,各動作に対応して音を出すインタラクティブなアプリケーションの開発と,本アプリケーションの展示会での様子について報告する.また,発展として本システムを用いることで音以外にも光や映像表現を用いたデジタルな表現や,段差や道路状況の解析など車椅子周辺環境の分析にも応用可能である.

小手川 誠也,馬場 哲晃,串山 久美子,韓 旭(首都大)
知識ゴミは知的資源となり得るか?  ~棄却文章断片の活用環境構築に向けて~ (086)
(1B56★) 知識ゴミは知的資源となり得るか? ~棄却文章断片の活用環境構築に向けて~

これまで,知識を効率的に活用する研究が数多くなされてきた.これらの研究が対象とする知識は,有用であるという判断のもとで形式化された知識である.一方,これらの知識が創造される過程では試行錯誤が行われることが一般的であり,この過程において不用と判断された知識断片は知識ゴミとして棄却され,活用対象としてみなされない.しかしながら,知識ゴミは,ある知識の創造において不用と判断されただけであり,その他の知識創造においても一律に不用と判断されるのは適切でない.筆者らはこれまで,知識ゴミの活用可能性に着目し,文章作成過程において知識ゴミとして棄却された文章断片(棄却文章断片)を活用すべく研究を行ってきた.具体的には,棄却文章断片を活用可能性の高いもの(R-DTF)と低いもの(F-DTF)とで分別収集可能な文章作成支援システムText ComposTerを開発した.本稿では,Text ComposTerで収集したR-DTFが新たな文章作成において実際に活用されるかどうかを検証し,その検証結果を踏まえて棄却文章断片を知的資源として活用するための環境構築について検討する.

生田 泰章,高島 健太郎,西本 一志(北陸先端大)
小学生のためのアルゴリズム教育支援アプリケーションの提案 (130)
(1B57) 小学生のためのアルゴリズム教育支援アプリケーションの提案

ソフトウェア開発などにおけるプログラムのアルゴリズムを学ぶことは,効率的にプログラミングスキルを習得するために必要不可欠である.文部科学省では,2020年の新指導要領にて,アルゴリズムの論理的思考を学ぶことを目的とし,小学生を対象としたプログラミング教育の実施を検討している.しかし,指導者不足の問題や,指導者の専門的な技能の差が教育効果に大きく影響することが予想されている.そこで,本研究では小学生のプログラミング教育に着目し,アルゴリズム教育支援アプリケーションを提案する.本アプリケーションは,アルゴリズムの論理的な思考によって,体操をモチーフにしたポーズの組み合わせをつくる.学習者は,複数の異なるポーズが同時に実行されたとき,それぞれの動作が干渉しないよう考慮した一連の動きを作成することで,アルゴリズムの概念を学ぶことができる.本研究は,プログラミング教育におけるアルゴリズム教育支援アプリケーションとしての有用性について検証する.

木元 郁己,柳 英克(はこだて未来大)
CPPN表現とNeuro-Evoluationを用いたエレクトロニカのためのノイズ音素材制作 (250)
(1B58) CPPN表現とNeuro-Evoluationを用いたエレクトロニカのためのノイズ音素材制作

本稿では,著者自身の音楽作品のために構築し実際に作品制作に用いた,1.CPPN表現によるノイズ音素材合成と,2.アート作品制作のためのCPPN表現の対話型・非対話型ハイブリッドのNeuro-Evolution最適化システム,3.システムを用いての作品制作,について述べる.CPPNは周期関数や窓関数をニューラルネットのように接続することにより波形を生成するネットワークを表現する手法であり,アニメーション生成などに実験的に使われている.これをNeuro-Evoluationと組み合わせ,具体音をターゲットとして音響合成に用いることで,既存の音素材制作手法では実現が難しかった「なんとなくピッチ感を持った」エレクトロニカ音楽に適した音素材の生成を行った.またNeuro-Evolutionの特性を活かし,対話型学習による「波形」の生成が可能であることがわかった.

安藤 大地(首都大)
音楽表現を拡張するジェスチャ操作楽器の開発 (062)
(1B59) 音楽表現を拡張するジェスチャ操作楽器の開発

音楽表現に使用される楽器は,時代と共に新しい物が開発されている.しかし,これらの楽器にはその構造や発音方法から音楽的表現に奏法上の制限が存在する.シンセサイザー等の電子楽器はそれら制限を一部克服しているが既存の楽器をシミュレートしているためすべての制限を超えるものではない.そこで本研究ではセンサで指先の位置を検出し,それに応じた音程・音量を出力する直観的奏法が可能な楽器を開発する.具体的にはユーザーがセンサに手をかざすと画面上に手のモデルが投影される.ユーザーはその画面上のモデルを見ながら手指を移動させ,オブジェクトに触れるとそれに応じた音が発音されるものである.

紫村 勇綺,宮脇 健三郎(大阪工大)
Ceres:朝の生活で利用するフードプリンタの提案と試作 (218)
(1B60) Ceres:朝の生活で利用するフードプリンタの提案と試作

ファブリケーション技術の進歩に伴い,フードプリント技術が登場し始めた.フードプリント技術が進歩する一方で,フードプリンタを日常生活でどのように使うかという議論があまりされていない.そこで本研究では朝食を中心とした利用シーンに焦点を当て,朝食を通じて食生活を改善・向上を目指すフードプリンタCeresを提案する.本論文では,CeresとCeres専用のモデリングソフトウェアCookCadの試作を通じ,日常生活におけるフードプリンタの可能性とシステムの課題,そしてデジタルファブリケーション時代における料理像について議論する.

大内 泰良,尾高 陽太(明治大),鈴木 涼太,神山 洋一(シードルインタラクションデザイン株式会社),住 朋享(クックパッド),西條 瞳,吉村 佳純,金子 翔麻,片倉 翔平,高田 一真,高瀬 理奈,渡邊 恵太(明治大)
ブラインドを拡張した新たな情報提示手法の提案 (284)
(1B61) ブラインドを拡張した新たな情報提示手法の提案

ブラインドは手軽に採光状況やプライバシーを調整できる点から,一般的な窓から会議室等のガラス壁まで,幅広く利用されている.本研究では,こうしたブラインドと窓をスクリーンとして見立てて,室内から映像を投影することで,室内/室外の双方から視認可能なディスプレイとして利用できると考えた.さらに,ブラインドの羽根の向きをセンサで取得し,映像を制御することで,室外に伝わる情報量の調整を試みる.また,モーターによってブラインドの羽根を自動的に開閉する仕組みやブラインドの特徴を活かしたコンテンツを構築する.本論文では,システムの設計とプロトタイプの実装を中心に説明する.

本間 貴士,沖 真帆,塚田 浩二(はこだて未来大)
ミラーレス・ミラー:物体が通り抜ける鏡 (297)
(1C62★) ミラーレス・ミラー:物体が通り抜ける鏡

鏡を扱うファンタジー作品では,しばしば自分の手などの物体が鏡の面を通り抜けて進むという描写がみられる.本稿の目的は,このような体験が可能な鏡を実現することである.実物体を伴わない仮想の鏡を提示できる光学系は既に知られており鏡の通り抜け自体は実現しているが,そのままでは通り抜ける物体と鏡との位置関係が把握しづらく,通り抜けた感覚に欠けていた.本稿では,鏡を通り抜ける感覚をより強く与えるような実装を提案する.具体的には,鏡との位置関係がよく見えるよう空間を区切って照らす照明を行い,仮想鏡の反射率が高くなるよう光学系を設計する.提案システムを実装・展示し,自分の手が通り抜ける感覚を体験できること,新しい体験が社会に受け入れられることを確認した.

大川 達也(東大)
太陽光源を用いた液晶シャッタの高速な開閉制御により肉眼で不可視な影を投影するディスプレイ (087)
(1C63★) 太陽光源を用いた液晶シャッタの高速な開閉制御により肉眼で不可視な影を投影するディスプレイ

本研究では太陽光を光源として活用し,液晶シャッタの高速な開閉によって直射日光の透過/遮断を時間的に制御することで,カメラ撮影時にのみ任意の視覚パターンを提示するディスプレイを提案する.肉眼とカメラでは時間分解能の差があり,肉眼では視認できない短時間の変化を,カメラではシャッタ速度を高速に設定すれば捉えることが可能であるという点に筆者らは着目した.また,空間が明るい状態では,スマートフォンなどのカメラのシャッタ速度が高速な値に設定されるため,光源として直射日光を用いることで,ユーザはカメラに特定の設定や操作をすることなく投影された情報を撮影,取得できる.本稿では具体的なシステム実装方法と,スマートフォンに搭載されたカメラの特性の検討,提案システムの視認性に関する評価について報告する.また,提案システムを用いたアニメーション表示と撮影補助の仕組みについての2つのアプリケーションについても紹介する.

中山 祐之介,横田 智大,橋田 朋子(早大)
プロジェクションマッピングを用いた三味線の構え方学習支援システムの提案 (192)
(1C64) プロジェクションマッピングを用いた三味線の構え方学習支援システムの提案

本研究では学習者の三味線の構え方を計測・評価し学習を支援するシステムを提案する.本システムでは,モーションキャプチャで計測した棹の角度と,胴の角度を用いて熟練者の構え方と学習者の構え方の差を評価する.評価結果は,プロジェクションマッピングを用いることで学習者へ提示する.本システムを評価実験した結果,棹の角度が6度から8度程度,胴の角度が2度から6度程度熟練者の構え方に近くなった.このことから,本システムが三味線の構え方の学習に対して有効であることがわかった.

岩﨑 仁志,柴田 傑(室蘭工大)
ユーザの脈拍数に応じてルートが分岐するホラーゲーム開発 (187)
(1C65) ユーザの脈拍数に応じてルートが分岐するホラーゲーム開発

本研究は,HMDと脈拍計を用いたユーザの脈拍数に応じてルートが分岐するホラーゲーム開発である.ユーザは,脈拍計であるMio LINKを装着し,HMDとしてOculus Riftを用いてプレイする.ユーザの脈拍数をリアルタイムで測定し,ゲームプレイ前に測定した平均値との比較によって,ゲーム内のルートが分岐する.テストプレイを行った結果,我々は前開発よりも恐怖を感じない人に対しての恐怖を感じさせることが可能であった.

荒木 勇人,池田 太一,小澤 拓海,河原 健太,川合 康央(文教大)
Secret Sign:目的対象物発見のための秘匿性の高いインタラクション手法 (161)
(1C66) Secret Sign:目的対象物発見のための秘匿性の高いインタラクション手法

同一,あるいは類似形状の複数の対象物体の中から任意の対象物体を,探している本人のみが発見でき,かつ手軽に利用できるようなインタラクション手法を提案する.対象物が複数ある場合に,その中から任意の対象物を手掛かりなしに特定することは難しく,従来は記名や色などから対象物を特定可能であったが,第三者にも容易に特定が可能な場合,悪用されてしまう可能性がある.そこで,利用者の操作に連動して反応する装置をランダムに反応する装置の中に紛れ込ませる手法を提案する.これにより,利用者のみが目的対象物を発見できることを画面上及び実環境にて検証した.実験結果より,本提案手法を用いることで,利用者は第三者よりも早く目的対象物を発見可能であることがわかった.

森田 弘美,石黒 祥生(名大),西野 隆典(名城大),武田 一哉(名大)
テーブルトップインタフェースを用いた逃げ地図制作手法の提案 (264)
(1C67) テーブルトップインタフェースを用いた逃げ地図制作手法の提案

地域住民の防災教育という指針においては,「逃げ地図」制作などの地域密接型イベントによる防災の周知が行われている.逃げ地図制作の現場では,汎用的な地理実用データの創出よりも,実践過程で形成される参加者間のリスク・コミュニケーションを重要視している.しかし,紙地図による制作手法では,防災ノウハウが共有しにくい点などが課題に挙げられる.参加者間のリスク・コミュニケーションとデジタル地図の両立には,これらの課題を満たしながら,対面コミュニケーションが可能な逃げ地図制作環境が必要になると考えられる.そこで本論文では,テーブルトップインタフェースを用いた逃げ地図制作手法を提案する.本研究では,アナログ制作手法およびデジタル制作手法の双方の利点を取り入れた仕組みを開発することで,新しい逃げ地図制作手法の確立を目指す.

谷岡 遼太,濱上 宏樹,吉野 孝(和歌山大)